表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ABYSS CHRONICLE  作者: 望月 梓
天恵の歌姫に賛歌を
13/19

ソロ魔法使いVS女王蜘蛛


 そして戦闘が始まった。

 まずは様子を見るためファイアボールを相手の逃げそうな方向へと打ち込む。 逃げる方向の予測を外したね。偏差撃ちは難しいね。あ、意味違うって?知ってる。言いたかっただけ。

 蜘蛛の動きは単純だが、さっきの奴とは段違いに早く重いように見えた。こいつの取ってくる動きで気をつけるのはさっきの奴の親玉的に考えるなら、粘ついた糸を吐いてくるやつなんだが、こいつの場合はそれだけでは無い。

 相手の攻撃方法はよくあるサソリ型のモンスターの動きに近い。こいつは6本の足を軸として他の前足?で攻撃を仕掛けてくる。右、次は左と交互に尖っている足でこちらへ迫ってくるのだ。それを俺は昨日身につけたステップで回避。攻撃の射程はロングソードと同じくらいの1メートルくらいで、そこまで広くはないので回避することはできる。

 さっき言った糸を吐くやつに関しては若干の溜めのような予備動作が入るのに気付いたのでそれを見たらステップと走りを利用して後ろへ回りこみ、ファイアボールを当てる。

 単なる作業のように見えるかもしれないが、これはコントローラー型のゲームではない。いつものFPSとかなら手が覚えているのもありミスなどほぼないけど、まぁ、エイムはブレブレだけど、これはVRゲーム。自分自身の仮想の体を動かしているというのが重要だ。

 仮想世界なのもあり、身体能力は上がっているのは実感できるのだが、正直反応速度は現実のからだと一緒と考えていいだろう。だからこそ、相手の攻撃を見て動く速度が重要になってくるし、体勢も考えながらやらなきゃいけないので割りと酷だったりする。

 

 「はァ、目と体は慣れてきたけどその分色んなところがきついわ...ってあぶねっ!」

 

 なんの予備動作もなく、蜘蛛は口から何かを吐いてくる。糸ではないように見えたけどギリギリで回避。何かは後で確認。それよりも目の前の蜘蛛の動きに集中。

 これ、パーティー推奨の敵だろうなー。攻撃が物理攻撃は余裕でタンクが受けられそうだし、攻撃時の横が割とガラ空き。その隙にスキルかなんかで大ダメージ与えてヘイト管理してれば楽そうですね! 私も横からぶち当てたい。


 そして、ついに初めて攻撃を喰らった。避けたと思った攻撃は自分が思ったより動けてなかったせいで相手の右足の攻撃が当たる。

 

 「グッ 痛ッ。」


 痺れる方の部分に意識を回す暇もなく、サッと現状1秒程度で確認すると、HPは全体の3割程度減っていた。ラットより弱いのかと安堵しつつも、あの連続攻撃3回のコンボで瀕死なのね!とツッコミを入れる。


 相手の攻撃をとりあえず大きく後ろへ回避し、その隙に回復を挟む。ちょうど3割なので回復しきるのだが、ファイアボールを打つ回数などを考えたらあと2回が限度だろう。

 

 てか、糸をやるのってケツの部分からじゃないのか?こんなこと気にしてたら負けかな? 口から吐いてあの巣を作るんだったらって考えるのやめよう。リアルに想像すると怖すぎる。


 さて、かれこれ攻撃を避けつつパターン化された動きでファイアボールを4.5回当てたのだが、HP半分は減ってて欲しいなー。いつもは敵のHPがある程度見えるゲームがほとんどなので、残り3割切ったら攻撃の切り替え注意とか出来るんだが、まじで分かりやすくあってくれ。

 

 そして、その時はきた。それからため攻撃に合わせてのフロストバレットを全弾撃ち込んだ時に起こった。明らかにボスであるクモが動きを辞める。今に攻撃しておけばよかったかもしれないが、全反射とかされても困るので一旦下がり回復を挟む。残り1回。

 相手の行動に用心しながらフロストバレットを撃とうとするが、するとクモはついにケツから糸を吹き出し、この一帯に撒き散らし始めた。周りの壁や少し高めの天井に明らかな罠作りというか巣作り、俺はお前の養分じゃないし愛の巣に入るようなキングスパイダーみたいなやつでもない。あ、後で出てきそう。変なフラグでも立てたかな。

 

 素を作っている間の数秒、ファイアボールを1回だけ直撃させるがもうMPがない。残りMP6、フロストバレット1回分だ。相手の体力は分からないけどいきなり行動が変わったことから3分の1か4分の1程度であると信じたいんだけど。

 

 さて、相手が巣を作ったことで移動範囲が狭まりステップの位置を気をつけないとそのまま餌として美味しく頂かれてしまう。はい、絶対嫌です。まだ食われる感触は味わいたくないです。そして、相手の移動範囲が増える。雑に言うと少し大きなドームにネット撒かれまくった感じ。ほんとに集中してるけど変な雑念がまだ残ってるからまだ余裕ではあるらしいね。


 

 「あー、MPねー!」


 狭まった範囲の中を糸や攻撃を避けつつ絶望的な虚しく叫ぶ。そして、避けた直後の体勢で1秒悩んだ末にファイアボールではなくフロストバレットを選んで相手に全弾放つ。今の弾丸は6発、全て当たれば大ダメージだったが当たったのは4発。ギリギリファイアボールよりダメージ出たかでてないか程度。結果はまずまず。これで落ちてくれ。


 「ギフシャー!!」


 最後の弾丸が当たった直後、急に初めて聞く叫び声が辺りに響く。そして、クイーンスパイダーは体勢を崩して地に伏せた。


 「やっと終わりか...。」


 ほんと長かった。相手の攻撃のパターンを見つけられなかったら勝てなかったな。てか、糸に当たったらまじで終わりだった。

 そんなことを思いつつドロップ品を回収しに行く。

 あれ?そういえば身体消滅してなくね?

 そう思った直後。クイーンスパイダーは急に動きだし、紫色の液体を辺りに撒き散らし始めた。完全に不意をつかれた俺は直撃。吹っ飛ぶみたいなことは無かったけど一番ヤバイことになった。

 

 「マズイな・・・。」


 一定時間ごとに削られていくHP、スリップダメージ、即ち……




 毒だ。

 

 

 

女王蜘蛛(クイーンスパイダー)

一定のレベルにならないと開かない洞窟グモの女王。予備動作が大きく動きはパターン化されてるものが多い。HP自体はそこまで高くはないが、残り4分の1になると...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ