7/23
雨の日
雨の日は、あまり好きではない。
地面は濡れ、匂いは薄れ、足音も沈む。
動く理由が、ほとんどない。
吾輩は軒の下で体を丸め、静かに時をやり過ごす。
……にもかかわらず、人間は違うらしい。
あの者たちは、わざわざ外へ出ていく。
頭の上に奇妙な屋根を掲げながら、濡れた道を歩いていく。
どう見ても、不便そうだ。
守っているつもりなのかもしれないが、
足元はしっかり濡れている。
意味があるのかは分からない。
ときどき、風に煽られてその屋根がひっくり返る。
そのたびに慌てる様子を見ると、なおさらだ。
吾輩は目を細める。
雨音は悪くない。
動かずにいるには、ちょうどいい。
……人間は、なぜああまでして外へ出るのだろう。
理解はできない。




