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人の子
あの子は、よく同じ場所にいる。
誰かを待っているようで、そうでもない。
手には何もなく、行き先も決まっていないようだ。
……妙な動きだ。
吾輩は少し離れた場所から、それを眺める。
呼ばれない場所に留まるのは、あまり賢いやり方ではない。
もっとも――
似たようなことをしていた時期が、なかったわけでもない。
その子は膝を抱えたまま動かない。
じっとしている時間が、やけに長い。
だが、声をかける理由はない。
あれは、人の子だ。
吾輩は欠伸を一つする。
人の子から少し離れた所に、腰を下ろした。




