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どんぐり

子供たちの声が近い。今日は妙に騒がしい。

日が傾き出す頃、公園は落ち葉を踏みしめる音で溢れている。


子供たちは地面を見ながら忙しなく歩き回っていた。


吾輩はいつものベンチから聞き耳を立てる。

どうやら、どんぐりという木の実を探しているらしい─



両手から溢れそうなほど集めるもの、拾っては色や形を吟味しているもの。

少し騒がしいが、見ている分には悪くない。



じゃれつくのに騒がしいのは、子猫も人の子も相違ない。

人の子もこうして狩りを覚えていくのだろう…嬉しそうな声を聞く限り、中々上手そうだ。



その中で一つだけ、どんどん力無く弱っていく足音がある。

怪我でもしたのかと吾輩はそっと目を向けたが、そうではないらしい。




だが、その子の手には何も無い─




楽しそうな声の中、尾が垂れているように見える。

……あの子は狩りが、苦手なようだ。



吾輩は伸びをしながら、欠伸をひとつ。

その子の横をゆっくりと通り過ぎた。


尻尾が落ち葉をかすめる。

その下から、丸々したどんぐりが転がり出た。




「あっ!」




子供は嬉しそうに木の実を拾い上げていた。


……悪くない。

吾輩は振り返ることなく、その場を後にした。


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