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柿の木の下で
最近、風に甘い匂いが混じるようになった。
どうやら、柿が熟れてきたらしい。
あの庭の木には、橙色の実がいくつもぶら下がっている。
鳥たちは朝から騒がしい。
枝へ降り立っては鳴き、実をつつき、また飛び立っていく。
落ち着きのない連中である。
そのうち、人間たちも庭へ集まり始めた。
長い脚立を運び、大きな籠を抱えながら、空を見上げている。
どうやら収穫というものを始めるらしい。
だが、柿は人間の思い通りには動かない。
一つ取ろうとして別の実を落とし、慌てて拾いに走っていた。
鳥より、少し落ち着きがない。
落ちた実には、すぐ虫たちが集まってくる。
甘い匂いにつられるのは、皆同じらしい。
吾輩は欠伸を一つ。
柿の周りは騒がしいが、柔らかな日差しも、少し冷たくなってきた風も、嫌いではない。
吾輩は、落ちてきた葉を前足で転がした。




