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赤き竜のための協奏曲  作者: 烏合衆国
第八章 ユークスラメル
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8-5 アクセル記念⑤


〖――外から⑦番ジェディキッス! 独翔状態のエルダーイザールにここで尻尾を掴まれた! 一気に追い上げてきたジェディキッス、なんという末翼《すえはね》か、迅い迅い、しかしエルダーイザールも負けてはいない、差は一竜身、半竜身、ここで並んだ、エルダーイザール先頭は譲らない、ジェディキッスも翼は衰えを知らない、翼を閃かせ――入線《ゴール》! 先頭二頭は接戦でした、三着メイルシオン号が今入線(ゴール)!




〖――ジェディキッスだ! ハナ差でジェディキッス、ロラン記念を制しました! 快晴のロンセスバージェス競竜場、勝利を飾ったのは⑦番ジェディキッス、騎手はベレー・ハイジン=ハスト様! ジェディワールズ産竜ジェディキッス、これにて二冠を達成しエルダーイザール号、カナンレンクグ号の成績に並んできました! 今年の四歳世代は二戦を残して二冠竜三頭、一冠竜四頭! 大混戦のまま年末のタルギタオス記念へと突入します! ――〗




 キッスが勝った。

「――ッ!」

 僕は競竜場に一緒に観に来ていたアルザさんと、顔を見合わせる。

 僕たちは、互いの手を打ち合わせた。


 キッスが二勝目を上げた。

 それも、ロラン記念にて。


 ロラン記念は、言うまでもなくロラン家の最重要重賞だ。ここ数年は、ザラエグ様が連覇されていたが、かつてベレー様は一度だけ勝ったことがあった。

 そして二度目の勝利を、まさかキッスで達成されるとは。キッスは長く成績を残せないでいたが、調教の成果を、そしてその血の確かさを示せた一戦となった。

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