表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤き竜のための協奏曲  作者: 烏合衆国
第一章 ボンヴァルノン
PR
5/41

1-4 雪原月


〖――新年最初にして、大帝賞出場の懸かった、四歳竜最後の重賞。“俊英雄”の名を冠する栄光を手に入れるのは、どの竜になるのか。雪原月の帝立第二競竜場、アクセルテグ記念。――発翔スタートしました!


〖まず先頭切って飛び出したのは3番キャサーナ! 続いて5番ブルカモンガと4番エルダーフェスが並んでいます! 中団には2番アウカタイデサー、7番マカアルトン、内から1番セーレーサガット! 後方に控えますは6番マーファハーブそして8番ジラハルミル!


〖さあ依然先頭は3番キャサーナ、得意の逃げをこの大舞台でも魅せてくれます! 下から期を窺うは4番エルダーフェス、5番ブルカモンガは少し飛調ペースを落とした! 先月のタルギタオス記念を勝利した二冠竜、アウカタイデサーの差し(スパート)は今回はどうだ! 8番ジラハルミル少し遅れている! 第3コーナー回ってエルダーフェス、キャサーナの下に潜ります! 最初の激突マッチアップはこの二頭、しかしこれを嫌ってキャサーナ、外を回るか! 空いたところを7番マカアルトンが狙います!


〖間もなく一周目が終了します、暫定順位は先頭が3番キャサーナ、続いて4番エルダーフェス! 三番手には7番マカアルトン、そして5番ブルカモンガ、2番アウカタイデサーと続きます! 少し離れて六番手には6番マーファハーブ、1番セーレーサガットと8番ジラハルミルが追いかけます! 長い三年間でした、成績はマーファハーブが三冠、続く二冠竜がアウカタイデサーとエルダーフェス! セーレーサガット、キャサーナ、ブルカモンガ、マカアルトンが一冠を獲っています!


〖残りは半周、ここでアウカタイデサー動いた! ブルカモンガの上を通り、7番マカアルトンと縦に並びます! タルギタオス記念で見せた、空を制する飛翔です! この激突マッチアップ、おおっとマカアルトン、大きく沈んだ⁉ 上を取られた重圧プレッシャーを、距離を取ることで緩和する狙いか! かなり低い飛翔ですが三番手は譲らない! そしてここで上がってくるぞ6番マーファハーブ! 三冠を獲った実力を示せるか! 3番キャサーナ下がって一番手には4番エルダーフェス! 7番マカアルトンはキャサーナの下を取る! キャサーナはうわずりが苦しいか! 続いてアウカタイデサーとマーファハーブが並びます、これはタルギタオス記念の再現だ! アウカタイデサー、高度を下げてより圧力を高めていくが――ここで6番マーファハーブ、二度目の加速(スパート)だ! 上ずったキャサーナと沈んでいるマカアルトンの間隙をすり抜ける!


〖最後の直線、4番エルダーフェスに6番マーファハーブが追いすがる! エルダーフェス、高度を下げつつ逃げるがマーファハーブは速度は落ちていない! 1番セーレーサガット追い上げるがアウカタイデサーを越えられないか! マーファハーブ、翼をひらめかせ――入線ゴール! アクセルテグ記念、一着はマーファハーブです! 驚異の四冠達成! そして冬の三冠を獲りましたマーファハーブ、二十二年振りの《《聖三冠》》達成です!〗






 マーファハーブ号の競争レース運びは素晴らしかった。アウカタイデサー号との再戦も制し、見事に四冠目を獲ってみせた。


 そして、聖三冠。

 雪原月の四歳竜競争(レース)、アクセルテグ記念。

 寒波月の二歳竜競争(レース)、オリヴィエ記念。

 風雲月の三歳竜競争(レース)、ダノワ記念。

 これら全てを勝利した竜は、特に聖三冠の称号を与えられる。実況されていた通り、実に二十二年振りの快挙である。




 先月、アウカタイデサー号の取った、上空を取り、圧をかけるという作戦。今回、マーファハーブが切り抜けられた理由は、競争レースの距離にあると考えている。


 タルギタオス記念は12フェレン半。対して、今月のアクセルテグ記念は8フェレンと、約三分の二の距離になっている。このことから、タルギタオス記念では長距離に疲弊していたところにアウカタイデサー号が被さり、相乗効果を生んでいたが、今回は距離が比較して短かったことで、マーファハーブ号が、二回仕掛けられるほどの余裕を持てていたということになる。アウカタイデサー号のがわが、策に溺れたというわけだ。


 マカアルトン号の取った作戦も、個人的には興味深かった。競争レースは高めの高度で進むことが多いが、高度の規定は特にはなく、地面についたとしても問題はない。むしろ、固まっているところから抜け出したほうが、飛びやすいこともある。基本的には、下に行けば行くほど、上空の竜の羽ばたく気流に乱されているとはされているものの、先行策ならその影響も受けづらい、というわけだ。




 結果としては、一着・マーファハーブ号。半竜身差で二着・エルダーフェス号。1竜身差で三着・マカアルトン号。クビ差で四着・アウカタイデサー号。3/4竜身差で五着・セーレーサガット。という最終結果だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ