悪戯を仕込む、プリースト
本エピソードは「サ終ゲームのリスタート」の第5章ep.72 風の加護 までを、すでにお読みいただいている前提で書かれております。
未読の方にはネタバレが含まれますので、ご注意の上お進みください。
パーティに1品持ち寄りするものを決めないといけないので、アタシはその足ですぐ、イベントエリア「大晩餐会」に向かった。
まあ勿論、先に行ったチョコケーキさんが何を企んでるのか気になるから、追いかけたってのが大きいんだけどっ! 他に°˖✧はぴ✧˖°さんや花図鑑の先輩たちもいるから、別におかしくないしっ!
「えーっと、どれがいいかなーっ」
色んな食べ物・飲み物から何を選ぶか迷うふりをしながら、アタシはチョコケーキさんとMiyabiさんをこっそり観察することに。
調理場の方に向かったから……どうやら新作にチャレンジするみたいね。
こっからだと、ちょっと遠いかな……。
「じゃあ調理開始だね! まずはチョコケーキさんの提案通りに作って見るねっ!」
「上手くいくかな?( _•ㅅ•)_」
試食するふりをしつつ、何とか会話が聞こえる位置に移動するアタシ。菖蒲先輩も、別方向から観察を始めたみたいね。
他にも人は沢山いるから、他の先輩たちも気になる人を観察しつつ、品物を選んでた。
「これをベースにして……これとこれをトッピングにするんだっけ」
「そうそう(「 •ㅅ•)「」
何やら材料を集めて、手を動かすMiyabiさんを、チョコケーキさんが期待に満ちた目で見てるけど……うーん、手元が見えないなぁ。
でもこれ以上近づくのは、さすがに無理そうね。
「で、こうして……トッピングはこうした方が映えるかな?」
「あ、緑がなかったねヾ(*•ᆺ•)ノ ……これとか使える?」
「悪くないアイディアかもね」
言いながら、どんどん何かを作っていくMiyabiさん。超気になるのに!
でも思ったように作業が進まなかったみたいで、途中からしぶい表情になった。
「うぅ……失敗しちゃったかな。これだと思ったより、見た目が綺麗にならないね」
「むむむむぅぅ~、否定できない……」
「あはは……一回諦めよっか。もうちょっと他に、いい方法がありそうっ」
「確かに、ソースはかなりいい線いってるよねꉂ(•ㅅ•*)ケラケラ」
ソース? を使った料理ってこと?
何かしら……色々ありすぎて絞れないや。
「うんうん。ってことは、もっと……なベースでやればいいかな?」
「何かあったっけ……( _•ㅅ•)_」
言いながら、2人で材料を物色する間、アタシは慌てて持ち寄る品を選ぶ。
こっちはこっちで手を抜けないし、他の人と被らないものにしたいもんね。
「あ、そうだ。……を試してみよっか!」
「……なるほどっ! ヨシ( •ㅅ•)σ」
別のアイディアが浮かんだみたいで、また調理場に戻る2人。アタシも持ち寄り品の候補が絞れてきた。
「……今度はかなり良さそうヾ(*•ᆺ•)ノ」
「ん~! ノッてきたね」
お、今度は表情が明るいわね。
そんでアタシは、これを持ち寄り品にしようかなっ!
「おおー! いい感じじゃない?」
「いや~、こだわってこそでしょ? よりおいしくより美しく! だよ」
「お、まだ行けそう?(「 •ㅅ•)「」
何だか上手く行ってるみたいで、目が輝いてきたMiyabiさん。チョコケーキさんも興奮し始めた。
そしてついに……
「よし、調理終了! いやぁ~面白かった~!」
「うんうん完璧ꉂ(•ㅅ•*)ケラケラ」
満足いくものができたみたいで、2人はハイタッチで喜び合った。何ができたんだろ……。
「で、ペンタスさん気になるんでしょそうでしょ」
「えっ? あっ、えっと……」
しまった、バレてたか。いいや、いっそ開き直ろう。
「そりゃそうよ、今度はどんな悪戯する気かってなるじゃん!」
「どんなって……知ってる? 『やっていい悪戯』なんかないんだよ。あるのは、『許してもらえる悪戯』か『許してもらえない悪戯』なんだよ」
さすがチョコケーキさん、全くブレないわ。
「何か格言っぽいこと言われた! 悪戯するのは、やっぱ確定なんだ……」
「まあまあそう言わず。ほら、作ってもらったのこれだよー(「 •ㅅ•)「」
「どうかな、私の力作だよっ」
と言って、2人で出来上がったものを見せてくれた。
「こ、これってまさか……!」
丸くて柔らかそうな生地に、焦げ茶色のソース。その上には鰹節、紅生姜、青のりと思われるトッピング……。
そして極めつけは、特徴的な舟型の器と爪楊枝! これは間違いなく、たこ焼き!!
……いやいや、油断しちゃ駄目でしょ。あのチョコケーキさんが、普通のたこ焼きをオーダーするわけないでしょ。
ってことは……
「……ロシアンたこ焼きじゃないでしょうね……?」
「ちがうもん!! ちゃんと美味しいもの作ってもらったもん!!Σ(゜∀´(ㅅ• )ガブッ」
心外とばかりに反論された。でもねぇ……。
「ホントにぃ?」
「だって私も食べるのに、ハズレを入れるわけないじゃん(「 •ㅅ•)「」
あ、そういう理由……。
ある意味一番納得できる理由に、アタシは一旦胸を撫でおろしたんだけど……。
彼女の目がずっと期待に満ち溢れてるのと、菖蒲先輩が笑いを堪えてるのが気になったまま、パーティの時間になった。




