謝罪する、マジシャン
本エピソードは「サ終ゲームのリスタート」の第5章ep.72 風の加護 までを、すでにお読みいただいている前提で書かれております。
未読の方にはネタバレが含まれますので、ご注意の上お進みください。
「さっきは戦闘不能になってごめんなさい!」
適性者ギルドに着くや否や、そんな声が聞こえてきて、アタシは思わずその声がした方を見た。
えっと……ああ、Miyabiさんかぁ! トルネクロン戦で戦闘不能になったことを、他の火属性選抜メンバーに謝ってるわけね。
まあ、あれはほんとギリギリの戦いだったから、そりゃ謝りたくもなるわ……。
アタシは他のメンバーがどう思ってたか気になって、その様子を観察することにした。
「あっはははははは! ドンマイマッソー!!」
「苦しゅうないっ!」
照輝さんは予想通り、全く気にしてないみたい。
チョコケーキさんは何だか、満足げね。まあこんな時じゃないと、蘇生する機会なんてないからかな?
「怒ってないわよ? 私こそ、みんなに心配かけちゃったし、Miyabiさんに助けてもらったし……」
「まったくだぜ。無茶するとこばっかり見せられる方の身にもなれよ」
そう言えばくろんさん、蛇嫌いって聞いたわね。Miyabiさんは虫嫌いだし、そりゃあ分かり合えるところがあるか。
つかジャスティアさん、いたの。いや、いないわけないわね。くろんさんもトルネクロンと戦った後だもん。
「私も気にしてないよぉ~☆ おつかりニャン♪」
°˖✧はぴ✧˖°さんもいつも通り、明るくそう答えてた。
ホント、何だかんだでいいチームね!
「ありがとう。それでさ、お詫びと言っては何だけど……」
みんなが謝罪を受け入れてくれたことでホッとしたのか、Miyabiさんは笑顔を見せると、続けて提案した。
「今回は私がパーティ主催するから、この後集まらない?」
おおー、火属性選抜メンバー2回目のパーティ!
「やったーパーティー!!ヾ(*•ᆺ•)ノ」
「勿論、参加させてもらうわ」
「いいね~♪ じゃあまた、お疲れさま会を兼ねようかぁ~っ☆」
「む、そういうことなら、今回は俺様も参加するか!」
これは気になるっ! 場所次第ではこっそり、その様子も観察したいわね~!
なんて思ってたら……
「勿論、花図鑑さんたちの慰労もありだよね! 休暇の準備、すごく頑張ってくれたし!
ってことで、ペンタスさんたちもまた、一緒にどうかな?」
まさかのMiyabiさんからのお誘いがあった。
しまった、観察してたことバレたか。アタシはまだまだだなぁ……。
まあでも、これは好機ね! 参加しちゃえば、堂々と観察できるもん!
「オッケー! 先輩たちにも伝えるわ! 場所や時間は?」
「場所はイベントエリア『大晩餐会』でしようと思うんだけど、どう?」
「それいいかもぉ~! 前回は食べ飲みしたふりしかできなかったけど、今度はちゃんと味を楽しめるもんねっ♪」
あ、そっか! その変更点は大きいわよね!
そう考えたらホント、イベントエリア解放の交渉した甲斐があるわ。
「ふっふっふ……任せてよ。私はかなり色んなものを味見済だから、見た目と味が一致する美味しいもの、沢山分かるもんね! 簡単なのなら、ウパぺんに協力してもらえば新しく作れるし!」
「それは楽しみだわ」
とここで、チョコケーキさんが少し考える様子を見せ……ふいにニヤリと笑った。
「はいはーい!! いいこと思いついた!! 各自、お勧めの食べ物持ち寄らない?(「 •ㅅ•)「」
「いいぜ! 丁度俺様のイチオシを見つけたところだからな!」
いやぁ……確かにいい提案なんだけど、さっきのニヤリ顔を見る限り、何か企んでそうな気もするわ……。
大丈夫かしら……?
とはいえそのニヤリ顔を見たのはアタシだけっぽく、あっという間に「1品持ち寄りパーティ」が決定する。
「あ……ねえねえ、ジャスティアさんも来れば?」
「は? 何で俺まで」
「だって何だか、『くろんさんだけ参加させるのは気になる』って顔してるものぉ~!」
「えっ、そうなのティア?」
あ、ほんとだ。何かムスッてしてるわ。
毎度よく人を見てるわね、さすが°˖✧はぴ✧˖°さん。
これはあれね、前回のパーティの時に、くろんさんに変なこと吹き込まれたと思ってるから、今回もそうじゃないかって警戒してるわね。
「んぐ……だ、だとしても俺は、そこまで図々しくねぇし、くろんの参加に反対する気もねぇよ」
「だが、参加してくれるなら俺様は助かるぜ? さすがに性別1が俺様1人だと居づらい」
「…………まあ、そういうことなら行ってもいいけどよ……」
というわけで、ジャスティアさんも参加することに。
アタシは決まったことを、花図鑑部屋チャットで随時報告した。
「時間はそうだね……持ってく物を用意する時間がいるだろうから、1時間後くらいでどう? 準備が一番大事でしょ!」
「はぁ~い☆」
「いいぜ!」
「私もそれでいいわ」
「あいよ」
「めっちゃ楽しみꉂ(•ㅅ•*)ケラケラ」
向こうの返事は……おっ、来たきた。
「花図鑑の先輩たちも、それでいいって!」
「じゃあ、1時間後によろしくっ」
というわけで、一旦解散することに。
でもアタシは、こっそりチョコケーキさんがMiyabiさんに、何か相談してるのに気づいた。
「それで……って感じのを作りたいんだけど、できる?(「 •ㅅ•)「」
「いいね! お手伝いするよっ」
「( * •ㅅ•)و グッ!」
やっぱり何か企んでるわね。こっちを先に観察しないとかな……。




