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サ終ゲームのリスタート side story ~新米花図鑑の人物分析結果録~  作者: 橋 みさと
第6章 デゼルトアラクランと黒妖狼に勝つまでの記録
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色気たっぷりの、ファイター

本エピソードは「サ終ゲームのリスタート」の第4章ep.61 休暇C までを、すでにお読みいただいている前提で書かれております。


未読の方にはネタバレが含まれますので、ご注意の上お進みください。

黒妖狼を倒し、速攻「珊瑚等級昇格」を済ませたアタシは、急いで花図鑑部屋に向かい、


「さあお前たち、最終集会やっぞ!」

「よっしゃ! いったるで!」


花図鑑で出し合ったアイディアに、ユウさんの意見を加え、いよいよ実現できる段取りとなった「秘密計画」の最終チェックをしつつ、笑みを浮かべた。


いや、笑みを浮かべてるのはアタシだけじゃなくて、花図鑑全員かな。


「準備デキータ!?」

「いい……よぉ~……。みんな……だぁいすき……」

「♡(´ Pゝω・)ニャンニャン」


うん、最終チェックも問題なし!


----------------------------------------------------------

Rock:光属性選抜チームのみんな ここまで頑張ってくれた他の人も お疲れ様!

約束通り 明日は丸一日休暇にするよ!

----------------------------------------------------------


Rockさんがワールドチャットで休暇を宣言したのをきっかけに、アタシたちは円陣を組む。


「行くよお前たち! 生半可な覚悟でみんなの前に立つんじゃないよ!」

「もちろんにゃ(=^・^=)」

「頑張るポン!」

「お願いしマス!」

「ほないくで?」

「よろしくでしゅう……」

「おっしゃ、気張ってこう!」


これで気合もばっちりね!


----------------------------------------------------------

Rock:お父さんにも詳細はまだ秘密ってことだけど 人によってはイベント参加のオファーが入るらしいから もしオファー来た人は 良かったら参加してね

じゃあクエスト報告忘れずに 解散!

----------------------------------------------------------


Rockさんの宣言が終わったのをきっかけに、アタシたちはそれぞれ個人チャットページを開く。

そして各自がオファーを伝えるため、準備していた文面を次々送信した。


お、早速返信も。どれどれ……。


「向日葵先輩、予想通りあいつ、『ヒーローショーなんて恥ずかしいものに出るわけないだろ!』って言ってきたわ」

「じゃあ計画通り、楽団のソロ奏者に再オファーで夜露死苦! あの子の参加はもう決定してて、共演パートがあるって付けときな!」

「あっははは! それいいねぇ!」


ちなみにこの方法、「絶対に了承させたいなら、わざと1つ目で嫌がる提案して、2つ目の提案を魅力的にしたらいいですよ」ってアドバイスを、真珠さんに事前にもらってやってるわ!


早速2通目のオファーを送信したら、まあまあ早いタイミングで了承の返事が届いた。

なるほど、性格を把握してやるとチョロいわね!


他の人からも次々と了承の返事が届く。幸い、全員が了承してくれた。

おっと、これは……?


「ねえみんな! ZEROさんから了承の返事と一緒に、『できれば少し練習しておきたい』って届いたんだけど、どうする?」


ちょっと予想してなかったことなので、アタシはみんなの意見を求める。アタシとしてはOKだけど、1人じゃ決められないもんね。


「ふえぇ……。ZEROさんって、何担当だっけぇ……」

「真珠さんとペアで、ライブコンサートのボーカルやね」

「いいと思うポン! ボーカル担当だけ、本物の歌になるから」


みんなも同じ意見だったので、絶対にバレないよう、見張り付きでの練習許可ということになった。


「さすがにこんな時に討伐エリアに行く人はいないだろうから、森林地帯(昼)の目立たなくて安全な場所でやってもらおうか」

「じゃあ、アタシが見張り役するわ!」

「真珠さんにも聞いてみるにゃ|ωΦ)ฅ」

「楽団担当で練習希望者がいるかも、確認するポン!」


というわけで急遽、ボーカル練習と演奏練習が決定。ただし秘密保持の関係で、演奏練習は別の場所での練習になった。


真珠さんからも練習歓迎の返事があったので、3人で先輩たちに教わった目立たない場所に移動し、パーティを組む。

ちなみにパーティ組んだのは、パーティチャットで練習してもらうためよ! これならもし誰かに見つかっても、音は届かないもんね!


早速1人で発声練習を開始した真珠さんを横目に、ZEROさんは歌詞の確認に入る。


「感謝するわ」

「こっちこそ大変な役どころを引き受けてくれて、あんがとねー!」


ちなみに見張りはもう1人百合先輩がいて、こちらは森林地帯(昼)の入り口を見張ってるわ。

ここを通る人がいたら即、アタシに連絡が来るから、そうなったら隠れて一旦中断する手はずよ!


「それにしても、ZEROさんが練習を申し出るとは思わなかったわ」

「フフッ、折角の機会だから、良いものにしたいのよ。こんな状況だからこそ、こういう女性らしいことをしてみたかったのよね」


誰よりも普段から色気たっぷりのZEROさんが、女性らしいことをって……すでに女性らしいのに???


「ところでこれ、メロディーも確認させてくれる? 覚えてはいるけれど、一応聞きたいわ」

「あ、そっか。歌詞だけじゃ分かりにくいわよね! 歌詞入りとカラオケ版の2つあるから、まず歌詞入りを流すわ!」


というわけでアタシは、ウパぺんたちから預かっていたその練習用音楽を、パーティチャットだけで聞けるように流す。2人とも真剣に耳を傾け、自分のパートを確認してた。


「どう? 早速カラオケ版で合わせてみる?」

「お願い出来る?」

「オッケー!」


というわけで、今度はカラオケ版を流す。1回目だっていうのに、2人ともかなり上手く歌えてて驚いた。


「やるじゃんアンタたち!」

「サンキュー! 私は好きな歌だから、元々覚えてましたしねっ!」

「実は私もよ。一緒にやれて嬉しいわ」


3回ほどカラオケ版を繰り返したら、もう歌合わせはバッチリになった。

さらに真珠さんの提案で、予定になかった手振りだけのダンスが追加され、これまたバッチリ合わせちゃうあたり、ZEROさんも只者じゃないわね。


「もうこれ、完璧なんじゃない?」


予想以上のパフォーマンスを見せてくれたからそう言ったんだけど、意外にもZEROさんは、まだ満足してなかった。


「歌とダンスはそうかもしれないけれど、折角ならこう……もっとライブらしいことをしてみたいわ」

「ライブらしいこと?」


うーん、アタシはライブって実際に見たことないけど、1度だけ友人とDVDで見たことならあるわね。


「あー、もしかして、『観客と一体になる』みたいなやつ?」

「ええ、どうかしら?」

「確かに! それやりたいですね!」


ZEROさんがそれを提案するとは思わなかったけど、真珠さんもノリノリだし、先輩たち含めて驚かせるにはいいかも……!


「まず観客に、ライブ用ペンライトを用意してもらうのはどうかしら?」

「いいですね! 楽団が準備する時間があるはずだから、そこで準備してもらうように声かけすれば、場繋ぎにもいいと思います!」


うんうん、その方が盛り上がるっ!


「じゃあ当日の司会担当はアタシだから、MCでそれ言うわ!」

「あと、この部分の間奏が長いから、ここで何かしたいわね」

「えーっとぉ……じゃあ、観客を巻き込むようなことしましょうか!」


とまあこんな感じで、どんどん予定外の要素が付け加えられ、これ以上ないくらい完璧なものができた。

後は個人練習が可能なくらいになったので、パーティは解散となる。


「それにしてもZEROさんってほんと、舞台で映えそうね。真珠さんは可愛らしいって感じだけど、ZEROさんは色香で悩殺って感じ」


解散後も熱心にその場で練習を続けるZEROさんに、そう声をかけたら、彼女は悪戯っぽい笑みを浮かべてアタシを見る。


「あら、もしそう見えてるなら、嬉しいわ。だって私……リアル世界では男だもの」


一瞬、何て言われたか分かんなかった。


「………………え? えぇぇええぇぇえ!?!?」

「フフッ、青いわね。当日を楽しみにしてるわ」


みんなを驚かせるつもりで、これまで色々準備してきたのに、まさかこっちが驚かされるなんて……。先輩たちは知ってるのかしら?


温泉、混浴にして良かったなと、ちらっと思った。

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