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サ終ゲームのリスタート side story ~新米花図鑑の人物分析結果録~  作者: 橋 みさと
第6章 デゼルトアラクランと黒妖狼に勝つまでの記録
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死の気配を纏う、プリースト

本エピソードは「サ終ゲームのリスタート」の第4章ep.61 休暇C までを、すでにお読みいただいている前提で書かれております。


未読の方にはネタバレが含まれますので、ご注意の上お進みください。

「ふう、さすがに疲れたぁ」


日程を詰めることになった分、遅い時間まで装備集めしてたからなぁ……。


実は今、花図鑑ではこっそりゴールデンウパぺんとの交渉を進めてるんだけど、どのイベントエリアを使わせてもらうようにするかとか、そのイベントエリアで何ができるようにするのかとか、そのためにどんな条件を呑むかとかを早く決めないとだから、考えることもいっぱいだわ。


でも休みが待ってると思うと、不思議と頑張れちゃうわね!


それはアタシだけじゃないみたいで、適性者ギルドで行きかう他の人たちも、どこか浮かれた雰囲気だなーって思いながら日課の見回りをする。こんな日でも何人かは職業訓練所で訓練してるのに気づいて、びっくりした。

お、よく見たらクリフくんもいるわねっ!


そんな中、1人他とは明らかに異質な空気……死の気配を纏うプリーストがいるのに気づいた。

あれは確か、シクザリアさん? 全職ガチャのプリーストさんと、何か話してるみたいだけど……。


「今、逆鱗に触れたな……?」


え、何、喧嘩!?


「はい、逆鱗ってプリーストは具体的に、どう使うのか気になって」

「ふむ。残念ながらプリーストは槍を使っても、必ず逆鱗が付くわけではないから、戦略に組み込むには難しいな。だから付いたら運がいいと思う程度だ」


あ、あれ? 思ったより全然親切?


「必殺技ゲージを貯めたいのであれば、大鎌の方が確実だな。ただ、必殺技ゲージを貯めるために大鎌を使うこともあまりない……。結局プリーストは、最も必殺技ゲージが貯まりにくい定めだ」

「そうなんですね……ありがとうございます!」


そう言って、全職ガチャのプリーストさんは職業訓練所での訓練を始める。

へぇぇ、意外と指導とかするタイプなんだぁ。


そんなこと考えてたら、アタシとシクザリアさんの目が合った。


「我に何か用か?」

「ううん、用事ってわけじゃないけど、何て言うか……見た目の印象と全然違うなーって、思ったのよ」

「ほう? どう違ったのだ?」

「シクザリアさんってちょっと怖そうだなって思ってたけど、優しいところあるなって!」


アタシは素直に褒めたつもりだったんだけど、


「……ふふふ、それはどうだろうか?」


意外にもシクザリアさんは、怖い笑みを浮かべてそう答えた。


「確かに運命に抗う者や、命を賭して立ち向かう者に、我は好感を持っている……。

だが我は死を司る神なり。我は多くの命を奪ってきた」


そう言いつつ闇属性の大鎌を取り出し、アタシのほうに向けるシクザリアさん。


「え゛……?」


まま、待って、何気にそれ、髑髏のデザイン入ってるんだけど!


「我に奪えない命はない。その魂……いただくぞ?」


ちょ、怖っ! え、どっちがホントの彼女!?


アタシが判断に迷ってたら、それを察したようで、


「……と言ったら、信じるか?」


シクザリアさんは悪戯っぽい笑みを浮かべつつ、大鎌を片付けた。


「…………あ、冗談!? そそ、そうよね!!」

「勿論だ。命は粗末にするものではないぞ」


いやでも、マジで怖かったわ。なまじシクザリアさんって、普段から見た目が怖いアバターだもんな。


「だがたまに、こんな風に死神になりきってみたいとは思う。折角ゲーム世界にいるのだから、リアル世界でしていない遊びを楽しむのも悪くない」

「んー、確かに本当の意味で、自分が作ったキャラになりきるってのは、なかったかな?」


これが実際にゲームしてる時なら、そんな風になりきって楽しむ人も多かったし、そのためのボイスも沢山用意してあるもんね。

照輝さんやよー子さんは、なりきってるのか素なのか、全然分かんないけど。


ん? そうか、そういうことなら……。


そこまで考えて、アタシはちょっと面白そうな企画を思いついた。


「何か良いことを思いついたようだな?」


おっと、顔に出てたかな?


「うん、休暇が楽しみだなーって!」

「そうか、私も楽しみだ。……こう見えて結構、浮かれている」

「そうなの!?」


全然そんな風には見えないけど、うまくアタシの企画が通った暁には、ぜひ彼女にも参加してほしいなと思った。


後日企画が通って、シクザリアさんに送ったイベント参加のオファーは、即承諾の返事が来たので、考えて良かったなって思った。

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