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運命の、分かれ道

本エピソードは「サ終ゲームのリスタート」の第2章ep.15 人知れず までを、すでにお読みいただいている前提で書かれております。


未読の方にはネタバレが含まれますので、ご注意の上お進みください。

「さて、これからみんなで力を合わせるにはまず、人口と職業の調査が必要だと俺は思うんだが……どうかな?」

「確かに勉強は学生の本文ですけど、全員がどれか1つの職に特化してレベル上げ頑張らないと、時間が足りなさそうですよね……。私もそれに一票です!」


頭脳明晰そうで「お兄さん」ボイスのマジシャンと、頭の回転が早そうな「生徒会長」ボイスのマジシャン2人が、それぞれ魔導書を開きながらそう言ったのを聞いて、アタシは戸惑った。


確かにこの状況なら、余計な職業のレベルを上げている暇なんかなさそうだわ。

ただ……アタシはそもそも、強制イベントストーリーで判定された適職結果が、マジシャンとプリーストの2つなのよね。

さすがにこの大変な状況で、適職が1つだと嘘つく気はないけど……。


2人の提案があっさり受け入れられて、指示に従ってどんどん職業別に人が移動していくのを見て、アタシはますます焦る。


「すみません、私はその、オブザーバーでやっていくんでしょうか? オブザーバーのレベルを上げてどうなるのか、全く分からないんですけど……」


その発言を聞いて、アタシは初めてそんな適職を診断された人がいることを知った。他にも同じことを思っている人が、ちらほらいるみたい。


「確かに俺様の筋肉でもそれは分からないが、君しかオブザーバーになれないなら、それを頑張る方がいいんじゃないか?」

「だよねぇ。後々そのレア職が、役立つかもしれないし。僕もそれがいいと思うな!」


見た目は細身で執事っぽいのに、「脳筋」ボイスなナイトの意見に、仙人みたいな恰好した「年下の男の子」ボイスのナイトが同意した。周りの人もみんな頷いてる。アタシもそれがいいかなって思う。


……あ、これってアタシも名乗り出るチャンスかもっ!


「あ、あの! アタシもみんなの意見聞きたいんだけど!」


意を決して、アタシは大きく手を挙げながら切り出す。


「診断された適職が、2つなんだよね……」

「あ、俺も!」

「あの、実は私もなんですけど……」


意外なことにアタシだけじゃなかったみたいで、5人くらいの人が次々手を挙げた。ちょっとほっとする。


アタシと同じ状況の人だけ武器一覧を診てもらった結果、どうもこの適職診断自体、引いた武器の種類を元に判定されてるんじゃないかってことが分かった。


その証拠に、オブザーバーって診断された人の武器は、両手剣・杖・弓・剣盾・メイスの割合と、斧・双剣・大鎌・魔砲・槍の割合が、ものの見事に均等だったみたい。

それって、とんでもなくレアな確率なんじゃないの……?


ちなみにアタシは、出た武器が結構杖とメイスに偏ってて、さらに大鎌が他の2職武器より多かった。納得の判定だわ。


「これは……武器の特性がしっかり分かる人に判断してもらうほうが良さそうだねぇ。

おーい、各職を代表して誰か、1人ずつ見てあげてくれないかい? お父さんはナイト武器見るから」


こうしてアタシは、マジシャンとプリーストの人に武器一覧を詳しく見てもらうことになった。

でも……アタシの意見も言わなくちゃ。


「あのさ、アタシ可能ならプリーストがいいんだけど、ダメかな……? さっき全滅経験して救護室に運ばれたばかりだから、前列移動が怖いんだよね……」


戦わないわけにはいかないだろうけど、それがアタシの精一杯なんだからしょうがない。


詳しく見てもらった結果、プリースト向きの大鎌が多かったこともあって、アタシの意見は受け入れられた。心底安心した。


結局その後、アタシはプリーストとして、決まったパーティメンバーと共に「森林地帯(昼)」へ向かったけど……5人でも本当に大変だった。

敵の攻撃が来るたびに、あの時の恐怖が蘇って手が震えちゃうんだもの。単職ガチャのナイトさんがいてくれたし、午後からは装備が少し整ったから、ちょっとマシになったけど……。


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向日葵:リス型レア・スクワールメイジの遠列攻撃を確認し分析を完了。攻撃は3種類。

【単体魔法】無言詠唱約4秒

【遠列魔法】詠唱「尻尾を振っている」約5秒

【全体魔法】詠唱「杖をこちらに向けている」約5秒 〈状態異常〉魔痕20%付与15秒

【討伐ボーナス】魔法攻撃力

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その時突然、ワールドチャットにそんな情報が流れてきて、アタシは驚いた。

物凄く詳しい内容じゃない……。


「あ、これ花図鑑さんじゃない?」

「本当だ、花図鑑さんもこっちに来てたんだね」


同じパーティの全職ガチャの人たちの話を聞いて、そう言えばそんな人がいたなって思い出した。そして同時に、アタシにとって花図鑑さんの存在は光明かもしれないと思った。


戦うのは、本当に怖い。怖くて仕方ない。

けど……花図鑑さんたちと一緒に情報分析に加われたら、アタシはそっちで頑張れるかもしれない……!


アタシのプレイヤー名は「ペンタス」。和名だと「草山丹花(クササンタンカ)」って花のことだから、そこにも運命を感じた。


その日の夜、アタシは花図鑑さんの1人に頼み込んで……無事新米花図鑑として、プリーストグループとは別に、花図鑑グループへの所属を許された。

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