↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エイムの魔法植物学  作者: izumo_3D
ー誘惑の森編ー
PR
57/67

悪い噂

エイムとシラセは、道を進んでいた。

シラセは何か考え事をしているように、黙り込んでいる。


「…シラセ、さっき言われたこと、気にしてるの?」

エイムは慎重な様子で尋ねた。


「…ん、ああ…」


シラセの返事は、心ここにあらずというのが誰の目にもわかるほどだった。


エイムとシラセは、そのまま沈黙の中を歩き続けた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

夕刻。

道の脇に、小さな宿屋がぽつんと建っていた。


「わあ、こんなところに宿屋があるよ! 今日はここに泊めてもらおうよ!」

エイムが明るい声で言う。


「ああ、そうだな。久しぶりにちゃんとしたベッドで寝られるな。」

シラセも少しほっとしたように答えた。


二人が中に入ると、小太りの店主らしき男が、カウンター越しに声をかけてきた。


「いらっしゃい。…おや、ずいぶん若いお客さんだね。」


「あの、今晩こちらに宿泊させていただけますか?」

エイムが丁寧に尋ねる。


「ああ、もちろん大歓迎さ。ここ最近は悪い噂が立っちまって、客足が減ってるからなあ。」


「悪い噂?」


エイムとシラセは顔を見合わせた。


「おや、知らないのかい? ここから少し先にある森の話だよ。

最近、旅人が行方不明になってるって噂でね。」


エイムとシラセは視線を交わす。

言葉を交わさずとも、二人の中で“追っている事件との関係”という考えが浮かんでいた。


「…詳しく、聞かせてもらえますか。」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


店主と二人は、ロビーの椅子に腰を下ろして話を聞いた。

店主は少し言いにくそうに口を開いた。


「割と最近のことだ。森を越えようとした旅人が、次々と行方不明になっててな。

 中には無事に森を抜けられた者もいるんだが、どういうわけか“森での記憶”がまったく残っていないらしい。」


「そうなんですか…何か、その森に変わった様子は?」

エイムが首を傾げる。


「さあな。俺も直接見たわけじゃねえし、助かった連中も記憶があいまいでよ。

 噂じゃ、森に化け物でも住み着いたんじゃないかって話だ。

 おかげでみんな気味悪がって、この道を通る者もすっかり減っちまった。」


店主はため息をついて肩を落とした。


「そうですか…教えてくれてありがとうございます。」


その後、エイムたちは部屋に戻り、腰を下ろして話を始めた。


「シラセ、どう思う?」


「ああ、だいぶ怪しいな。例の連中が関わってる可能性が高い。」


「そうだよね…。でも今回の件は、目的がよくわからないよ。

 みんながみんな行方不明になるわけでもないし…一体、何をしたいんだろう。」


「さあな。俺にもよくわからん。結局は、直接確かめるしかねえだろ。」


「まあ、そうだね。フィオルナまでの通り道だし、警戒して進もう。」


「ああ。どんな奴が来ても、俺がぶっ飛ばしてやるぜ!」


シラセが意気込んで拳を握る。


――この時の二人は、まだ知らなかった。

森の奥で、獣とも人ともつかぬ“何か”の眼が、闇の中から静かに彼らを見つめていることを――。

作者がVketのブース出展で大詰めのため、11月下旬まで連載を休止いたします。


Vketでは、エイムやシラセ、バジリスクなどを展示予定ですので、ぜひお気軽にお越しください♪

引き続きエイムの魔法植物学を、宜しくお願い致します✨

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。