表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エイムの魔法植物学  作者: izumo_3D
ーピーちゃんの秘密編ー
PR
53/67

ピーちゃんの秘密

数日後。

エイムは小鳥の人形と共に、家の外を駆け回っていた。

その小鳥は、エイムの魔法により小さな意思を宿し、ため込んだ風の力で、ふわりと空を舞うことができた。


エイムはその人形に「ピーちゃん」と名づけた。

二人はいつも一緒に遊び、塞ぎ込んでいたエイムの心に、ひとかけらの光が戻りつつあった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


両親が眠る部屋の中で、エイムは両手でピーちゃんを掲げ、弾む声で叫んだ。

「みて、お母さんお父さん! 私の魔法で、ピーちゃんが動き出したの!」


「ピー!」と、小鳥が愛らしく鳴く。


「魔法が発現するなんて…ほんとうに…すごいな…」

「きっと、いい子にしていたから…神様が、与えてくださったのね…」


枯れた声を振り絞りながらも、二人は笑顔を作って見せた。

その瞳には涙がにじんでいたが、娘が生き生きと輝いていることに、かすかな安堵を感じていた。


「…ありがとう…父さん…」

ベッド脇に立つ祖父ダイロへ、父オルフが弱々しく言葉をかける。

ダイロは潤んだ目を伏せ、小さくうなづくことしかできなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


日が経つごとに、両親の命の灯は細く、儚くなっていった。

もう、いつ逝ってもおかしくない――エイムもそれを悟っていた。

幼いけれど、もう何もわからない子どもではなかった。


「お母さん、お父さん…! いやだ、遠くに行かないで!」

エイムは泣きながらすがりつく。


「大丈夫だ…エイム…父さんたちは、死んでも…いつも心はそばにいる…」

「いつも…あなたを見守っているからね…いっしょよ…ずっと…」


オルフとエウリは、かすれる声でそう伝えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


深夜。

泣き疲れたエイムは、ピーちゃんを抱きしめ、両親のベッドの脇で眠り込んでいた。


オルフは、エウリに向かって囁く。

「なあ…エウリ。君と巡り会えて…そしてこんなに可愛い子まで授かれて…僕は心底…幸せだったよ…」


「ええ…私も、あなたに出会えて…本当に…幸せだったわ…」


二人とも、これが最期の会話になると知っていた。


「ただ、どうしても…心残りがある…この可愛い子を…一人にしてしまうことだ…」

「そうね…本当に…心配ね…ずっと…ずっと一緒に…いたかった…」

エウリは顔を歪ませ、涙をこぼした。


「ああ…神様…もしおられるなら…どうか私たちを…この子のそばに…」


二人はベッド越しに、弱々しくも強く、手を繋ぎ合う。

そして、ゆっくりと目を閉じーーーーーーー

その生涯を、終えた。

星が瞬く、ひどく静かな夜だった。




そのときだった。

二人の体から、淡く小さな光のオーブがいくつも浮かび上がった。

それらはふわりと宙に舞い、天井をすり抜けて消えてしまったが、オルフとエウリそれぞれから、最後の小さな一つのオーブが浮かび上がると、エイムの周囲をめぐり、まるで別れを惜しむかのように漂った。


そして、しばらくの後、その二つの小さな光は、ピーちゃんの胸へと吸い込まれていった。

瞬間、ピーちゃんの身体が柔らかな光に包まれた。


エイムが眠っているにもかかわらず、その小鳥はそっと目を開いた。

その瞳は、青と黄色のオッドアイへと変わっていた。

それは、オルフの青く透き通る瞳と、エウリの温かい黄色い瞳が、まるでそのまま宿ったようだった。


ピーちゃんは優しいまなざしで、眠るエイムを見つめ、そっとその小さな体を寄せていた。

【※読者の皆様への大切なお願い】


「面白い!」「続きが楽しみ!」「応援したい!」と思ってくださった方は、この作品の『ブックマーク』と、この下にあるポイント評価欄を【☆☆☆☆☆】→【★★★★★】にして、ぜひ『ポイント評価』をお願いします!


今後の作品更新をしていくうえで、大変大きな励みになりますので、是非ともよろしくお願い致します…!


↓広告の下あたりに【☆☆☆☆☆】欄があります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ