↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エイムの魔法植物学  作者: izumo_3D
ー封鎖された町編ー
PR
47/67

届かぬ刃

ピーちゃんに掴まり、シラセの体は宙へと舞い上がる。

その小さな翼に宿る力は限界に近く、ピーちゃんの顔には苦悶の色が浮かんでいた。それでも――必死に羽ばたき続けている。


「がんばれ! そのまま、バジリスクの頭上まで!!」


「ピ、ピィィ……!」


ゆっくり、だが確実に高度は上がっていく。

地上では、いまだバジリスクと幻影のガルムがにらみ合いを続けていた。


(今、俺たちはあいつの視界の外――! 二度とない好機だ。絶対に仕留める!!)


風を切りながら、シラセとピーちゃんは空高く舞い上がり、ついに巨体の真上に到達した――その瞬間。


キィィィイイイイイイイインッ!!!!


幻影のガルムが、耳をつんざく音と共に口を開いた。

黒い閃光が奔り、バジリスクの頭部へ直撃する。しかし、それは幻。肉体を傷つけることはできない。


バジリスクの瞳がわずかに細まり、違和感を覚える。そして凝視したその巨狼の姿は、わずかに揺らぎ、透けはじめていた。

刹那、バジリスクはその正体を見破り、幻を睨みつけた瞳をそらす。あたりを警戒するように、蛇の首がゆっくりと巡った。やがて幻影の巨狼は霧のように掻き消える。


(……まずい! 気づかれた!! エイム……!)


思わず叫びかけたシラセの目に映ったのは、固く目を閉じるエイムの姿だった。

その肩には小人の人形が三体、ちょこちょこと動きながら騒がしく言葉を交わしている。


(そうか……! ピー助だけじゃない。エイムの『目』は――!)


「びっくりした!? 今のは私の幻!!

それに、体も回復した!! まだ終わりじゃないよ!!」


叫びが戦場に響く。バジリスクの視線が一気にエイムへと引き寄せられ、巨大な蛇が再び臨戦態勢に入った。


(今しかない! エイムが注意を引き付けている今――!)


シラセははるか上空から、空いている左手に意識を集中させた。思い描くのは巨人の大剣。あの怪物を真っ二つにするほどの、重く、固い刃。


――一撃で決めろ。

――数秒でいい、持ちこたえろ。

注ぎ込め、ありったけを!!


凝縮されたマナが左手に奔流となって集い、一瞬の閃光がほとばしる。

瞬間。


視界を覆うほどの巨大な剣が姿を現した。シラセの体からガクンと力が抜ける。大量のマナを一気に消費し、意識すら遠のきそうになる。それでも、必死にピーちゃんの足を握りしめた。


そして――大剣は重力に従って、落下が始まる。バジリスクめがけ、稲妻のような自由落下。


ズゥゥウウウウンッッ!!!!


地響きと共に、巨剣は大蛇の後頭部へ深々と突き刺さった。


「ギィィヤァァァァァァアアアアアアアアアア!!!!」


大気を震わせる絶叫。

バジリスクの頭が地に叩きつけられ、大剣の重みで地面にはりつけとなる。その巨体は狂ったようにのたうち回っていた。

だが――切断には至っていない。骨は鋼鉄よりも硬く、首を落とすことができなかったのだ。


「そんな……!足りないのか……!」


握る手に力が入らない。大剣は直立を保ちながらも、暴れる巨体の振動で、わずかに傾きはじめる。このまま傾き、抜け落ちれば、再びバジリスクは自由となる。


「……あと一歩……届かない……」


霞む視界の中で、シラセはうめくように言葉を漏らす。


そして――


ズルリ、と。


ピーちゃんの足を握っていた手が、力尽きて滑り落ちた。

次の瞬間、シラセの体は地面へと真っ逆さまに――墜ちていった。

【※読者の皆様への大切なお願い】


「面白い!」「続きが楽しみ!」「応援したい!」と思ってくださった方は、この作品の『ブックマーク』と、この下にあるポイント評価欄を【☆☆☆☆☆】→【★★★★★】にして、ぜひ『ポイント評価』をお願いします!


今後の作品更新をしていくうえで、大変大きな励みになりますので、是非ともよろしくお願い致します…!


↓広告の下あたりに【☆☆☆☆☆】欄があります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。