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エイムの魔法植物学  作者: izumo_3D
ー亡霊の家編ー
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33/67

歩き出す、再び光の中へ。

「…ん…まぶしい…」


まぶた越しに差し込む朝日に、エイムはゆっくりと目を覚ました。

温もりの残る床の感触。

視線を横に向けると、そこにはエリシアが眠っていた。

彼女もまた、エイムの声に反応して目をこすりながら、静かに身を起こす。


どうやら二人は昨夜、そのまま泣き疲れて床で眠ってしまったようだった。

いつの間にか、体には毛布が掛けられている。


「…ふぁ~…お、やっと起きたか」


壁に背を預け、片膝を立てて座っていたシラセが、疲れた顔で声をかけてくる。


「シラセ…もしかして、ずっと見ててくれたの?」


「ま、まあな。二人ともぐっすりだったし、まだ安心できる状況でもなかったからな。

それに、俺…今回、何もできなかったし…」


シラセは苦笑混じりに言いながら、目を伏せた。


「ありがとう、シラセ!」


エイムの真っ直ぐな言葉に、彼は照れくさそうに頬を赤らめる。


「…べ、別に大したことじゃねぇよ…」


「ピー!」


その時、シラセの肩に乗っていたピーちゃんが、ひょいとエイムの肩に飛び移り、誇らしげに胸を張って鳴いた。


「ああ、そうだ。ピー助も一緒に見張ってくれてたんだ。

というか、俺も少しウトウトしちまってたしな。感謝するなら、ピー助にな」


「うふふ、ピーちゃんも、いつもありがとう!」


「ピッ!」


その時だった。


「…エイムに…シラセ…それに、ピーちゃん…」


かすれた声が、静かに部屋に響く。

振り返ると、エリシアが弱々しくも微笑みながら、こちらを見つめていた。


「エリシア! 大丈夫? 気分はどう?」


エイムは心配そうに彼女へと駆け寄り、顔を覗き込む。


「みんな、ありがとう…おかげで……私が誰なのか、どんな状況だったのか……全部、思い出せたの」


顔色はまだ優れず、頬もこけていたが、必死に笑顔を作っているのが分かった。


「エリシア。もう一人じゃないよ。私たちがいる。

きっと村の人たちも助けてくれるはず。だから……これからは、前を向いて生きていこう」


エイムの言葉に、エリシアは涙をにじませながら、ゆっくりとうなずいた。


「……うん」


その場に、柔らかな空気が満ちていく。安心と、希望と、確かな絆。

だが、次の瞬間。


「グゥゥウウウ!」「グゥゥウウ…」


沈黙を破ったのは、二人のお腹の音だった。エイムのは特大で、エリシアのは少し控えめ。


二人は顔を見合わせ、思わず吹き出す。


「…あはは……どんな時でも、お腹って空くんだね…」


恥ずかしそうに目を伏せながら、けれどどこか嬉しそうに、エリシアはつぶやいた。


「うん! それが、生きてるってこと!

それじゃあさ…」


エイムは勢いよく立ち上がると、エリシアの手をそっと取って引き上げた。


「みんなで、お腹いっぱい朝ご飯を食べよう!」


「ったく、エイムはほんと食い意地張ってんな。……まあ、俺も腹減ったけどよ」


「…うん」


笑い合いながら、三人はゆっくりと立ち上がった。


家の扉を開けると、そこには広がる青空と、すがすがしい朝の空気。


傷つき、泣き、眠った夜を越えて――今、また一歩、3人は前へと進み出すのだった。

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