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迷惑異世界のんびり道中記~ちびっ子勇者とともに~  作者: 沢野 りお
安住の地を求める勇者とぬいぐるみ

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これからのこと ③

小次郎ご希望の相棒は、赤い体毛のケット・シーになりました。

赤って……、緑よりもマシなのか? でも白ニャンコにしたらブランが拗ねるし、無難な茶色にしたらフォレスの機嫌が悪くなる。ついでに、茶色のケット・シーなんて面白味がないと思う。


「赤の毛糸と黒、金。グリフォンは攻撃力が高いけど、ケット・シーは頭はいいかもしれないけど、攻撃力はどうなんだろう?」


小次郎が勇者として覚醒したら、相棒の強さなんて関係ないけど……。いま、必要なのはまだ弱い小次郎を守ってくれる編みぐるみなんだよねぇ。


「なぁ、菊華」


「……イヤな予感がするけど、なによ」


「小次郎にもう一体、編みぐるみを作ってあげればいいんじゃないか?」


それは、そう。私たちの場合は、魔力を繋げて動かす編みぐるみは一体が限度。もっとレベルが上がって魔力量が増えたら、契約する編みぐるみも増やせるかもしれないけど、いまはまだ一体のみ。

でも、小次郎は勇者でポテンシャルも高いから、低いレベルの状態でも二体の編みぐるみと契約して魔力の譲渡をしても大丈夫そう。

一番の問題だったカラーシープの毛糸代も神様からもらった虎の子を出すことにしたし……やっちゃうか?


「よし! 小次郎。ケット・シー以外にも、もう一体編みぐるみのモデルを選んで。ちゃんと強くて自分を守ってくれそうな魔物にしてね!」


でも、虫系は止めてほしい。あ、蛇とか爬虫類も避けて。あと、形態が複雑なのも選ばないでね!

こうして、小次郎は今度は兄とブラン、フォレスと相談しつつ図鑑を開くのだった。


「……菊華ちゃん、お姉ちゃんにも、もうひとつ……」


「ダメ! 却下」


トラブルメーカーのお姉ちゃんにグリフォンを与えるのも怖いんだから、もう一体なんて作るわけないでしょ!
























冒険者ギルドで魔物図鑑を見て、編みぐるみにする魔物をチョイスした後、その図鑑に描かれた魔物の絵を姉が写した。さすが、オタク! 図鑑に描かれたのとそっくりそのままで、尚且つ特徴を捉えた絵が出来上がったわ。もちろん、編みぐるみにするときにはその絵からかなりデフォルトして作るけど。だって、怖いでしょ? 魔物だよ? ブランを作るときだってフォレスを作るときだって、前の世界のイラストちっくに作ったんだもん。


「で、どうする?」


兄が私の顔色を窺いながら聞いてきたが、そんなもの決まっているじゃない!


「このまま、カラーシープの毛糸を買いに行くわ!」


とにかく、勢いって大事なのよ! この、「作ってやるぜぇ~っ」というノリを殺さずに編みぐるみ制作に着手したいの!


こうして、宿に帰る前にちょっと敷居の高い商店街にある雑貨屋でカラーシープの毛糸をたんまり購入し、ついでに顔のパーツに使う小物も購入。


「ねぇ、従魔として扱うなら、首輪? みたいなモノが必要だと思うけど?」


姉の指摘に、私たちは編みぐるみたちに着ける首輪又は首輪の代わりになりそうなものを探し、購入。ついでに夕食も屋台で買いまくったあと、宿に帰宅。私はすぐに汗を流すと買ってきた夕食を搔っ込み、部屋に一人で籠り編みぐるみを作ることに集中した。アホ神からのプレゼントであるカギ針とカラーシープの毛糸、ボタンや糸と格闘し徹夜するハメになった私は、三つの編みぐるみを完成させると、その場に倒れ伏した。


黒と金のグリフォン……見た目は黒の小鳥、やや肥満体である。姉がリクエストした紫色の眼はガラス玉を使用している。フォレスの眼はボタンのため、文句が出そうだけど……相手はグリフォンだから諦めて。


赤い……どっちかと言うと朱色かな? のケット・シーは、最初から二本足で立っている編みぐるみにした。そして、小次郎からは何も言われてはいないが、足には黒のブーツ、頭には黒の三角帽子をあしらい、遊び心で白の毛糸で腰にレイピアも装備させた。丸い顔にお目目は緑のビーズでおヒゲはピーンとさせた。……ちょっと趣味に入りましたすみません。


三つ目は……小次郎を守る役目の編みぐるみ。ドラゴンでもなく虫系魔物でもない。見た目はイタチやアナグマである。これが強いの? 大きさは家猫ぐらいで角もなければ牙もない。尻尾は太くてやや長いけど猿のように器用なわけでもない。なにこれ? ちなみにモデルとなった魔物の体色はグレーと黒の斑である。


「菊華ちゃん、この魔物はね毛皮が厚くて攻撃が効きにくいことと、体が柔らかくて首を掴まれても反撃できること。爪が鋭くて頭もいい。俊敏で魔法も得意なんだ。この子が敵の注意を引きつけて僕が攻撃するとか、どうかな?」


図鑑を手にキラキラとした眼で訴えられたら反対できないでしょ? こんなイタチもどきが強いかなんかどうでもよくなっちゃった。最悪、ブランに頑張ってもらえばいいし。


ただ、色がグレーと黒でグリフォンと似ているため、色合いは変えることにした。別に本物に遵守しなくてもいいでしょ、とこのときの橘家はずっと資料室で図鑑と地図とにらめっこしていて、判断力が鈍っていた。


で、三つ目の編みぐるみは森の保護色のように緑とグレーのイタチもどきになった。



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