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44話 この世界の戦闘

「......まあ、つまり何が言いたいかっていうと、無属性はクソ、属性魔術はロマンってことだ」

「......そうか」


 あれから魔術ロマンニキは「闇魔術習得講座」終了間際まで同じようなことを繰り返し語り続けていた。


「3年訓練しても習得できないんだから、多分属性魔術と相性が悪いんだよ」

「お前、それを言っちゃおしまいだろうがっ」


 魔術ロマンニキが美少年に食ってかかる。

 が、美少年の体幹がしっかりしてるからか、ロマンニキが体を揺さぶろうとしても微動だにしていない。


「はぁ、はぁ」


 体力もないようだ。魔術師っぽい。


「君はなんで魔術を?戦闘の幅を広げるためとか?」

 美少年を前に息を荒げる変態みたいな男を尻目に、美少年に尋ねる。


 この世界で魔術と武術のどっちが強いのか知らないが、一般に複数の技術を習得するのは難しい気もする。

 一芸に秀でる者は多芸に通ずともいうが、スキルレベル8にするのも難しい世界で複数のツリーを伸ばすのは果たして王道なのだろうか。


「うーん。僕はこいつに誘われたってのが大きいかな。あわよくば戦闘スタイルに組み込めればとは思うけど、そんなに期待はできないね」

「武術と魔術は相性が悪いのか?」

「いや、そんなことはないけど既に僕のスタイルはほとんど固まっちゃってるから、今更変えるのもね......」

「そうなのか」


 高等部に進む段階で戦闘スタイルが固まっているというのも怖さを感じる。

 一度もまともに戦闘したことがないし、魔物も遺跡くらいにしかいないと聞くが、なんでこんなに戦闘を念頭に置いた世界なんだ。

 魔術や武術が進歩し、人が力を手放せない世界では、争いから逃れられないということだろうか。


「武器は何を使ってるんだ?」

「剣だね」


 美少年は腰の剣をポンポンと叩く。

 街中や学院内で腰に剣を佩いていたり、槍や斧を担いでいたりする人を見たことはあるが、そんな人間と直接話したことがない。


「可能なら見せてもらえないか?剣は魂だから見せられない、というなら別にいいんだが」

「剣は魂、いい言葉だね。でも僕はあんまり気にしないかな」


 スルッと腰から鞘を外し、はい、と片手で渡された。


 渡されたものの、何を見ればいいかわからんな。

 少し鞘から抜いてみたり、柄の形を見てみたりしていると、美少年が若干驚いた様子で声をかけてくる。


「意外と力があるんだね。一応落とさないか心配してたんだけど」


 そういえば金属の塊だから剣は重いと聞く。

 ユニオから重さまでは伝わってこないので気づかなかった。


「これは人形だからな」

「人形?」


 少し剣を鞘に入れたまま、上下に動かしてみる。

 うん、問題なく動かせる。


「精霊召喚」とユニオのことについて説明した。



「ふーん、じゃあ属性魔術が使えるのか」

「属性魔術が使えるわけじゃないんだが、同じようなことはできる」


 そう言って6属性の精霊でちょっとした小技を見せる。


「僕には魔術との区別がつかないなぁ」

「お前も俺と同じだと思ってたのにっ」


 美少年が感心した顔をし、ロマンニキが裏切られた顔をした。

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