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29話 俺の今後の過ごし方

 フォリアの行く末に一抹の不安を感じつつ、本題に入る。


「これからの俺の生活について話があるんだよね」

「ん?ああ、そうだ。お前も早く動けるようになりたいだろうからな。私も魔法陣のことを調べるが、すぐに結論は出せない。お前にも手伝ってもらいたい」


「手伝うも何も、これは俺のためだ」

「魔法陣の調査は私の仕事でもある。気にするな」

「私も手伝うね」

 シャルロットも手伝ってくれるらしい。


「ありがとう」

「はいはーい。私全然ついていけてないでーす」


 ネイアにはかいつまんだ話しかしていないので、改めて現状を伝える。


「つまり、君は魔法陣から出られず、魔法陣の上では動くこともできないってことね」

「そうだ」

「原因は魔法陣?」

「状況的にそれはほぼ確実だろう」


 フォリアが答える。

「地脈につながる魔法陣は、第1次人神大戦の頃から存在し、いまだに仕組みの完全解明には至っていない」

「第1次人神大戦というと300年前か」

「それは第2次だ。第1次は1000年前だな。とにかく、他の遺跡などに残る魔法陣に比べて極端に情報が少なく、記述の解読も難しいんだ」


 日本で1000年前というと平安時代か。

 枕草子や源氏物語こそ残っているが、それは文章だからというのも大きい。文法に連続性があるから、歴史を遡っていけば解読もできる。


 だが、魔法陣という一般的でない技術は失伝してしまってもおかしくはないのかも知れない。

 要はロゼッタストーンがない、ということだろう。


「それにしてはすぐ地脈管理用の魔法陣だと判断していたけど」

「最近新たに地脈とつながる魔法陣が見つかってな。界隈でホットなんだ。特徴が似ているからすぐ思い出せた」

「なるほど」


 うーん。


「自分でも調べようと思っていたけど、なんだか難しそうだな」

「確かに、基礎的な知識がまるでないお前に魔法陣の解読は無理だろう。だが、お前にしかできないこともある」


 なんだろうか。


「というと?」

「魔法陣のすぐ近くにいるということだ。本来、地脈魔法陣の調査というのは魔法陣の全体像をスケッチして持ち帰り、過去の記録と照らし合わせてあたりをつけてから、実験のために再度足を運ぶ必要がある。何往復も魔法陣と拠点を行ったり来たりするから、かなりの時間だ」


「だが、お前はずっと魔法陣のところにいるから、データをすぐに取れる。お前は私の指示通りにデータをとり、こちらに伝える。私がそれをもとに仕組みを解明していくことで、調査は早く進められる」


 なるほど、確かにその方が早そうだ。


「先生、私にできることはないんですか?」

「当然ある。データ取り、と言っても完全な素人にできるものではないからな。魔術の基礎、魔力の仕組みみたいなものはある程度学んでもらわないといけない。私がつきっきりで教えるのは無理だから、お前がサポートしてやってくれ」

「わかりました」

「私も手伝うよ。あんまり勉強は得意じゃないけど実技なら任せて」


 しばらくはシャルロットとネイアに行動を共にさせてもらおう。


「つまり当分は、魔術の勉強をすればいいんだな?」

「ああ、そのための場所だ。ようこそ、魔術学院へ」

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