21話 お宅訪問
馬車で向かっていたのはフォリアの家だったらしい。
1人で生活しているとは思えないほど立派な庭付き2階建てだった。やや古いが。
なんでこんな家を持っているんだろう?
まあいい。
しばらくここを拠点にするので俺も様子をチェックだ。
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中は思ったほど散らかっていなかった。
ゴミなのか研究資料なのかわからないものを分類してもらえれば、合体召喚で清掃精霊を呼び出してすぐに片付けられるだろう。
よかった。よかった。
シャルロットは綺麗好きなのか若干引いていたが気にしないことにする。
フォリアが旅の荷物を片付けている間に庭を見てみたが、雑草がすごいな。
これも草刈り精霊を呼び出してなんとかしよう。
自分で刈るわけじゃないから気楽なもんだ。
元の世界なら普通に絶望だ。
やっぱり精霊召喚は最強だね☆
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フォリアの荷物の整理が終わったので、次はシャルロットの寮に向かう。
ユニオは俺そっくりに作ってあるから、男が入って問題にならないか気になったのだが、個室エリアは男女別だが基本的に男女共用なので問題ないと言う。
寮と聞いていたからどんなものかと思ったら、学校くらいの大きさだった。
500室あるという。
フロル公国は学園都市に近いこともあり、都市内に出身者はかなり多いのだとか。
......最も多いのはワイノー帝国らしいが。
シャルロットに部屋の雰囲気を見せてもらおうと思ったら、やんわり待っているよう諭された。
ユニオではなく精霊にしたところで、シャルロットには見えるから意味がない。
気づかれないとしても信用を失うだけなので、断られた以上大人しくフォリアと待っていることにする。
フォリアと一緒に、シャルロットを談話室で待っていると、何度か寮生に話しかけられた。
あまりピンときていなかったが、35歳で准賢者というのは比較的早いようで、面倒見の良さも相待って慕う学生が多いみたいだった。
何人かの学生には俺も話しかけられたので新入生だと答えると、どこに通うのか聞かれた。
魔術学院と答えると、得意な属性を聞かれた。それも全員にだ。
ある程度お決まりの質問なのだろう。
だが、得意な属性というのがどういう意味なのかがわからず返答に困った。
この世界の得意の基準がスキルレベルなのか、相性なのか、使う頻度なのかがわからない。
6属性使える、というのも言っていいことかわからない。
精霊召喚と普通の魔術の違いもわからないので、最初に聞かれた時は固まってしまった。
最終的に「土属性を少々嗜んでおります」と、よくわからない返答をしたが、質問した学生もフォリアも特にそれ以上聞いてこなかったので問題はなかったのだろう。
そんな感じで時が過ぎた。
「今日はこれからどうする?」
部屋から戻ってきたシャルロットに聞かれる。
「私は研究棟に行く」
「夕飯食べて行かないんですか?」
「......食べてから行く」
「オカジマは?」
聞かれたものの、俺は食べられない。
「フォリアの食事が終わったら研究棟について行かせてもらいたい」
早く魔法陣のことを調べるのだ。
相変わらず万神殿で本体は行動不能なので、一刻も早く問題は解決したい。
だが今日は無理なようだ。
「うーん。案内は明日にしてくれないか?
万神殿の調査報告書も書かなきゃならんしな」
「じゃあ、私が魔術学院の案内をしようか」
「それもやめておけ。
1週間も馬車で過ごしたんだから、お前が思うより疲労は溜まっているはずだ」
確かにシャルロットたちに無理させるのはよろしくない。
「今日は解散かな」




