20話 え、今からでも入れる学校があるんですか?
学園都市に入り、馬車でどこかに進んでいる時、フォリアがふと思い出したように言った。
「そういえばオカジマはどこで生活するんだ?」
どういう意味だろう。
「ユニオの体に食事や睡眠は必要ないし、召喚し続ける意味もないから、必要な時だけ召喚してそれ以外の時は消すつもりだけど。
スタッツ周辺の調査も並行してやりたいからね」
「拠点となる場所がないと魔術学院に入学できないぞ」
あれ?
「入学するつもりはなかったんだけど」
「入学しないと書庫などは利用できないぞ。
調べ物がしたいんだろ?」
フォリアもあれ?という顔をした。
「説明してなかったか」
「うん」
「精霊に侵入させるのはダメ?」
「あそこは結構危険な物もおいてあったりするから、管理が厳重なんだ。
魔術的に侵入できない作りになっていたはずだ」
「そもそもユニオじゃ入れないじゃん」
「きちんと登録すれば正面から入れる。魔術やゴーレムで荷物を運ぶやつもいるからな」
なるほど。
「フォリアの魔術ってことで入れない?」
「それだと私がいないと入れないぞ?
これでも忙しい立場でな、あまりお前にだけ構っていられるわけじゃないんだ」
うーん、自由に出入りできないのは不便だな......。
「今から入学ってできるの?そもそも入学資格とかあるんだっけ?」
道中雑談として説明された記憶はあるが、入るつもりがなかったから忘れてしまった。
「特に入学資格はないし、私の口利きなら今からでもなんとか間に合うはずだ」
「おお、さすが」
フォリアがジト目で見てくる。
「別に不正を働くわけじゃない。
少し手続きを早めてもらうだけだ。
精霊を扱える、と准賢者の私がお墨付きを与えれば試験もいらないだろう」
なるほどなぁ。
「じゃあ入学する」
「わかった、手続きを進めておこう」
「私と同級生ですね」
静かにこれまで聴いていたシャルロットがニコニコと言う。
だが話は終わっていない。
「それで話は戻るが、オカジマはどこで生活するんだ?」
「住む家がないとダメなんだよね?」
「ああ」
どうしようかな。何も考えていなかった。
「2人はどうしてるの?」
「私はフロル公国出身者の寮です」
「学院から少し離れたところに家も所有しているが、生活しているのはもっぱら学院の研究棟だな」
「シャルロットはいいとして、フォリアはそれ生活できる場所なの?」
フォリアが若干ムッとした。
「ちゃんと居住区があるんだよ。広くはないが普通に生活はできる。
さすがに書類に塗れてソファで寝ているわけじゃないぞ」
「そうだよね、さすがにしないよね」
「......たまにしかしない」
してはいるのかよ。
フォリアは目を逸らし、咳払いをしてから提案してきた。
「一旦私の家を拠点ということにしてもいい。
若干散らかっているかもしれないが、生活するわけじゃないなら問題ないだろ?」
これ、だーいぶ散らかってるやつだ。




