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底辺と呼ばれた魔術師が、最強のロリっ娘魔術師を育てることになりました。  作者: 南郷 兼史


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第三十八話 謎多きメルクリオ

「お前も懲りないな……。陛下(レークス)ではなかったらその場で首を切られているぞ」

「そいつはお互い様だ」

「はぁ……これだからアルジェントは嫌われるんだぞ。俺の知ったことじゃないがな」


 レオーネは愚痴りながら階段を下る。

 強く引っ張られるので擦れてと痛い。ただでさえ肌が弱いので赤くなってしまっている。

 

「あぁ、そういえばそのローブ、どこで買ったんだ? アルジェントにしては豪華なものだったからずっと気になっていたんだが」

「これ? さぁ、僕が買ったものではないからな」

「じゃあ作ったのか?」

「いや、()()()()()が死に装束としてくれたんだ」

「メルちゃんが? ほう……そういうことか。相変わらず()()()()()()()()


 一人感心しているが僕には何もわからない。

 そんなにすごいローブなのか? 確かに肌触りはいいし軽いけど。

 染め具合も良い。黒一色のシンプルなローブだ。


「そいつは山羊革で作られたローブ。これだけ贅沢に使っているのはそうそうない。それに、染色に大量の血を使っているな。よく見ると裏地に赤黒さが残っている。アルジェントらしい趣味の悪いローブだ」

「そんな高級品なのか」

「……高いことには高いが、血染めなんて悪魔の所業だ。いろんな魔術がかけられているし、下手に触れたら穢れるよ」


 ……なぜそんなローブを僕に渡したんだ?

 血の臭いはしないが、そう言われると気味が悪い。アルナシオンですら忌み嫌いそうだ。



「メルちゃんは先を読みすぎているね。まるで陛下みたいだ。怖い怖い」

「これってどういう意味なんだ?」

「いずれ分かるさ。そのローブのギミックが」

「……教えてくれないのかよ」



 ――そうこうしているうちに、薄暗い独房へとたどり着いた。

 だが、さっきの牢屋よりかは綺麗であった。


「食事は遣いに持ってこさせる。だから、蝋燭だけは食うなよ」

「はいはい……。で、どうせだから僕からも一つ聞きたいことがあるんだ」

「……手短に」

「なんでお前は『メルちゃん』って呼ぶんだ?」

 

 レオーネは物凄くばつが悪そうな顔をしている。

 えっ、聞いちゃまずいようなことだったのか? どうせ一日も持たない命なんだしこれくらい許してくれよ。


「俺に向かって()()だと!? 不躾な奴だな……」

「そこはいいから。もしかして、同じ水銀使いだからからかっているのか?」

「そんな意味合いはない。メルちゃんはメルちゃんさ。理由はないよ。陛下と似ているのは気に食わないがな」

「あっ、側近ですらそう思うのか」

「……そりゃあ、ねぇ? 君だってそう思うだろう?」



 レオーネは明らかに言葉を選んで話していた。

 多分、本来の意味ではないな。直感的に嘘だと思ってしまった。

 


 ん? まさか、オーロとの混血じゃ――



「言っておくが、メルちゃんはオーロとの血の繋がりはないよ。もっとも、『血』の繋がりだけはな……」

「意味深長に言わないでくれよ。余計に気になるじゃないか」

「君が思う以上に謎多き奴だよ彼は。良くも悪くも人間離れしすぎている――」


 これ以上話したらまずいと察したのか、レオーネはそそくさとその場を去った。

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