第十八話 償う時
「「今日まで色々とお世話になりました。ナタリーさん」」
そう言い、2人は深々と頭を下げる
「礼なんていらないさ。こちらこそ、色々と楽しかったよ。それじゃあね」
2人は階段を登る。一言も発さず、ただ階段を登る音だけが聞こえる。登り切り、レイヴィアがもう1つの扉に手をかける
「ついにここまで来たのね」
「そうだね......後悔してる?」
「まさか」
レイヴィアはそう言って扉を開けた。久しぶりに吸う外の空気にどこか懐かしさを覚える2人。初夏の日差しが眩しいのか目を細めている。外套に付いているフードを深く被り、2人は駆け出した
人目につかない道を選び、裏門を目指す。そこはかつて2人が逃げ出した場所だ。
裏門には見張りがいたが、下っ端のため2人の敵ではない。レイヴィアは見張りの頭部めがけて銃を撃つ。見事なヘッドショットを決め、見張りはその場に倒れ込んだ。レイヴンは見張りが死んだことを確認し、彼のインカムを取りそのまま通信をONにした
「サルバート連邦軍の皆さま、聞こえているでしょうか?レイヴン・フランセンです。姉と共に戻ってまいりました」
そう嫌味ったらしく言うレイヴンの隣でレイヴィアが銃の残弾数を数えている
「僕ら2人を捕らえようと必死になっているのは知っていましたが、いつまで待っても迎えが来なかったためしびれを切らしてこちらから出向いてまいりました。僕らは今裏門にいます。これから処刑場へと向かう予定ですのでそこで落ち合いましょう」
2人は処刑場へと走っていった
2人が処刑場に着くと、すでにたくさんの一般兵が集まっていた。2人が入ってくるなり一斉に2人へ向かって走ってくる
「雷嵐域」
そう言い、レイヴィアが一歩前に出る。次の瞬間、数多の落雷とともに次々と一般兵たちがその場に倒れ込む
「多分こいつらは捨て駒。ここからが本番だよ気を引き締めていこっか」
「もちろん。目指すは『軍関係者の抹殺』だからね」
そう言い、2人は外套を脱ぎ捨て、幹部棟へと向かっていった
一方リディは住宅街を歩いていた
(次のターゲットはこの人ね。計画通りなら、今頃2人は幹部棟に向かってる頃かしら?私も頑張らないと)
そう、リディは今『既に退役した軍人の暗殺』して回っているのだ。アイシスに嫌がらせをしていたが、今はのうのうと余生を満喫している人をリディは許せず、ナタリーに情報収集を頼み自ら暗殺して回っていたのだ。1人、また1人と殺して回る。死神に慈悲などはないのだから
「計画にはなかったけど、2人もきっと喜んでくれるわ」
そう言うリディの口元には笑みが浮かんでいた
幹部棟に入った2人を出迎えたのは、それなりに階級も経験もある元・上司たちだった。だが、鍛錬を重ね1年前とは見違えるほど強くなった2人には脅威にすらならない。2人はほぼ無傷で包囲網を突破し、順調に幹部棟の奥へと進んでいく
元・上司たちを一掃しつつ2人は幹部達の捜索も行っていた。なかなか見つからず、ついに最奥の総帥室へとたどり着いた
「やっぱなかなか見つからないか~」
「そうだね。でも、皆を一か所にまとめる事はできたみたい」
そう言うとレイヴンは執務机に近づき何かをまさぐっている。しばらくするとカチッという音が部屋に響き、壁から隠し扉が現れた。扉を開けるとその先には地下へと続く階段があった
「さすがナタリーさん、情報通りだね。さて事前情報だと、この先に幹部専用の会議室があるはずだ」
「一体どこからこんな情報持ってくるんだろ?私達ですら知らなかったのに......」
お互いに軽口を叩き合い、緊張を緩める。この場にナタリーがいれば、「企業秘密だ」とでも言ってそうだ
「さて、緊張がほぐれたところで......行こうか。」
「どんな結果になろとも、僕は最後までついて行くよ。だから安心して、思いっきり暴れよう?姉さん」
そう言って2人は地下へと潜っていった
ターゲットを全て暗殺し終えたリディは軍部の敷地内を散歩しながらアイシスとの思い出に浸っていた
「ここでよくお昼寝してたわね。アイシスは覚えているかしら?......あなたなら私との思い出は全部覚えているのでしょうね」
リディの表情は穏やかだ。時々このように独り言を呟きながら施設内のいたる所を回る
「バローネ特命全権大使!」
遠くからリディを呼ぶ声が聞こえる。レイヴィア達が獲り逃したのだろう。大して強くもなさそうな一般兵だ。リディはアイシスとの思い出に浸る時間を邪魔されたことに苛立っているようで、さっきまでの穏やかな表情を一変させる
「ここは危険です。早く敷地外へお逃げ下さ――」
言いきる前にリディは鎌を振るう。一般兵の体は縦に真っ二つにされていた
「ごめんなさいね、アイシス。邪魔が入ってしまったわ。さあ、散歩を続けましょう」
階段を降りた先には長い廊下が続いていた。2人は何も話さずただ廊下を奥に向かって進んでいた。
「久しぶり。ヴィア、レイ」
廊下の先には1つの扉があった。そしてその前にはシャマールが待っていた
「......今はお父さんの相手をしている場合じゃないの。そこをどいて」
レイヴィアはいつもより強めな口調でシャマールに言う。だが、シャマールはそれに臆さず淡々と続けた
「それはもちろん分かっているさ。でも、2人がこの先に進むなら俺は父親としてではなく、『前線総司令 シャマール・レドモンド』としてお前たちと対峙する事になる。......前に会った時のこと、覚えてるか?」
「もちろん、覚えてる。でも言ったはずよ、その提案には乗れないって」
「お願いだ。お前たちを失いたくないんだ。今からでも遅くない、引き返そう」
どうやらシャマールは2人を説得させようとしているらしい。だがここまで来てしまった2人には、最早引き返すなんて選択はなかった。レイヴィアは数歩前に出てシャマールと向き合う
「......親不孝な子でごめんなさい。でも、私達はもう引き返せない。もう......遅いんだよ。何もかもが、遅すぎたんだ」
レイヴィアは俯く。シャマールはそんなレイヴィアの頭を撫でる
「そうか、なら......力ずくでも引き返させるしかないな」
そう言うと同時にシャマールはレイヴィアの腹部を思いっきり膝蹴りした。レイヴィアは受け身を取れずもろに食らってしまい、その場でうずくまる
「姉さん!!」
レイヴンがレイヴィアの元へ駆けつけるが、レイヴィアとの間にシャマールが割って入る
「父さん!どうしてこんな――」
「言っただろう?前線総司令としてお前たちと対峙することになる、と」
そう言ってシャマールはレイヴンの肩めがけてナイフを振り下ろす
「.........!」
なんとかかわし、シャマールと距離を取る
(今の僕にできることはなんだ?僕が直接やりあったところで、父さんに勝てるわけない!考えろ考えろ。きっと何か打開策があるはずだ。とりあえず今は、攻撃をかわすことに集中するんだ。姉さんが復活するまでの時間を稼がないと!)
「凍界静止!」
勝ち目がないと悟ったレイヴンは即座に防御魔法を発動した。シャマールの攻撃をかわしつつ、レイヴィアに回復魔法をかける。ナタリーとの鍛錬の末魔力量が爆発的に増えたとは言え、凍界静止の継続時間は無限ではない。2人はかなりの劣勢に立たされていた
(まずい!これ以上は持たない)
凍界静止が切れたタイミングでシャマールはナイフを突きつける。寸でのところでなんとか避けるもレイヴンはバランスを崩してしまい、尻餅をつく。シャマールはレイヴンめがけてナイフを振り下ろす
「......雷閃」
レイヴィアがシャマールとレイヴンの間に割って入り、ナイフをナイフで受け流す
「姉さん!」
「時間を稼いでくれてありがとうレイ。大丈夫?」
レイヴィアの問いにレイヴンはコクリと頷く。それを見たレイヴィアは再びシャマールと向き合う
「......お父さん?さっきはよくもやってくれたわね!」
「......もう動けるのか、タフな奴だ。さすが俺の子だ」
その口調にはどこか誇らしさすら感じる。これ以上のおしゃべりは不要と感じ取ったのか、2人は臨戦態勢に移行する
「磁駆瞬歩」
「雷閃」
お互いに身体強化魔法を使い、目にも止まらぬ速さで交戦する。廊下という狭い空間内でナイフとナイフが交わる音に交じって時々発砲音が響く
「雷縛静止」
レイヴィアの声が響く。その声と同時にシャマールはその場で固まっていた
「はは、負けてしまったよ」
「......お父さんの本気はこんなもんじゃない。本気で勝とうなんて思ってなかったんでしょう」
シャマールは黙り込む。どうやら図星だったようだ
「まあいいや、勝ちは勝ちだかんね」
そう言いレイヴィアは銃口をシャマールに向ける
「ああ、好きにすればいいさ」
シャマールは目を閉じた
「......雷鎖縛」
レイヴィアはシャマールを拘束する。シャマールは「訳が分からない」とでも言いたげな目でレイヴィアを見つめる
「安心して、お父さんは最初から復讐対象に入ってない」
「な、どうして」
「......私達はあくまで復讐をしているの、お母さんを最後まで信じていた人にまで危害を加えるつもりはない。あと......何でもない!それだけよ!」
そう言ってレイヴィアはそっぽを向いた。照れているのか、ほんのりと頬が赤くなっている
「......そうか、俺はアイシスを守れなかったから、てっきり2人に恨まれているものだと思っていたよ」
そう言ってシャマールはホッとしたような、肩の荷が下りたような笑みを浮かべている
「行こう、姉さん。これで終わりじゃないんだから。ううん、むしろここからが本番なんだから。じゃあね、父さん」
2人は立ち上がる。ドアノブに手をかけようとしたところでシャマールが静止の声を掛けた
「待ってくれ!1つだけ頼みたいことがある。いいか?」
「...聞くだけ聞いてあげる」
「クラウディア、彼女だけは生かしてやってくれないか?」
予想外のことに2人は目を見合わせる
「どうして?」
「あいつは、俺が昏睡状態に陥っている間、俺に代わってアイシスの無実を訴えてくれていた。それに妊娠中のアイシスを一番近くで支えていたのも彼女だ。俺が許されるなら、彼女も許してやってくれ」
「...分かった」
そう言って2人は会議室の中へと入った
幹部棟の中はまさに地獄絵図だった。そこかしこに無残な遺体が転がり、床と壁は一面真っ赤。場所によっては天井までもが赤く染められている
「敷地内に入ってからずっと思っていたけれど、よくもまあこの量を一掃できたわね。ねえアイシス、あなたの子達は本当に強くなったわ」
リディは総帥室の扉を迷わず開く。そして、会議室へと続く階段を降りていった
コツ、コツ、コツ、と廊下を歩く足音が響く。会議室の扉の前、壁にもたれて座っている人影があった
「......俺を殺しにきたのか?リディ」
「生きてたの。やっぱり、あの子達も自分の父親を手に掛けるなんてことはできなかったのね」
そう言ってリディはため息をつく
「......2人は俺を許すと言ってくれたが?」
「...そんな訳ないでしょう?だって、あなたが一番罪深いのだから!あなたがアイシスを好きになんてならなければ、アイシスは死ななかったのだから!!」
リディは早口でまくし立てる。乱れた呼吸を整え、シャマールを冷たい目で見下ろす
「全部、全部あんたのせいよ!私だけのアイシスだったのに、私だけが彼女の心の支えだったのに!あんたが私達の楽園を壊した!あんたは、人を誑かし破滅に追い込む悪魔だわ!」
リディが言い終えたことを確認し、シャマールは渇いた笑いを零しこう言った
「......言いたいことはそれだけか?リディ、お前は昔から変わらず独りよがりなんだな。そこにアイシスの意思はあったのか?」
「当たり前じゃない。私が一番アイシスを分かってあげてたのだから。だから、これもアイシスの意思。大丈夫よ、アイシス。あなたの代わりに私がこの悪魔から2人を守ってあげる!」
そう言ってリディはシャマールに鎌を振り下ろした
扉を開けると同時に弾が飛んできた。レイヴィアはナイフでそれを弾くと、弾が飛んできた方向めがけて発砲した。弾はアデミールの顔面すれすれを通り、そのまま後ろの壁に命中した
「あら、外しちゃった。お久しぶりですね、幹部の皆さま。レイヴィア・フランセン、並びにレイヴン・フランセン、ただいま戻りました」
そう言って、2人は敬礼する
「わざわざ来てくれるんや、指名手配犯のくせに。探す手間省けて助かるわ。欲言うたら、もうちょい早よ来てほしかったけどなぁ」
銃を構えたままアデミールが飄々とした口調で言う。その言い方に腹が立ったのかレイヴィアはアデミールに向けもう一発発砲する。今度はアデミールの肩に命中し、苦痛の声を漏らす
「......ずいぶんええ挨拶してくれるやん」
「外交長官のくせにずいぶんな西部訛りですね。こんなのが外交長官なら、言葉が通じずにこちらに不利な条約を押し付けられそうです」
レイヴンが皮肉を交えてアデミールを煽る。アデミールは明らかに殺意を込めた目でレイヴンを睨む
「あぁ?なんやと?なめとんちゃ――」
言い終わる前にレイヴィアがヘッドショットを決める。アデミールはその場に倒れ動かなくなった
「さて、うるさいのはいなくなりましたね」
そう言ってバルバロッサに満面の笑みを浮かべるレイヴィア。バルバロッサは彼女を見つめたまま動こうとしない
「何のために戻ってきた?大人しく罪を認めるためではないのだろう?」
バルバロッサの問いにレイヴィアは相変わらずニコニコと笑みを浮かべながら答える
「...母の復讐を果たすために戻ってまいりました」
「閃雷遮断」
レイヴィアがそう言うと、辺り一面に強烈な閃光が炸裂した。幹部達は突然の出来事に反応が遅れ光を直視してしまう
「天雷照準」
そう言い、レイヴィアは無尽蔵に発砲する。だが、幹部達も経験を積んでいるためレイヴィアが放った弾丸が命中することはなかった
「ほぼ全部かわすとは...すごいですね!正直予想外でした。ですが、完全に避けきることはできなかったみたいですね?」
命中こそしなかったものの、腕や脚などをかすり傷を付けることはできた
「天雷照準!」
レイヴィアはまたしても無尽蔵に発砲し、幹部達はそれに対応する
「クソが!バルバロッサ!お前は大人しくしてろ!クラウディア、バルバロッサを頼む!レウイシア、流れ弾は任せた!アスカは俺と一緒に2人を止めるぞ!」
マーカスが指示を出す。さっきまでまとまりが無かった皆が指示を元に連携しだす。それと同時にレイヴィア達も連携を強化する。
「凍界静止」
レイヴンは凍界静止を発動し、レイヴィアを守る体勢を整える
「雷反響殲」
レイヴィアは近づけないように次々と技を繰り出す。そのため、マーカス達はなかなか反撃に出ることができず防戦一方だ
(これじゃあ近づけねぇ。どうにかレイヴィアに隙を作らせないと)
「雷刻射」
「危ない!」
アスカがマーカスを突き飛ばす。アスカの右肩に弾丸が命中する。間髪入れずレイヴィアがナイフでアスカの右肩付近を斬る
「あ......っ!?!?」
アスカの口元から赤が滲み、そのまま崩れ落ちる。そして、アスカを斬りつけた勢いのままレイヴィアはマーカスに斬りかかる。マーカスは咄嗟に距離を取るが間に合わず腕に深手の傷を負ってしまった
「雷封弾」
弾丸がマーカスの腹部に命中し、口元が真っ赤に染まる。そして、そのまま倒れ込んだ
「...さて、あとはあなた達だけですね」
そう言ってレイヴィアは部屋の隅に隠れているレウイシア、クラウディア、バルバロッサを見る
「2人とも!こんなこと、アイシスは望んでないわ。だから――「分かってますよ、クラウディアさん」
レイヴンがクラウディアの話を遮る
「これは母さんのための復讐じゃない。僕らが、やりたいからやってるんです」
クラウディアはそれを聞いてなにも言えなくなってしまう
「おしゃべりは終わった?」
そう言いながらレイヴィアはバルバロッサに銃口を向ける
「待ってください!僕が相手になります」
そう言ってレウイシアが2人の前に立ちはだかる
「......いいわ、かかってきなさい!」
人が減ったことにより流れ弾が当たる確率が減った。そのためレウイシアはレイヴィアに向けためらうことなく発砲する。それに負けじとレイヴィアも発砲する。魔法を使わないのは魔力を持たないレウイシアへの配慮か、はたまた煽りか
状況はレイヴィアが有利だ。少しづつではあるがレウイシアが押されている
「......っ!」
レイヴィアが放った弾がレウイシアの手に当たり銃を取り落とす
「...私の勝ち、でよろしいでしょうか?」
「まだですよ」
そう言ってレウイシアはレイヴィアに掴みかかり、近くに落ちていた刀をレイヴィアの肩に刺す。レイヴィアは慌ててレウイシアを突き放し、彼と距離を取る
「痛...よくも!!」
そう言いレイヴィアはナイフを投げる。突き飛ばした反動で壁に背中を強打していたレウイシアは避けることもできず腹部にナイフが突き刺さる
「姉さん!」
「平気よレイ。あの2人、レイに頼んでもいいかしら?」
レイヴンは頷き、2人の下へと行った。少ししてグシャっという音が響き、バルバロッサが力なく地面に項垂れる。それを確認しレイヴィアは立ち上がる。レウイシアの前に立ち、彼女はこう言った
「私の......勝ちで...いいですね?」
傷が痛むのかレイヴィアは息を切らしている
「いや...まだですよ......」
そんなレウイシアの態度に怒りを覚えたのかレイヴィアは彼の眉間に銃口を突きつけ、荒々しい口調でこう言った
「いい加減諦めてはどうです!?」
レイヴィアの怒号が会議室に響き渡る。感情をあらわにした彼女が強い口調のまま続ける
「どうしてあんたはお母さんを殺した!?お母さんはあんたの損になるような事はしてなかったはずだ!」
レウイシアは呆れたようにレイヴィアを見て、こう言った
「少し......黙っては......いかがです?」
声を出すごとに口から血が溢れてくる。レイヴィアは眉間に銃口を突きつけたまま質問に答えるよう促す。そんなレイヴィアの後ろではレイヴンが幹部1人1人の生死を確認する為に心臓付近を氷の刃で貫いている
ふと、レイヴィアの方を見るとレウイシアと目が合った
「こちらを見る余裕はあるのですね。それほど余裕があるなら姉さんの質問に答えてさしあげては?どうせもうすぐ死ぬんですから」
冷めた目でレウイシアを見る。レウイシアにとってもシャマールは親友のような存在だったのだろう。レイヴンに冷めた視線を向けられた彼は、バツの悪そうな顔をして俯いてしまった。
「....そんなの.....決まっている........でしょう?あいつが.....あのクソアマが邪魔だったから.....ですよ...それ以外に.....なにがあるんです?」
それを聞いたレイヴィアの目は憎悪で染まってた。それと同時にどこかホッとしたような顔を浮かべていた
「そう、良かった。あんたが最後の最後まで人として終わってるクズ人間で。これで私もなんの躊躇いもなくあんたを殺せる。ふふ...じゃあね」
(雷閃)
レイヴィアは心の中でそう呟き引き金を引いた。バンッと音が響きレウイシアは動かなくなる。レイヴィアが振り返るとクラウディアが泣いていた。レイヴィアはクラウディアに近づきこう言った
「大丈夫です、クラウディアさん。あなたは殺しませんから」
「......どう、して?」
クラウディアは嗚咽交じりの声で2人に聞いた
「あなたは母さんを支えてくれていたと父さんから聞きました」
「...そう」
「今は少しお眠りください。疲れたでしょうから」
それを聞いたクラウディアは安心からかすぐに眠ってしまった。クラウディアが眠ったことを確認し2人は会議室を後にした
『雷嵐域』
辺り一帯にたくさんの雷を一斉に落とす範囲攻撃。落ちる雷の量は対象の人数に関係ない。魔力量が多いほどたくさんの雷が落とせる。
『磁駆瞬歩』
地面との磁力反発を利用し、滑るような超高速移動が可能になる。踏み込みのたびに反発力が加速へ変換され、連続移動が可能。
『雷縛静止』
微細な電流を神経に直接流し込み、筋肉の動きを完全停止させる。見た目はほぼ無傷だが、本人の意思とは無関係に一歩も動くことはできない。短時間ではあるが、確実に拘束できる即効型の拘束魔法。
『閃雷遮断』
発動と同時に強烈な閃光が炸裂し、範囲内の視界を白く塗り潰す。一瞬でも直視すれば視覚が完全に機能停止し、数秒間まともに見えなくなる。
『雷反響殲』
放った雷が壁や天井に反射し、室内を縦横無尽に跳ね回る。一発が何度も軌道を変えて複数人にヒットするため回避は困難。狭いほど威力が増す屋内特化の殲滅技。




