表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

253/254

第251話 セリアの機転

「ルミナス男爵、助けにきたわよっ!」


 エレオノーラさんが獣人を引き連れてきた。


「エレメンタルヒュドラを倒したのですか?」


 その言葉に俺は頷く。


「だけど、この有様じゃあ……」


 壊滅したエルフの里を見る。


「妙よね?」


 絶望する俺に、エレオノーラさんはそんなことを言う。


「避難したにしても、死人が一人も見当たらないなんて不自然よ?」


 こういう場合、時間稼ぎに何人か戦闘員を残すことになっている。その痕跡がないというのがおかしいとエレオノーラさんは首を傾げた。


「だとしたら、逃げ出せたということでしょうか?」


「移動速度からしてもそれはないかと」


 エルフの少女が答える。


「だったら、どうして?」


 俺が首を傾げると、一つ思いついたことがあった。


「エレオノーラさん」


「ん、何かしら?」


「魔導具への付与はどうなってますかね?」


「こんな時に自分の魔導具がそんなに大事なの?」


 彼女は怒りを滲ませると俺を睨みつけてきた。


「いいから早く教えてくださいっ!」


「あの娘の実力なら、もう終わっているはずよ」


 付与した魔導師の実力を思い浮かべたのだろう。彼女はおよその時間をいった。


「それなら、何とかなるかもしれない」


 これは賭けだ。俺は目を瞑ると考えを纏めた。そしてセリアの笑顔を思い浮かべると、


「来いっ!」


 魔導具を引き寄せた。


「それが、SSランクの魔導具なのですか?」


 シアンが覗き込んできた。


「だけど、どうして今そんな魔導具なんて……」


 里の皆が見当たらないのにと皆非難の目を向けてくるのだが……。


「えっ?」


 次の瞬間、箱庭の中からゾロゾロと人が出てきた。


「セリアッ!」


「兄さんっ!」


 俺は彼女と抱き合った。


「無事で良かった!」


「もう駄目かと思いましたよ!」


 ところどころが汚れている。本当にギリギリだったのだろう。


「よく皆を助けてくれたな」


 周囲を見ると、他のエルフの姿もある。


「兄さんならこれに気付いてくれると信じてたんです」


「ちょっと待ってちょうだい!」


 俺たちが話をしていると、エレオノーラさんが話し掛けてきた。


「ルミナス男爵。貴方今何をやったの?」


 俺たちが感動の再会をしていると皆が疑問の表情を浮かべている。


「付与してもらった魔導具を引き寄せただけですけど」


 俺は自分が行ったことについて告げる。


「あれは魔導具にしか効かないの! 生きてる人間を転移させるなんてそんなの……」


「それができるのがこの箱庭です」


 俺は彼女の言葉を遮り答える。


「この魔導具は中に入ることができるんですよ」


 呆気にとらわれる彼女たちに魔導具の性能について説明する。


「そして、中に入った状態なら魔導具を引き寄せることも可能です」


「だけど、この通り里は半壊しているのよ! 一体、どうやって安全を確保したのよ⁉︎」


「それはこの『転移の腕輪』を使いました」


 残りの説明についてはセリアが引き継ぐ。


「この『転移の腕輪』は宮廷魔導師百人分の魔力を補充しなければ起動できません。これまでは私がコツコツ補充していたのですが、モンスターが迫ってきた時点でエルフの皆さんに協力してもらいました」


 彼女は自分の苦労話を続ける。


「箱庭を持って移動するには時間が足りない。だけど、転移なら何とかできる」


 皆がセリアの説明を聞き入る。


「最後の方の魔力を補充した私は、皆が箱庭に入ったのを確認してどこでもいいから転移したのです」


「その後は、俺が気付いて取り寄せるのを待つために自分も箱庭に入ったと」


 俺の言葉に彼女は頷いた。


「だからルミナス男爵はその魔導具に付与を頼んだのね……」


 ここにきて、エレオノーラさんはようやく俺の意図に気付く。


「あれだけのモンスターが暴れたのに人的被害がゼロってありえないわよ」


 エレオノーラさんが驚きの表情で俺を見る。


「今度こそ、守り切ることができたんだな」


「何か言いましたか?」


「いや、何でもない」


 俺はシアンの言葉に曖昧な笑みを浮かべるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ