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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
五章

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第248話 エルフの里に迫る危機

「えっと、皆さんはエレメントヒュドラを封印するために精霊石を探し始めてるんですよね?」


「ええそうよ!」


 今更何を確認しているのかとばかりにエレオノーラさんは険しい表情を浮かべながら答えた。


「文献によると、精霊石とは特殊な鉱石に微精霊が集まり力を増した石らしく、精霊との親和性が高い者でなければ発見することも困難だそうです」


 エルフの少女がそう言う。


「だからこそ、国中を探して精霊との親和性が高い者を集め精霊石を発見させなければならない。今は時間がないのだ!」


 そう言った皆に俺は告げる。


「その……精霊石ならここにあります」


「「「「「はっ?」」」」」


 俺はダキーニに食べさせるように手に入れていた精霊石を皆に見せる。


「精霊王の指輪を身につけたあたりからか、俺は精霊を視ることができるようになったんです」


 呆気にとらわれる彼らに説明をする。


「ダキーニともそのせいで知り合って、ここまでの道中一緒に行動してました」


「ルミナス男爵の周囲に何やら落ち着かない気配があると思ったらそういうことだったのね……」


 エレオノーラさんは何やら納得すると額に手を当て溜息を吐いた。


『この小僧からは何やら心地よいオーラが溢れておるからな。こいつに引っ付くことで我も徐々に力を取り戻していったというわけだ』


 やたらと俺に引っ付いてきたのにはちゃんとした理由があったようだ。


「とにかく、これで精霊石は手に入ったわけなので、どうすればいいか教えてください」


「駄目です。これは小さすぎる。この精霊石ではせいぜい動きを鈍らせる程度かと……」


 元々封印に使っていた精霊石はこの石の大きさの比ではないらしく、俺の精霊石では封印しきるのは不可能とのこと。


「それに、エレメントヒュドラはあらゆる自然現象を操り、人を寄せ付けないとか……。近付く前に殺されてしまいます」


 エルフの少女は推測を述べた。


「そうか……、じゃあどうにかして近付かないとな……」


 ひとまずエレメントヒュドラを止めに行くことを決意する。


「ちょっと待ってちょうだい! まさか、ルミナス男爵自ら行くつもりなの?」


 ところが、エレオノーラさんはそんな俺に待ったをかけた。


「貴方は自分の立場がわかっているの?」


 彼女は俺をいかせまいと睨みつけてくる。


「貴方は今や大陸の、いえ世界の宝。こんなところで失ったらどうなるかわかってるの?」


「よく分かってますよ。そのくらい!」


 世間から見て自分の価値が異常に高いことなんて認識している。だが……。


「だけど、エレメントヒュドラに対抗できる人間が他にいるんですか?」


 相手は正真正銘の化け物。それこそブラックドラゴンクラスの可能性もある。


「駄目よ。確かに貴方が行けばエレメントヒュドラを封じ込めることができるかもしれない。でも、もし返り討ちにあったら……」


 俺を死なせたことでサイラスは周辺国より追及を受けることになる。


 場合によってそれは災害以上のダメージをもたらすかもしれない。


 ところが、そんな空気を壊したのはダキーニだった。


『クラウスの邪魔をするでない』


「ダキーニ?」


『この者は普通の人間ではない。霊獣たる我の姿を見るだけではなく、その身に様々な力を宿している。その力は五百年前にあの化け物を封印したエルフにも引けをとっておらぬ』


「ですが霊獣様。こいつがこの地で命を落とせば我々にも被害が……」


 ハジンさんがダキーニに意見を言うのだが……。


『その時は素直に滅べ。自分たちで護ることもできぬ国など滅んだほうがマシだろう?』


 ダキーニの指摘に全員が言葉を失った。このまま迎えるかと考えていると……。


「待ってください! クラウスさん」


 先程まで黙っていたシアンが口を開いた。


「私も、連れていってください」


 彼女は真剣な表情を俺に向ける。


「こうなったのは兎人族が祠周辺を荒らしたからです。私にはその責任を取る義務があります」


『兎人族の娘よ、自分一人の責任だと思う必要はない。あの封印はいずれにせよ限界が近かった。そのままにしていても数ヶ月か数年後には破れていたに違いない』


 これ程短期間で破れたのなら既に限界だったとダキーニは告げる。


「それでも連れていってください」


 ところが、シアンは同行を誇示する。


「私が少しでも注意を引きつければ、その分クラウスさんが戦い易くなるはず」


 シアンは「それに」と付け加えると、


「私は罪人ですから。どうせ生命で償うのなら、この国のために生命を散らしたい」


 長老たちが険しい表情で彼女を見る。


「わかった。一緒に行こう」


 俺はシアンの手を取った。


「ただし、俺は君を捨て駒に使うつもりはない。現地の地形に詳しい人物がいると助かるから連れて行くんだ」


「クラウスさん……」


 ウサミミがペタリと頭に張り付き、シアンの瞳が潤んでいた。


「まったく、聞きゃしないんだから……」


 エレオノーラさんが溜息を吐く。どうやら止める気はなくなったようだ。


「それで、エレメントヒュドラは今どこにいるの?」


 エレオノーラさんの質問に、


「エレメンタルヒュドラは現在、エルフの里に向かっています!」


「何だって⁉︎」


 そこにはセリアとメリッサがいる。俺は絶望に眩暈を覚えた。

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