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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
五章

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第231話 『緑の手』の持ち主

「それで、ルミナス男爵はどうするつもりなのかしら?」


 黙り込んだセリアから視線を外し、エレオノーラさんは俺に質問をしてきた。


「スイレーンの種を持ってきていただけますか?」


 俺が頼むと、彼女は近くにいたエルフに指示を出し種子が入っている袋を持って来させた。


 浅い皿に水を張り、そこに種を浮かべると俺は手をかざす。


「兄さん、まさか⁉︎」


 セリアだけは俺が何をするのか気付いたようだ。


 俺はスイレーンの種子に対して『孵化』を実行した。


「「「「なっ⁉︎」」」」


 エレオノーラさんとメリッサとノックスさんとシアンの驚き声が重なる。


 種子が輝き、俺の魔力が吸われるのを感じる。流石に卵ではないからか、無駄な魔力が流れている気がする。


 輝きが収まると、その場に発芽したスイレーンの姿があった。


「とりあえず、発芽させてしまえば、あとは何とかなりますよね?」


 成長には大量の水と魔力か瘴気が必要ということなので、このくらいがちょうどいい。


「兄さん、なんてことをしてくれたんですか⁉︎」


 セリアが詰め寄り服を掴んだ。


「いやさ、俺の『孵化』のスキルを使えばもしかして種子を刺激することができると思ったんだよ。特にスイレーンは魔力に反応するって前情報もあったからいけるとは思ったけど、バッチリだったな」


 自分の思い通りにことが進んだので、上機嫌で妹に説明をするのだが……。


「馬鹿兄さん! 考えなしっ!」


 なぜか叱られてしまった。流石に酷いと思い、助けを求めて皆に視線を向けると……。


「まさか……『緑の手』が人族から生まれるなんて⁉︎」


 エレオノーラさんが何やら呆然としている。


「どうしてそこまで驚いているんですか?」


 確かに、種子を発芽させるというのは驚く現象かもしれないが、これまで俺がやってきたことに比べれば些細な現象ではないだろうか?


 だというのに、三人の過剰な反応が気になった。


『無自覚でやらかすとは……お主は本当に面白い』


 ダキーニも答えを知ってそうなのだが教えてくれない。


「クラウスさんがやったことはこの地に伝わる伝説のエルフがやったことと同じなんです」


 いち早く復活したシアンが説明をしてくれる。


「その方は手をかざすだけで植物を成長させ、やがて世界樹の苗すら芽吹かせたとか……」


 これまで以上に熱い視線を向けてくるシアンに、


「流石にそこまでは無理だ」


 俺は彼女から距離をとりながらそう言った。


 今回の種子は魔力に反応するという特徴があったからできたことで、普通の植物には通用しない。


 ましてや、世界樹ともなると何をどうすればよいのか見当すらつかないのだ。


「とにかく、これでグリーンムカデを駆除して、発芽したスイレーンを植えれば当面の問題は解決ってことですよね?」


 シアンやエレオノーラさんやノックスさんの視線に耐えきれず俺は言った。


「え、ええ。ルミナス男爵が協力してくれれば問題解決とはいかずとも、長老会の者たちが納得する成果は得られそうよ」


 エレオノーラさんから言質をとった俺はようやく安心することができた。


「発芽したスイレーンを植えるのは兎人族が総出で行います!」


 水の量を安定させれば集落に戻れるからか、シアンはやる気を見せていた。


「あ、ああ。それは任せるよ」


 食い気味に俺の手を握りしめるシアンに俺は答える。


 俺は残る種子を発芽させる作業に戻るのだった。

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