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211話 魔法が使えない俺と魔王の目的

村に着くと、荷台に乗せてた人たちが目を覚ました。


村にいるゴーレム達は既に人に戻っていて、皆が喜びを分かち合ってたね。


そんな中で、町の一件や今回の騒動の一部始終を、シーンと俺達含めて村中の人たちと話し合いになった。


パルスは皆に謝罪し、今まで起こったことを話し、それに追記するような形で俺とシーンが付け加える。


最初こそパルスに対して怒りを露わにしたり、冷徹な目をしていたものの、村の人たちは徐々に態度を改め始めて、何とか場は収まった。


んまあ、魔王と親が悪いよねって流れに持ってったから、大分強引ではあったんだけど。


それでも村の人たちにも非があるってことで、ギリギリの呑んでくれたって感じかなあ。


危なかったー。


まあそれでも、パルスが村にいるのは居心地的にねってことで、俺らはある提案をした。


そんで今は夜。


止まらせてくれた平屋にみんなが集まってるところ。


「ウチも王都に?」


目を丸くしながら、パルスが疑問を投げかけてくる。


「ああ、あそこなら魔王の手も出しづらいだろうし、それにもともとの俺らの任務があるからね」

「あ!そういえばそうでしたね!忘れてました!」

「ニナも忘れてたのです」


そうだ。


元々俺らは、賢者の石を解析できる錬金術師を探すためにここまで来たんだよね。


なら、賢者の石を作った張本人のパルスが、それに携わった方がいいだろうってこと。


「・・・うん、そうだね。ウチ、王都に行きたい」

「なら、俺も行こう」


パルスの決意に同調して、シーンが割って入る。


「お兄ちゃん、村はいいの?」

「ああ、ここにはワン太郎もいるし、それに俺が放ったキメラも村の周りに配置しているから、魔物が下手に手出しすることはないだろう」


ワン太郎すげえな。


あの犬そんなに強いのか・・・


確かに、30人弱の人間をこの村まで引っ張ってったもんな、あり得ねえよ。


「それに」


シーンはパルスの頭を撫で、優しい顔をする。


「パルスの傍にずっといると、約束したからな」

「・・・!お兄ちゃん!!」


三度抱擁。


いや、これもうシスコンだろ。


色々な事情が混ざり合って、もはや拗らせてるよ。


「だぐやざぁん!!」

「ゔぁぁあ!!!」

「もういいよそれ・・・」


あ、そういえば。


「パルスに聞きたいことあるんだけど」

「なに?」


熱い抱擁をやめ、俺に向き直る。


「魔王の事って、どれくらい知ってる?」

「うーん・・・」


なんか、あんまり分かって無さそうなんだけど・・・


「正直、幹部って言っても一番知ってるのは、あのジジイなんだよね」

「ジジイって言ったら・・・マイフか」

「そうそう。ウチらって基本、魔王の指示をマイフに伝達して、マイフがみんなに言うから、そこまで詳しくないんだよ」


そうなのか。


確かに、キーパーソンはマイフって感じだったしな。


意味深なことも言ってたし。


「でも、魔王が完全に復活しそうなのは本当だし、なんとなくだけど魔王がやりたいことは分かるよ?」

「ほんと?魔王は何がしたいんだ?世界征服か?」


するとパルスは「んー」と顎に指を当てて、考えるように言う。


「なんだっけなあ。確か、『時空の超越』?だったかな?」


・・・はい?何言ってんだ?


時空ってのが世界よりも大きいレベルってことは分かるけど、それを支配?


うーん、分からん。


「ふむ、なるほどな」

「なにがなのですか?」


何か納得したような素振りを見せるシーンに、ニナはなんとなく質問する。


「聞いたことがある程度の話だが、世界というのは複数存在する。この『バレスク』以外の世界がな」

「・・・もしかして、たくやさんの世界も関係が?」

「たくやの世界・・?」


アンジェの言わんことは分かる。


神が言っていた事。


俺と英雄ゆうた、もとい俺の父親がいた元いた世界の事だね。


「俺と英雄ゆうた・・・まあ俺の父親は、もともとこの世界の人間じゃないんだ」

「な!英雄ゆうただと!?それにお前の父親だったのか・・・。だが待て、英雄ゆうたの時代とお前の年齢を計算すると、80くらいの子供にならないか?」

「ああ、なんかあっちの世界とこっちの世界で時間の流れが違うらしいよ。詳しくはカクカクシカジカ」


俺の説明を聞いて、シーンとパルスは驚きの表情を浮かべるも、すぐに理解して話に戻る。


「あとね、本当かどうかは分からないんだけど、魔王ってこの世界で生まれた訳じゃないって、マイフが言ってた気がする」

「うん?じゃあ、魔王ってどこで生まれたの?」

「それは分かんないよ。ウチ、そこまでマイフと仲良くないし。というか、マイフ自身がそこまで他の人と話さないから」


ミュラの質問は分からずじまいかぁ。


・・・確かに、魔王ってどこで生まれたんだ?


この世界で誕生したわけじゃないってことは、どこから・・・


「時空を超越って、なんだか神様みたいだよねー」

「確かにそうですね!だって、神様が別の世界からたくやさん、ゆうたさんをこの世界に連れてきたんですし」


神・・・


魔王が神、ねえ。


あれなんかこの響きどこかで


『我は魔神になるのだ!』

『我は・・・魔王を・・・』


あれって確か、カテジナヤが悪魔に乗っ取られた時だよな?


あの悪魔、人を殺したのと、神殿の魔力を吸い取って・・・


俺の中で、妄想に近いある仮説が立つ。


「魔王って・・・もしかして悪魔?」

「たくやさん?悪魔って、あのベルフェクト・・・でしたっけ?」

「うん。あいつ確か、魔王とか魔神とか言ってたよな?さっきアンジェ達が神様って言ってたよな?悪魔がカテジナヤを使って何をしたかったのかは分からないんだけど、もしかしたら、悪魔は魔力を吸収すると魔王になるんじゃない?」


俺の突拍子もない話に、一同は困惑する。


その中でシーンだけが真面目に俺の説明に指摘をする。


「その話は流石に飛躍しすぎではないか?確かに悪魔の存在は聞いたことがある。人間の願いを聞き入れる代わりに、代価を要求する存在だと」

「だから、俺の妄想どまりだよ。前に悪魔と会ったことがあるんだけど、そいつは女の子に取り付いて、大量殺人と魔力吸収をしていたんだ。でも、願いは聞き入れられることはなかった。そして奴は、『魔神になる』とか『魔王』って単語を口にしてた。悪魔から、都合よくそんな言葉出てくるかな?」

「偶然にしては、都合が良すぎるな」


そこに「はいはーい!」とニナが元気よく手をあげる。


「難しいことは分からないのです。つまり、悪魔は魔王になって、魔王は魔神になるのですか?」


簡単に言うとそうなるな。


もー、こういう時に神が来てくれないもんなのかなあ。


「でも、そんな簡単に魔神になれるのでしょうか?時空を超越する存在が『神』だと仮定して、魔王にそれが出来るなんて・・・」


・・・いや、待てよ?


大会の時に言ってたマイフの言葉。


『全てがそろった時が潮時』


そして、それに必要だったのが、転移結晶と龍眼玉。


ロビ曰く


『これとあるものを掛け合わせることで、別の世界に行けるってこと!』


もしかして


「あるじゃん、時空を超越する方法」

「え?そんなことあるの?」


きょとんとした目でミュラが聞いてくる。


「ああ、そもそも俺達とミュラの出会いは、『龍眼玉』を探してた時に出会った。そして、『龍眼玉』と『転移結晶』の掛け合わせによって、ロビは『別の世界に行ける』って言ってた。そして、大会の時にマイフが、『全てがそろった時が潮時』って言葉。すべてって言葉を素直に受け取るなら、2つ以外にもまだ必要なものがあるって

事だよな?」

「じゃあ、何かが全部が揃ったら、別世界に行けるってことだよね?」

「そうだね。まさに『時空の超越』ってことになる」


整理すると


悪魔が魔王になる条件は、殺人と魔力。


魔王が完全に復活する条件は、莫大な魔力だと仮定すると、魔王の配下が行っていた事は魔力の吸収。


これは、花の町でトリシューラが行っていたことと合致する。


そして、マイフが探している物。


転移結晶と龍眼玉とその他諸々。


違う世界に行けるというロビの言葉


全てが揃った時が潮時って言葉


つまり


元悪魔である魔王の現在の目的は、莫大な魔力を吸収し、世界を渡る為のキーパーツを手に入れ、時空を超越する存在、『魔神』になるってこと。


じゃあ俺達がやることは


幹部を倒して魔王城の結界を解除に加えて、魔王たちよりも先に、キーパーツを見つけ出す。


とりあえず、これでやってみようかな。


仮説だけどね。


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