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200話 魔法が使えない俺と賢者の石?

借金改竄天国の件から3日経った。


ゴーレムとの戦闘後、騎士団の迎えが来るまで町の様子を見て回ったところ、やはり人々は混乱している様子だった。


町の人たちは、改竄中の記憶も覚えていたわけで、それも相まって、今の自分と今までの自分との乖離によって、自我が若干不安定になってた感じ?


それってのは、改竄期間が長い程顕著に出てて、ちょっとやばいねってことで騎士団の医療班?が派遣されて、どうやら精神干渉の魔法による治療が必須とのこと。


んで、それが今でも続いてるってわけ。


大変だよなあ。



それはそれとして、ジーマとシウは今騎士団の監視下に置かれつつ、騎士が色々と事情聴取?されてるらしいよ。


特にシウに関しては、俺らとの戦闘中で見た体の再生力に興味関心が移って、話を聞きつつシウの身体を検査してるみたい。


その検査結果ってのが分かったってことで、俺、ニナ、アンジェ、ミュラの4人で騎士団に赴いたところだね。


騎士団の本部に地下があって、地下に進んでいくと検査場があった。


そこはまあ、色んなものを研究したり、検査したりするところみたいで、例えば今なら魔力増強石の解析をしたりかな?


その一室に研究部長ロビの研究施設があって、俺達はそこに通されたところ。


あ、因みにミシアはギルドで仕事中ね。


部屋に入ると、色々とものが散乱してる中、真ん中には二人の白衣を着た女が立ってた。


「お前ら!よく来たね!!」

「おー、邪龍の時以来じゃん。てっきり、転移結晶の研究だけやってると思ってたよ」

「本当はそうしたいんだけど、今回はフィラがガチで怖かったから・・・ロビは、フィラのガチギレだけは逆らえないんだよね・・・」


結構な怯えようで理由を話すロビ。


前の時はうるさいガキみてえな大人だったのに、騎士団長がマジになるとこうなるんだね。


どうやら、フィラが無理やりロビに研究をさせたらしい。


んまあ、魔物でもないのに肉体がぐっちゃぐちゃになっても再生するんだから、今後の医療の発展的には必要なんだろうね。


知らんけど。


「・・・みんな、元気?」

「あ!ティニーさん!いらっしゃったんですね!

「元気なのですー!」

「前と比べて元気そうだね~!」


女性陣がティニーの元へと駆け寄る。


ティニーは今、王都騎士の研究部に所属してるっぽくて、ロビとの仲は良好とのこと。


「・・・研究、楽しい」

「この子筋が良くてねー!!マジで他の団員よりすごい!!ほんとに助かるんだよー!副部長に任命してあげる!!」

「・・・他の人も、すごい」


ロビがティニーの背後に回って、両肩に手を置いて彼女の自慢をする。


なんだか、ティニーは報われて良かったなあと感じるね。


あぁ、そういえば、シウの検査結果の話だっけ?


「話の腰を折って悪いけど、シウの検査結果が出たって?」

「シウさん?ってたくやさん達が戦った、人を変えられる魔法を使える人でしたよね?・・・二日酔いで同行で来ませんでしたけど・・・」

「もう、お酒やめる・・・」


早々に前回の反省を始めるアンジェとミュラ。


未だに引きずるって、余程辛かったんだなぁ。


「人間改竄なのです!あと、超再生するのです!」

「身体が肉片になっても再生してたしね・・・」


俺らで少し盛り上がる中、ロビが「コホン」とわざとらしく咳ばらいをして、脱線から修正をする。


「そう、肉体再生能力?についても興味深いし、これで魔法配下の権能、だっけ?これについても何か分かるんじゃないかと思ってね」

「・・・私も、元幹部。・・・興味ある」


ロビは「それでね」と話を続けようとする傍ら、白衣のポケットから掌サイズのガラスビン?を取り出して、俺達に見せびらかす。


・・・なんか、中に入ってんぞ?


「この赤いのなんですか?石、ですか?」

「石というか、宝石というか、ガラスというか、なんだろうねー?」


ロビが取り出したガラス瓶に興味深々な様子のアンジェとミュラ。


その赤い石っぽいのは、大体親指サイズくらいの大きさで、少しだけ透明感があるものの、何かが中でうごめいてるような感じだね。


「・・・これ、『賢者の石』」

「何それ?すげえやつなの?」


初めて聞いた石の名前だな。


賢者っていうのも意味わからんし。


「すごいなんてものじゃないよ。これはある意味、人間の悲願ってところだね」

「・・・人間にはまだ早い」


なんだよもったいぶったような説明してさぁ。


もっとパパっと説明して欲しいんだけど。


でも俺らの中で唯一、アンジェだけはそれを知ってるっぽい。


「本で読んだことあります。賢者の石は、確か『不老不死』の力を手に入れるためのものですよね?」

「ふろーふし、なのですか?」

「え!それやばくない!?死なないってことでしょー!?」


アンジェの説明を聞いて、ちんぷんかんぷんなニナと驚くミュラ。


俺も少しは驚いてるんだけど、なんか妙に納得しちゃうんだよね。


『不老不死』じゃないと、あれだけめちゃくちゃになった身体が、元に戻るはずないしね。


・・・ということは、シウからその賢者の石を取り出したってこと?


どうやって?って想像したら、うわー気分悪くなってきた。


「変な事考えてるっぽいけど、別にロビ達、解剖とかしてないからね?」

「・・・口から出てきた」

「口からって?わけわかんねぇな」

「ロビ達だって分からなかったけど、研究してくとどうもこれが、完全な賢者の石じゃないっぽくて、それと因果関係があるんじゃないかって話なの」


完全じゃない?ますます意味が分からんぞ?


その石を取り込んだら不老不死になるけど、その石が不完全だから口から吐き出したって?


意味わからんぞ。


「つまり、その賢者の石は偽物、もしくは何かが足りない欠陥品ってことですか?」


アンジェの疑問に、「そのとーり!」とロビは彼女に向かって指をさす。


「本物の賢者の石は、身体と完全に同化するって言われてるわけ。そんなもんが、口から出てくるなんて、意味わからないでしょ?」

「・・・拒絶反応」

「そもそも、賢者の石ってのは、『錬金術師』たちの最終課題って言われてる、空想上の物質なんだから、そんなもんがポンと出てくるなんて、納得できないでしょ」

「・・・専門じゃないから、分からない」


じゃあ、賢者の石とやらは未だに作ることが出来ない、オーパーツってことか?


それに錬金術師ってなんだ?


「『錬金術』ってなんなのですか?」

「あーそこからね。錬金術ってのは色々あるんだけど、例えば、リンゴをミカンにするとか、何もないところから『金』を作り出すとか、そんなありえないを研究することね。それを突き詰めてくと、不老不死にたどり着くらしいよ。で、その不老不死の為に必要となる物質が賢者の石ってわけ」

「・・・なんでもあり」


へーそういうもんなんだ。


それにしても、金を作り出すってすごくね?そんなこと出来たら、一生困らないじゃん。


あ、そういう事か。


錬金術師が何故、不老不死になりたいのか。


彼らは金を作るための研究に人生を費やすわけで、その研究期間を延ばしたいってなった結果、死ぬことを先延ばしにすれば、研究をい沢山出来るねって、そういうことか。


「それじゃあ、賢者の石が見つかったってなったら、大問題じゃないか?」

「大問題どころじゃない、世界が変わるレベル。でも、これが賢者の石だって確定できないわけよ」

「ロビ達でも分からないのか?」

「そりゃ、専門分野が違うし、そもそも、現状錬金術師なんてほとんどいないし」


そうなの?錬金術師ってそんなになる人少ないんだ。


金欲しさに、割とみんなやるもんだと思ってたけど。


「じゃあ、専門の人がいないとなったら、賢者の石かどうか判断できませんね」

「ってことで、あんたらを呼んだんだよ!」


アンジェの言葉に、にやっと口角をあげるロビ。


ん、あれ?


え・・・俺らを呼んだ理由って、まさか・・・


「ロビの為に、錬金術師を探してきて!」



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