別れを告げる春の声
「だから後はこっちの問題だ」
師匠さんが締めくくる。
「なら、見習いさんならともかく、私を巻き込んだならそこをつけば――」
「それもひとつのやり方ではある」
師匠さんは言葉を重ねて、少し間をおいてから話す
「そのやり方だと、やり返されることもある。だから正規の手順を踏む予定だ」
「相手がやったからってこっちもやると、いたちごっこになっちゃうからね」
師匠さんから考えが浅い、とか言われそうな雰囲気がした。
「わかりました。よろしくお願いします」
頭を下げて頼み込む。奥から動物の鳴き声がして、この場は解散した。
そのまま時間は流れた。
学年末の試験も何とか終わる。
「べき」の「しなければ」の考えも、考え方として受け入れることにした。
(師匠さんたちに感謝だね)
ついでに長老さんも、と考えていたら、パッキーちゃんが先生と教壇に立つ。
「パッキーちゃん引っ越すの!?」
「うん。いったん帰ることになったんだ」
コリスちゃんが真っ先に質問し、パッキーちゃんが答える。
「終了式の日に出発なんだ。でもまた帰ってくるから、また会おうね!」
パッキーちゃんが声を張り上げて話す。
「なら、せめてお別れ会やろうよ」
みんなが黙っていた中で提案してみると、場の空気が元に戻る。
終了式の前日にお別れ会を行い、終わった後にパッキーちゃんにこっそり話す。
「やっぱり魔法の世界に帰っちゃうの?」
「うん。ユカリちゃんを知っている人の意見が聞きたいんだって」
レイさんや師匠さんたちも呼ばれていると、教えてくれた。
涙をこらえて小指を絡め、指切りをして再会の約束をする。
(そうだ。魔法の本とブレスレット、返しておこう)
どうやって返そうか、考えていると買い物を頼まれた。




