流れる時間と約束と
(今日はサワラの西京焼きか。その前はカマスでその前はブリ……)
パッキーちゃんとアユの話をして以来、魚を食べることにした。
いつか一緒にアユを食べに行きたいなと思っていると、目の前に蝶が舞う。
(こんな時間に?)
その蝶がどうしても気になり追いかけると、パッキーちゃんたちの姿が見えた。
お互いに名前を呼びあったあと、リュックからブレスレットと本を取り出す。
「これ、お返しします。ありがとうございました」
顔を見るのがつらくて、うつむいたまま話す。
「ブレスレットは持っておけ。また会う理由になる」
「……そうですね、そう、します」
「ビーズだけは回収する。万が一魔法が発動したら大変だからな」
パッキーちゃんの師匠さんが言うと、パッキーちゃんが私の近くに来る。
「魔法の世界に最初に来る人はユカリさんを推しておきますよ」
レイさんの師匠さんも話しかけてくれる中、パッキーちゃんは作業を行う。
泣きそうになるのを我慢し、少し会話をしてから、またねと手を振った。
二年生になって、コリスちゃんと歩く。
「いつもパッキーちゃんがいたから、なんだかさみしいね。」
また来るからとパッキーちゃんは連絡先は内緒にしていた。
「どこに行ったんだろうね?住所ぐらい教えてくれてもよかったのに」
コリスちゃんが心底心配したように話す。
「あのね、実はね……」
パッキーちゃんが魔法の世界から来たことを打ち明ける。
ビーズを抜くときにコリスちゃんには話していいよと言われていたことも話す。
「そっか。前にパッキーちゃんが話した国ってどこ?だったから納得できたよ」
コリスちゃんも考えていたらしく、腑に落ちた表情を見せる。
「だったらなおさら帰ってきてくれるといいね。私も行ってみたいもん」
時間が流れる。新入生の説明も盆踊りも発表会の約束も流されていった。
(パッキーちゃんはいつ帰ってくるんだろう)
一人道を歩いていると、後ろから視線を感じ、振り向く。
塀の上に青みがかかったグレーで黄色い目をしたネコがいて、一声鳴いた。




