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第四十三話


「マリー。お前が王と成り、民を導くのだ。」


俺は、この戦いが終わった時、何となくそうなる気がしていた。

王位継承権1位から7位まで全て殺され、残っているのは継承権1位のバージル王子と、第2位のマリーちゃんしかいない。

バージル王子が処刑されるとなると、王位が最も近いのはマリーちゃん、ということになる。


マリーちゃんが何歳かは知らないが、国王...ではなく、女王を継ぐには歳が若すぎる気がする。

この世界の平均寿命が地球より短くて早熟だったとしても、現国王の父親と、唯一の兄弟である兄を失った後、果たして王としての責務を果たせるのだろうか?王としての激務に耐え切れるだろうか?


...厳しい行軍にもついていけるほど、王女としては荒事に慣れているマリーちゃんだが、政務はまた違ったキツさがあるだろう。

俺は、肉親を2人失ってできるとは、到底思えなかった。

...なんとか国王とバージル王子を生かせてあげたい。


.........。

少しの沈黙の後、国王の言葉にマリーちゃんが返す。


「わかりました、お父様。必ずやり遂げて見せます。」

「...ふふ、少し前まで城でダラダラしていたお前が、今は見違えるようだ。いい顔をする様になった。」


!!...。

どうやら俺が思っているよりも、マリーちゃんは覚悟ができていたようだ。

勝手に心配していたのが恥ずかしい。

マリーちゃんの成長を感じたのだろう、国王、王妃、王子や、ずっと付き従ってきた、カズラ氏やメイドさんも涙ぐむ。

年下の女の子と思っていたけど、もう立派な大人になっていたんだな。


そして王位継承の話が終わり、戦後処理や、各方面への報償の話に移り変わっていき、夜が更けていった。


ーーー


結局、話し合いが終わったのは、あれから6日後の夜だった。

これでもかなり急いで決めたらしい。

というのも、急いで決めたのは理由があり、マリーちゃんの戴冠式を早急に行わなければならなかったからだ。

すぐに次の王様を決めないと、国民の不信感が高まるらしい。まあそれは前世でもそうだったからしょうがないか。


しっかし、あの結婚結婚言ってたマリーちゃんが王様かー。

なんか実感湧かないなぁ。


...あ!!

もしかして護衛契約の時に、俺が結婚断ってなかったら俺が国王だったのか!?うわー、なんか損した気分!

いや、実際なる気はないんだけど、逃した魚は大きかったなぁって。ちょっと惜しかったかな?


お、その逃した魚が目の前に来なすった。


「魔人様。改めて、ここまで護衛してくださりありがとうございました。あなたがいなければガーデン王国という国は地図から消えていたわ。」

「とんでもない。あなたが諦めなかったからですよ。ここまでよく頑張りましたねマリーさん。...いえ、マリー王女と言った方がいいですね。」

「ま、魔人様は特別よ。よ、呼び捨てでもいいわよ!」

「はは、流石に不敬でしょう。マリー王女が許しても、周りが許してくれませんよ。」

「フン!魔人様?妾が誰だか知らないの?ガーデン王国の女王、マリー・ゴールドよ。

妾が許したのだから、誰にも文句は言わせないわ!」

「えー...善処します。」

「ふふっ、そうして頂戴。」


俺の返答を聞いてマリーちゃんは満足そうに笑顔を見せた。


戴冠前から権力を存分に振るっておられる。こりゃ将来大物間違いなしだな。

...安心して国王と王子もあの世へ旅立てるってもんだ。


......そう。

国王と王子の処遇は結局、王都広場での公開処刑と決まった。

これがマリーちゃんの、戴冠式後の初仕事だ。

新女王が、王国を危機に陥れた大罪人2人を処断する。

国民へ対する、この上ないアピールになるだろう。


だからだろうか、今のマリーちゃんの明るく振舞っている姿が、どこか痛々しい。

無理矢理笑顔を作って、冗談を言ってるように見えてしまう。

無理をしてないか相談に乗れればいいんだけど。


「魔人様?1つ聞きたいことと、相談したいことがあるのですが...。」


真剣な顔になったマリーちゃんが俺に聞く。

聞きたいと思っていたら、早速相談がきた。全力でサポートせねば。


「何でしょうか?」

「あの...魔人様の、お、お名前を聞いてもいいですか?」


...あれ?言ってなかったっけ?

あー、でも確かにマリーちゃん一行から、「魔人様」としか呼ばれてこなかったわ。しまったしまった。


でも何でこのタイミングに聞くんだろう?カムルチーと同じ魔人だから、呼び分けしやすくする為かな?


「ああ、すみません。すっかり伝え忘れていました。

私の名前はバブー。魔人バブーです。」

「バブー様...。ば、バブーと呼び捨てにしてもいいかしら!?女王である私を呼び捨てにするのだから、別にいいわよね!?」

「か、かまいませんが...」


なんか凄い早口で捲し立てられて、思わずオッケーしてしまった。いや普通に聞かれても承諾したけどね?しかもまだマリーちゃんを呼び捨てにするって決めてないんだけど。善処するだけなんだけど。


「で、では.........ば、ばばばばば、バブゥー?❤︎」

「はい。なんでしょう?」


なんか凄く甘ったるい感じで俺の名前を呼んでくるな...。


「そ、相談したいことについてなんだけれど...」


マリーちゃんから受けた相談を聞いてる内に、頬が吊り上がる。




やっぱり大物になるよ、マリーちゃんは。

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