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第三十八話


おやすみ。

そう言うとマリーちゃんは席を立ち、梯子を降って去っていった。


......マリーちゃんは大変なモノを盗んでいきました。

俺のファーストキスと心です!


うわあああああ!異性として見てないって言われたのに、そんなことされたら童貞は勘違いしてしまうねん!

惚れてまうやろォーー!!


いや落ち着け、心を落ち着かせろ!ヒッヒッフー、ヒッヒッフー




...多少は落ち着いたかな。


俺は彼女いない歴イコール年齢の童貞だ。勘違いするな。

可愛い女の子が、ましてや王女様が俺を好きになるなんぞ有り得ない。

現実を見るんだ。

あのキスは、あくまでも異性として見ていないキス。

前世で言うヨーロッパのような、挨拶がキスみたいな感じだろう。自惚れるな。俺は非モテ野郎だ。


.........よし、自己否定完了。

こうでもしないと、コンビニで女の子が、お釣りを渡す時に手を添えてくれただけで好きになってしまうからな。

危ない危ない、てっきりマリーちゃんが俺を好きかと勘違いするところだったぜ。


...でも普通好きでもない奴の唇にキスするか?よくてほっぺや、おでこだろ?

しかもヨーロッパでのキスの挨拶って、キスの音だけで、実際は触れてないこともあるらしいし...。


......、

うおおお自己否定ぇぇぇえぇえ!!

万が一を考えるな俺ぇ!!俺は童貞だああああ!!




結局考えが無限ループして寝れませんでした。


ーーー


朝日が眩しい。

マリーちゃんが俺に気があるかどうかを考えていたら朝が来てしまった。

不味い、今日がバージル第三王子との決戦になるかもしれないのに、こんな浮ついた心じゃ勝てる戦も勝てない。

気を引き締めていかないと。


俺は結構気持ちの切り替えは得意だ。社会人を経験してたら分かると思うけど、いつも出勤前と出勤後で、一瞬で切り替わるからな!

もうマリーちゃんのことなど頭から消え去り、冷徹な敵兵殺戮マシーンへと切り替わったのだ!


そんなことを考えつつ、監視台の梯子を降りて、皆んなが集まる部屋に合流する。


「お、おはよう魔人様!私達の勝利が約束されたかのようないい天気ね!」


はわわわ!ま、マリーちゃん!!

くそっ、やっぱり気持ちが切り替わってねぇ!目を見て喋れねええええ!!


「お、おはようございますマリーさん。上手くいくといいですね。」

「そ、そうね!」


何とか返事をしたが、今の俺とマリーちゃんのぎこちないやり取りに、他のメンバーは疑問を覚えたようだ。

何事かと、マリーちゃんお付きのメイドがこっそり事情を聞きにいっている。そしてメイドが顔を赤くして俺とマリーちゃんを交互に見た。

情報を拡散するの、止めてくださせぇ、羞恥心で死にそうでっせ...。

ジョアンナ伯爵にキスのことが知られたら更に面倒くさくなりそうだな...。


「皆、集まっているな。では今から行う、王都ならびに王城奪還作戦について大まかな説明をする。分からぬことや、疑問があったらすぐに言ってほしい。

皆が勝利へと向かっていくのに、情報の伝達ミスや、認識の違いで負けたら死んでも死にきれぬからな。」


おっと、トゥーメト公爵が今からの段取りを説明している。

流石に切り替えないと。


そしてジョアンナ伯爵やメークイン男爵などの、後からマリーちゃん派閥本隊に合流した貴族達が、指揮系統や行軍時のことなどを軽く質問し終わった後に、

遂にニオン砦を立つことになった。


ーーー


あれからしばらくしてニオン砦から出発した俺達は、砦から2〜3時間ほど王都方面に進んだ地点にいた。

もう後1時間ほど進むと、王城である、ガーデン城が見えてくるらしい。

この世界の城なんて初めて見るからちょっと楽しみだな。


俺は行軍している軍の、ほぼ一番先頭の部隊に配置された。

理由は言わずもがな、また魔人やドラゴンなどの超戦力が攻めてきた場合の防波堤だろう。

因みにアースドラゴンと、カムルチーはこの行軍には参加していない。トゥーメト公爵に許可をもらった、俺の思いつき作戦を昨日の夜から別動隊として実行中である。

ちゃんとできるかどうか不安だ。

カムルチーは「任せてくださいにゃ!」とか言ってたけど心配しかない。


「恐らくこの辺りで、敵軍の妨害がくるはずです。気をつけてください。」

「分かりました。」


俺がいる部隊の、男の副官に注意を促される。

今俺達が進軍に使ってる街道の両側に林がある。俺達を奇襲するにはもってこいの場所だ。

と、思っていたら、予想を違えず奇襲がきた!

どこにこんなに隠れていたのか、凄い人数に左右の林から敵兵が大声を上げながら湧き出て挟撃される!味方は少し混乱して慌てているようだ。


「落ち着け!奇襲されただけで怯むな!左右を固め、強引に前進して突破しろ!」


部隊長の叱咤が辺りで飛ぶ。味方兵士も冷静さを取り戻したようだ。


俺も投石で援護しようと思った矢先、挟撃を前進することで回避しようとしたマリー派閥軍の進行方向に、一人の女性が立っていた。

何だあれ?轢かれて死ぬぞ。


「あれは!」

「知っている人ですか?」


驚いている副官に尋ねる。

どうやら王国でも有名人の帝国民らしいな。嫌な予感。


「あれは...《魔人嬲りの勇者、イオ》です!」



うわあ、勇者とは...。

とんでもない大物出が出てきた。面倒になりそう。


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