第三十六話
本日二話目の投稿です。
小説書くの楽しすぎて、最近apexのランクに行けてません
ニオン砦に近づくと、すでに、包囲していた敵軍は散り散りに逃げた後だった。
やっぱりドラゴンってつえー。もう王都にコイツ突っ込ませたら勝てるんじゃね?
「魔人様っ!!」
「うわっ!」
マリーちゃんが俺に飛び込んで抱きついてきた。
味方軍から了解を得ずに走って来たのか、カズラとメイドのセリが慌ててこちらに走って来ている。
「ご無事で、魔人様が無事でよがっだぁ...」
「はは...何とかなりました。心配お掛けしてすみません。」
「うう...、うえぇーん。」
涙と鼻水が服につくが、俺を心配してくれて泣いてるんだ。何も言うまい。
「魔人様。無事で何よりです。」
「お怪我はありませんか?...あら?腕が...」
「ええ大丈夫です。なんともないですよ。」
カズラ氏とセリさんの他に、メークイン男爵とジョアンナ伯爵も追いついた。
皆んな俺の腕をしきりに気にしている。戦闘前に不意打ちで腕吹き飛ばされたもんなぁ。もう再生したから大丈夫と伝えると、流石魔人...と驚かれてしまった。
フハハ、キャロットちゃんが来なければ両手両足が無かったのは内緒だ!
というのもマリーちゃん達も、アースドラゴンが救援に来るまでは劣勢だった為、俺の戦いを見てる余裕は無かったらしい。何か遠くで雷が落ちてたぐらいしか知らないようだ。
だからキャロットちゃんが来たのも知らないし、俺が絶対絶命だったのも知らない。
「あ、あの...魔人様の横にいらっしゃる方は?」
カズラ氏が俺に尋ねる。
いらっしゃる、とか言ってる時点で正体分かってるじゃん。
まあカムルチーも人化の魔法使ってないし、隠す気もないから分かるのは当たり前なんだけど。
「ああ、紹介し遅れました。《雷電の魔人、カムルチー》です。」
「下等な人間ども、魔人様の御前にゃ。全員跪くにゃ、ん゛ッ!?」
そうだった。魔人は基本的に人間を見下してるんだった。
慌ててカムルチーをシバき、内緒話の為に、耳に口を近付けて話す。
「カムルチー、私はこの人達と仲がいいんです。
無闇に高圧的になるのはやめてください。」
「...ご主人様がそう言うなら仕方ないにゃあ...」
分かってもらえたかな?
今まで下に見ていた種族と、対等に付き合ってくれ、だなんて難しいのは分かってるが、やってもらわないと困る。
時間が経つにつれて慣れてくれればいいな。
ん?誰かがニオン砦から近づいて来た。
「貴殿が今回協力してくださった魔人様であるか?
私はトゥーメトと言う。ご助力、感謝致す。」
「公爵!こちらまで来られては危険です!」
「砦にお戻り下さい!」
この人がマリーちゃん派本隊を率いて戦ったトゥーメト公爵か。
ジョアンナ伯爵とメークイン男爵が必死に止めてるが、「魔人様の庇護にあるのだ。ここが一番安全だろう?」の一言で黙ってしまった。ここでヨイショしてくるとは...この男、デキる!
トゥーメト公爵は男性の公爵で、ちょっと太ってるが、眼光の鋭い人だ。
そして帝国軍に囲まれても、兵糧攻めされても味方を全滅させなかった凄い人。オーラが違うねオーラが。
公爵だけど昔は軍とか率いてたのかな?
「いえ、お気になさらず。マリーさんとの契約ですので。」
「ほう、契約ですか...」
今更ながら俺、公爵にこんな口調で喋ってるけどいいんかな?もっとへり下って喋った方がいいのか?
いやマリーちゃん、王族だったわ。...じゃあそのままでいいか。俺って魔人様だしな!
トゥーメト公爵が契約の内容を知りたそうにしていたので話す。美味しいご飯のレシピと、家をもらうって約束で王都まで護衛するってだけっスよ。何もやましいことなんか無いッス。...結婚?うっ、と、トラウマが...。
マリーちゃんに言われた、異性として見てない宣言のトラウマの、フラッシュバックに襲われていると、公爵が少し考えた後に、口を開いた。
「マリー王女様、契約の難度に比べて報酬が些か少なすぎる気がしますが...」
「大丈夫よ。妾に考えがあるわ!」
「そうですか?...王族が褒美を出し惜しみしては、他の貴族に示しがつきませんぞ?」
「平気よ。とびっきりのを用意するわ!」
泣き止んで、恥ずかしいのか顔を赤らめたマリーちゃんが俺から離れ元気に喋る。誰もマリーちゃんが俺に抱きついていたことに突っ込まないのはナンデ?
...ま、いいか。
なんかトゥーメト公爵って、マリーちゃんに対しては心配症のおじいちゃんって感じだな。
それに公爵って確か王族の血縁しかなれないって聞くし、本当に孫とかだったりして。
そしてマリーちゃんの報酬が恐ろしい。なんだよとびっきりの褒美って。家とレシピだけでいいよ。たまにマリーちゃんって突拍子のないことするから怖いんだよなあ。キスとか、あーんとか。
「ジョアンナ伯爵、メークイン男爵も合流できましたし、これでかなりの戦力が揃いましたな。」
「ええ。今が王都攻めの好機かと。」
「私もそう愚考します。」
「...しかし帝国軍が王都に入り込みすぎました。
王城を制圧して取り戻しても、また直ぐに取り囲まれますぞ。」
「む...」
「ううむ...」
皆んな頭を悩ませてる。
確かにそうだろうな。拠点とっても周りが敵だらけじゃ直ぐに落とされてしまう。
でも魔人がいたら何とかなるんじゃね?
...いやでも王城囲まれる度に俺が出勤してたらいつまで経っても契約終わらんな。
うーん...
あ!
いいこと思いついたぞ。
ちょっと公爵達に聞いてみよう。
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