第十七話
結婚!?......結婚。結婚!?
「マリー様!それは如何なものかと...。」
「何よ!あなた達は今のこの状況が変えれるっていうの!?どうせいつかは追いつかれて殺されるわ!」
向こうも揉めてる。そりゃそうだ。いきなり自分の使える主人が野良の魔人に結婚宣言だ。
しかし俺にメリットないなとは思ったけど、マリーちゃんそこまで身銭切る?
30歳の好きでもないオッサンに、自分の人生を捧げてでも自分の身内を守ろうとするとは。な、何という漢気。
某、感服致した!
......年下の女の子にここまで言われちゃなあ。俺も期待に応えてあげたい。さすがに可哀想だから結婚は遠慮させてもらうけど!
「マリーさん、でしたか?あなたの心意気に打たれました。私のできる範囲であなた達をお守りします。あ、結婚は別にしなくても大丈夫ですよ。」
...あれ、なんかマリーちゃん残念そう?こんなオッサンと結婚したい訳ないよな。気のせいか。
本当は結婚滅茶苦茶したかったな。あっいや、キャロットちゃん!これは違うんです!浮気ではないんです!私はキャロットちゃん一筋で...
「それはありがたいことですが......魔人様が私達を襲うことはありませんか?」
「ちょっと失礼よ!カズラ!」
イケメン騎士が俺に尋ね、マリーちゃんが怒った。
「いいんですよマリーさん。私を疑うのはあなたの護衛としての立場だったら当然です。カズラさんは何も悪くありません。ですがマリーさんも怒ってくださり、ありがとうございます。」
「魔人様。ご配慮、痛み入ります。」
まあこれはしょうがないことだと思う。自分の主人に何かあったらと考えて無礼を知って行動するのは忠義が厚い証拠だ。むしろ好感度アップだね。
「実は私はーー」
信用を得るために、記憶がなくて通常の魔人のような凶暴性がないことを伝えてみた。納得はしてなさそうだが、理解はしてくれたようだ。
「他に何か欲しい物はありますか?」
とイケメン騎士。物を対価にして俺への抑止力にしようとしてる気がする。まあ乗ってあげよう。それであっちが納得してくれるなら。
「そうですね...。美味しいご飯のレシピの他だと、家が欲しいですね。」
「家、ですか。」
あれ!?なんか凄い苦い顔をされた。貴族っぽいからお金持ってそうだと思ったけど。
キャロットちゃんに似合う家が欲しかっただけなのに!
魔人の怪力で家を担いで持って、キャロットちゃんの縄張りに戻るんだ。そしたらキャロットちゃんが洞窟から俺を出迎えてくれて驚く。
「ば、バブー。どうしたの?この素敵な家。」
「フッ。君へのプレゼントさ。無骨な洞窟は君に似合わない。家の中には美味しいご飯も準備してある。さあ俺たちの将来について語り合いながらディナーといこうじゃないか。」
「ステキ!抱いて!」
あ、ヤバい。家凄い欲しくなってきた。
いいじゃんいいじゃん!結婚諦めるんだから貰ってもいいじゃん!そんな嫌そうな顔しないでさあ!倒した敵の家でもいいからさあ!お願いします!お願いしますぅ!!
「家くらいいいじゃない。私達は今から命を助けてもらうのよ?そのくらい叶えなければゴールド王家の名が廃るわ。」
「確かにそうですが...。分かりました。約束いたしましょう。助けてもらったあげく、これ以上恥を重ねるのは家名に傷がつきますな。」
......王家?ちょっと待って。貴族とは思ったけど王族とは聞いてない!絶対面倒じゃんこれ!追われてた原因、貴族のお家騒動かと思ってたら、もっと問題ありそうな感じなんですけど!
うわーどうしよう!「えへへ、やっぱり面倒くさいんで助ける話はなしで。」ってもう言えない雰囲気じゃんこれ。
はあ...。なるようになるしかないか。なるべく人を殺さずに生きたかったけどなぁ。まあこのファンタジー世界じゃ無理なんだろうけど。覚悟決めるかぁ。
今後、北の魔人みたいなのが出てこないとも限らない。今のうちから慣れておくのもアリかもなあ。
「では改めて。魔人、バブーです。よろしくお願いします。」
「マリー・ゴールドよ。こちらこそお願いするわ。」
「カズラです。マリー様をどうかお願いします。」
他のメンバーとも挨拶を交わし、
俺たちは王国を目的地にした。
自分がわかりやすいように、マリーちゃんの王国の人名は、植物の名前から取っています。
主人公の魔人名は完全にネタの流れで命名しました。




