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第十一話


「....」

パンパンと叩いてキャロットちゃんが自分の体についてる炭を払っている。


「ぐ...。」

本当魔人って生命力凄いな。まだ生きている。

「な、何が起きた?」

俺も思っていたことを北の魔人、レオが言う。


キャロットちゃんは北の魔人の問いのような呟きを無視して近寄り、頭を鷲掴みにした。そして大きく振りかぶって北の魔人をブン投げた!何やってんのこのロリ巨乳!?

あっと言う間に北の魔人は見えなくなってしまった。


「トドメ刺さなくてよかったんですか?」

「殺すと逆に面倒。」

なんでも方角魔人が死んでしまうとその座を奪おうと森の外から魔人が何人も押し寄せてくるそうだ。確かにそれは面倒くさいな。アレ?でも今北の魔人弱ってるから簡単に殺されない?


「方角魔人は両手両足がない状態でも他の魔人より強い。」

バケモンかよ。チートの中のチートじゃねぇか。そんな方角魔人に勝つキャロットちゃん何者だよ。...そういやロリ巨乳なだけじゃなくて西の魔人だった。


---


洞窟内に戻り、落ち着いたところで話を切り出す。


「ちょっと聞きたいことが幾つかあるんですが。」

「何?」

前々から聞きたかったことを含めて聞いてみよう。


「今更ですけど、何故俺にこんなに良くしてくれるんですか?知識を教えてくれるだけなら親切な人で通りますが、命を助けてもらうのは明らかにおかしいと思います。」

「...こうして面と向かって喋れる魔人は珍しい。基本は北の魔人のように、会った瞬間戦闘が普通。そして戦闘を余りしない私のような魔人は、長寿だから常に暇。話相手が少なくなるのは困る。」

なるほど俺が数少ない意思疎通ができる魔人だったからだと。でもそれだけじゃあちょっと説得力低くない?命を賭けてまで守るにはまだ理由が弱い気がする。


「それに、」

お、まだなんか理由あるっぽい。


「北の魔人は弱い。あの戦いで私に命の危険はなかった。」

.........ん?どういうこと?

北の魔人は弱かった?え?あんなに接戦演じておいて?キャロットちゃんに命の危険がなかったから大したことはしてないよ、ってこと?

つ、強がってるのか?


「私はあの戦闘で魔力を使っていない。」

は?ナメプしてたってこと?ナメプしてアレって強すぎだろ。

でも何で?


「私はまだあなたの記憶喪失を疑ってた。私が弱っているところを見せたら、北の魔人もろとも殺しにくると思ってワザと攻撃を受けた。」

ええ〜。まだ信用されてなかったんかい。

いやでもそりゃそうか。今まで縄張り争いしてたライバルが記憶喪失でーすって近寄ってきたらそりゃ疑うわ。


「...それで疑いは晴れまししたか?」

「ほとんど。」

まだちょっと疑われてる...。

まあほとんど晴れただけで良しとしますか。


2つ目の質問。

「最後の、北の魔人の手足が吹き飛んだのって固有能力ですか?」

「違う。早く動いて攻撃しただけ。」


...強さの底が見えない...。


3つ目の質問。

「俺はここ、魔人の森を出て人里に行こうと思っているんですが、東の魔人の地位が空席になってキャロットさんに何か不都合が起きませんか?」

他の魔人がカチコミに来そうなのが1番の問題なんだよなー。キャロットちゃんもそれが嫌で北の魔人を生かしてリリースしたし。


「問題ない。東の魔人はよく魔人の森から出て殺し合いをしてた。その間に縄張りに侵入した魔人を散々拷問して殺し回ったのが噂になって、留守中も東の縄張りに魔人が近寄ることはない。...50年ぐらい外出しても大丈夫。」

うわぁ...。ちょっと引くけど元の持ち主の残虐さに助けられたな。


「最後に魔力のコントロールの仕方を教えてもらっていいですか?」

「構わない。あと、体表の色と黒目を白目にする人化の魔法も教える。」

えっそんな便利な魔法が!本当なんでも知ってるなキャロットちゃん。もしかして人化の魔法使って人里におりたことあったりして。


魔力コントロールと人化の魔法を教えてもらっていたら数日が過ぎた。



一旦キャロットちゃんとは別れます。

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