雛菊ちゃんとおばあちゃんの家に⑭瀬奈とタヌキチ
「どこに向かうんですか?」
「雛菊ちゃん、森の中を流れてる川見たいって言ってたでしょ?」
「はい。あるんですか?」
「うん。街の中を抜けていこう」
目的地の川までは大体歩いて1時間ぐらい。畑のあぜ道を抜け民家を抜けていると
「お兄ちゃん」
ドス
腰に衝撃が走る。これは半年ぶりの衝撃、前までより威力が上がってる。
「久しぶり、瀬奈。毎回いうけど突然抱き着かれたら危ないからね」
「えへへ」
抱き着いてきたのは柏木瀬奈。この町に住む女の子で、この町にきたらよく遊んだりしている。いつもならこっちに来た翌日おばあちゃんちへ遊びに来るんだけど
「風邪は治ったの?」
「うん。お母さんから遊んでいいって言われたから梢ばあちゃんの家に行こうとしてたんだ。そっちのお姉ちゃんは誰?すっごいきれいな人だね」
「雛菊ちゃん、この子は柏木瀬奈、この町に住んでいる女の子でよく遊んでいるんだ。瀬奈、こっちの子は天ヶ崎雛菊ちゃん、僕の友達で一緒に来たんだ」
「瀬奈、7歳です。よろしく雛菊おねえちゃん」
「よろしくね、瀬奈ちゃん」
「お兄ちゃんたちはどこに行くの?」
「雛菊ちゃんが川を見たいから連れて行こうと思ってるんだ」
「瀬奈もついていっていい?」
雛菊ちゃんの方を向くとうなづいてくれたので瀬奈も一緒に行くことに。
「でもわざわざ川を見に行くなんて雛菊お姉ちゃん変わってるね」
「そうですか?」
「だってあそこ何もないよ」
「それは瀬奈がここに住んでるからだよ。外から来た人からしたらあの川も魅力的なんだから」
「へえ、そうなんだ。昨日は何してたの?」
「牛の乳しぼりと羊毛刈り・海で魚釣りだな」
「雛菊おねえちゃんはうまくいった?」
「はい。最初は・・・」
瀬奈に昨日のことを話していると
「あ、狸です」
「タヌキチだ。久しぶり」
狸が一匹木の下で寝転がっている。そのタヌキを見た瀬奈は飛びつく。
「大地くん、あの狸は逃げないのですか?」
「うん。あの狸の名前はタヌキチって言って昔からこの町に住んでるんだ。人にも慣れていて全然逃げないんだ。この町のマスコットだね。雛菊ちゃんも触ってみたら?」
「ほら、雛菊おねえちゃんもどう?」
瀬奈がタヌキチを抱き上げて持ってくる。雛菊ちゃんは恐る恐るタヌキチの頬っぺたを触ってみると
「フワフワしてます。狸はこんな触り心地なんですね」
お、これはシャッターチャンス。携帯のレンズをタヌキチと触れ合う雛菊ちゃんと瀬奈に向けて
パシャリ




