38話 管理人さんの演技
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( ・ω・)
「とりあえずミュンその子を1回離してもらっても?」
「や」
「ミュン?」
プイッ…
どうやらこの魔法少女はミュンと言うらしい…なんだかこの子は行動が小動物を連想させて酷いことはしたくないんだけど…このまま連れていかれるのはゴメンだし、1回抜け出すか
僕は身体変化でハエ程の大きさに縮み抜け出した
「鳥さん…どこ…??」
ミュンは涙目でキョロキョロと辺りに目をさまよわせ、その姿は迷子になった子供のようで…罪悪感が出るが、さすがにこのままって訳にもいかないので悪く思わないでほしい
「消えた…?」
「消えたねー」
「消えたニャー、でも匂いはするニャー」
他の3人も僕を探しているのか視線を辺りに向けているがどうやら見つかっていないようだ。それもそうだろう…今の僕のサイズは5㎝もないのだから
「多分あれニャ!」
止まっていた木にネムが指を僕にさして全員に気づかれた…さて、どうでるんだろうなぁ~
「失礼します。貴方様は世界の守護者の聖獣様でしょうか?」
「聖獣!?」
「せーじゅうってなんニャ?」
「鳥さん…」
あ~そっちね…
「瘴気を帯びておらず知性があり魔法はまだ見ていませんが…鍋から魔力の痕跡が見られた事により魔法を使えると察します。この条件に当てはまるのは聖獣様意外ありえませんわ」
「でも聖獣様ならなんでダンジョンにいるんだろう?」
「ニャ~?」
「鳥さん…」
…喋られないから答えようがない…どうしよう
『それでしたら私が代わりに喋りましょう』
え、さすが管理人さんだそんな事もできるんだ。じゃあお願い
『分かりました』
「喋りませんね」
「だって鳥だし」
「ニャー」
「フワフワ…」
《我に何ようだ人の子よ》
「「「「!?」」」」
辺りに重いプレッシャーがかると同時に元の2メートルの大きさに戻ると全員が膝をついて体が震えていた
「す、凄いプレッシャーですわ…」
「こんなに重いの受けた事ないよ!」
「ニャ~怖いニャ~」
「大きい…フワフワ…」
…1人だけ目をキラキラさせた子はいるけど、今はスルーだ
《もう1度聞く何ようだ。答えなければ我は姿を消す》
するとメイスを持ったお姉さんが震えながらもしっかりと僕を見た
「聖獣様!お願いがあります!1度私達が住んでいる町に来てほしいのです!」
「何言ってるの!?」
「ニャ?」
「…」
《何故我が人の子が住む町になど行かねばならぬ》
「はい、それは今の私の入っている教会はこの世界の瘴気を浄化し続けていることを感謝し聖獣様に私達、教会はお礼を是非させてほしいのですわ」
《必要ない。我等、聖獣はお前たち人の子の為に浄化をしているわけではない》
「それでも!私達、人間が暮らしていけるのは全て聖獣様のおかげですわ!その聖獣様にお礼の1つもしないなんてかえってバチがあたります!」
《必要ないと言っている》
重かったプレッシャーがさらに重くなり四人とも辛そうにしている中、管理人さんは気にする様子もなくそのまま話し出した
《人間は欲深い。過去にも我々聖獣を利用しようとした愚か者はおった》
「わ、私」はそんなこと…
プレッシャーに耐えながらも必死に否定しているが。管理人さんは首を横に振った
《我の眼は全てを見通す。人の子よお主は純粋に感謝の気持ちがあるのは分かるが、他は違う》
「…」
思いあたる節があるのか悲しい表情になりながらも管理人さんから目は離さないでいた
《用はそれだけか?それなら…》
管理人さんが翼を振ると赤い粒子が舞い四人の体に吸い込まれていった…
「い、今のはいったい…」
「体の中に入っていたよ!」
「ニャー?皆どうしたのニャ?」
「ぽかぽか…」
《今のは契約魔法の1種だ今日あったことを他の誰かに話せば身を焼く物だ。なに、メリットもあるぞ?僅かだが炎の耐性がつく》
「そ、そうなのですわね」
「も、燃える…」
「鳥さんの事を喋らないニャー!」
「鳥さん…いなくなるの?」
《では、我はもう行く契約の事をゆめゆめ忘れるではないぞ》
バサッ!バサッ!
管理人さんは飛び上がり階段に狙いを定めて高速で下層に移動した
「…行きましたわね…」
「行ったね…」
「また熊鍋食べたいニャー」
「ん」
…
『あのような対応で良かったですか?』
うん、流石管理人さんだよ…管理人さんに任せておけばミスもないしね
…でもだからこそ管理人さんに頼るわけにはいかない!まずは管理人さんが使っていた念話?を覚えなくちゃね…
こうして僕は予期せぬ展開で下の階層におりたのだった…




