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一級警備員の俺が異世界転生したら一流警備兵になったけど色々と勧誘されて鬱陶しい  作者: 司真 緋水銀
二章第二節 一流警備兵イシハラナツイ、〈続〉借金返済の旅

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■番外編.冥王とイシハラの従者達 ※冥王視点

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「………む」

「お目覚めになりましたでちか? プルート様」


 わらわが目を覚ますと傍らには執事服に身を包んだ幼女が座っておった。視界に映るのは真っ青な空模様、そのことからわらわは瞬時に状況とこう至った経緯を思い出し幼女に尋ねた。


「どれ程の時間、わらわは眠っておった?」

「ほんの一時間ほどでち」


 幼女は簡潔にそう言った、どうやらそれ以上の説明をする必要はないと察しておるようで口を閉ざす。

 わらわは身を起こして周囲を見やる、視界に入らずとも気配で察しておったが周りには複数の人間がおった。


 メイド服を着た茶髪の女、傷だらけの褐色肌の女、果ては人間かもわからん角ばった執事。


(カラクリというやつか……? 戦闘の最中だったが故にあまり気にしておらなんだが……イシハラは変人を囲う趣味でもあるのか?)


 すると、メイド服の女がわらわの横に座り話しかけてきた。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいお客人様わたしがお邪魔したせいですみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみません」


 見ている方が気の毒になるほどにメイド女は悲壮な顔をして土下座しよった。


「プルート様、執事長としてわたちからもお詫びとお礼を申し上げますでち。わたち達を守って頂きありがとうございますでち」


 ーーそう、わらわはイシハラを訪ねてきた襲撃者……【魔王】と戦闘になり、結果敗北した。


(まさか……現魔王があのような小娘であったとは……いや、わらわと同じように姿貌を変化させておったのか……)


 時間にして数分ではあったが勝負は拮抗しておった、互いに見せていた実力は伯仲しており……久方ぶりにわらわも本気にならざるをえなかった。


(とは言っても妖狐の姿のままでは思うようにはいかんかったが……)


 そして戦いを続けておったところにこやつらが館から出てきおって魔王はこやつらを狙った。わらわはそれを庇って隙を突かれたというわけじゃ。


(まぁ言い訳をしても仕方あるまい、別にこやつらの所為ではないし魔王が卑怯なわけでもない。命を賭した勝負では負けた者がただただ悪い、使えるものは何でも使うべきじゃ。……まったく、わらわも丸くなったものじゃな……)


 永い間、冥界で退屈しておったせいなのか……昔に較べ残忍さが薄れている自分に驚きつつ立ち上がる。

 更に周囲を確認する、戦闘の余波により多少景観は崩れてしもうたが館はそのままの形で残っておった。


「まぁ館と従者が無事ならそれでよい、イシハラが帰ってきた時に何もなくなっておったら申し訳ないからのぅ。それだけでもわらわが戦った意味はあるというものじゃ」

「「「………」」」

 

 わらわがそう言っても何故か従者達の表情は曇ったままであった。

 一体どうしたというのか、と考える前にわらわは戦闘前との違和感に即座に気付く。


 あまりにも静か、騒がしさがまるで無い。

 それは戦闘前には一緒におったはずの人物の姿がない事が原因であった。


(……何故、魔王は何もせず大人しく帰ったのか。イシハラへの接触以外に何か用がありそれを果たしたからなのか)


 すると、褐色肌の女がわらわの手を取り何かを掌に綴(つづ)る。

 どうやら声帯が無いようじゃが今はそんな事はどうでも良かった。掌に綴られた文字を心の中で反芻(はんすう)して声に出す。



  『王女……エメラルドが魔王に拐(さら)われた』

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