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異世界への輪廻転生  作者: アークセーバー
ガルバドシア編
34/56

第34話 イリュージョン&強敵&謎



さっきから難しそうな顔をして考えていたミーシャが急に言葉を発する。



「ミーシャ?違うとは一体」


「この人、私たちを襲った人じゃないよ。顔は全く一緒だけど、絶対違う」



ミーシャがやがて確信を得たようにきっぱりと言い切ると、デュースがニヤリと笑う。



「ミーシャ、どういうことな」


「そこのお嬢ちゃん、何者だ?なんでわかった」



デュースがエリルの言葉を遮ってミーシャに問いかける。その口調はさっきとわずかながらに違っている。



「お前、何を」


「ああそう。なんで俺がペラペラ喋るかだっけ?答えは簡単、'アタシ'がその方が面白いから♡」



「相棒!」



さっきまでずっと黙っていた月影が突然大声を上げる。



その瞬間、体を覆っていたはずの氷が音を立てて崩れたかと思うとデュースの姿が歪み始めて、別の人物へと変わる。



紫色の髪に左目のハート型のペイント、それにこの風貌は…女。



「[チェイン]!」



すぐさまミーシャが反応して拘束魔法を唱える。



「あら、危ないわよ。まだあなた達には手出ししてないじゃない」



しかし、一瞬にして無効化されてしまう。



まずい。感覚だがこいつとんでもなく強い!早く月影に魔力を込めて…!



「つきか!」


「だーかーらー、まだ手出ししてないっていってるじゃない」



一瞬にして背後に回られて手で口を封じられてしまう。全く見えなかった…こいつはやばいと感じたのは正解だったみたいだ。



「…ぷはっ!お前は一体誰だ!」



振り払って背後を振り向くがまた一瞬にして消える。





「そうね…エースって呼んでもらおうかしら?」





元いた場所に戻るとおちょくるようにそう言った。



エースって…じゃあこいつもガルバドシアの一員で、いやそれ以前になんでこいつがデュースと入れ替わって!



「それにしても不思議ね〜、私の[イリュージョン]は完璧だったと思うんだけどなぁ」


「いつから入れ替わってた!デュースはどこに行ったんだ!」


「強いて言うなら最初から。あの子はもう二度目の失敗だし、今頃はキングあたりに殺されてるんじゃないかしら」


自分には全く関係のないといった表情で喋るエース。最初からってことは、氷の状態の時からってことのはずだ。



「どうやってって顔してるわね?簡単よ。あなたが作った氷の塊をバラバラにしてデュースを連れ出したあと、私に自分で[フリーズ]をかけただけ」


「そんな、一歩間違えば死にそうなことをするなんて」



ミーシャの言う通りだ、一歩間違えば自分がそのまま死ぬくらいの危険なことのはずだ。それを当たり前のように…



「死なないわよ、私はあなた達と違って魔法がうまいの。そこの私に対して警戒してるけど何もできない可愛い子猫ちゃんよりもずっとね」



エースがエリルの方を見ながら馬鹿にする目で見る。エリルも最初の拘束が失敗してから手が出せないみたいだ。


俺も手が出せないみたいだ…自分1人ならもちろん。月影ですらもその場から動けない。



「悪い相棒、相棒達3人を守るので精一杯だ」


月影が今まで見たことないレベルで臨戦態勢を整えている。


もしエースが敵意を持って俺たちの誰かに近づいてきたらすぐに守れるように一瞬たりとも気を緩めていないんだ。



「この子はすごいわよ、私相手に3人を同時に守れてる。でも私はお話をしにきただけ」



にっこりと笑いながらエースは俺たち3人に向けて余裕のある態度をとる。



「改めまして私はエース、ガルバドシアのメンバーよ。よろしくね」


「一体なんのためにここに来たんだ」


「理由?建前はキングにデュースの回収を命じられたから連れ帰りにきただけよ」



連れ帰りにきた、だと。じゃあこうしてこの場に俺たちと対峙してる理由は。



「私が貴方達と会っているのは、このままガルバドシアの計画が上手く行ったらつまらないから」


「つまらない…だと?」


「貴方達はこれからガルバドシアについていろんなことを知っていく。だから、それの手助けをするの」



一体何を言ってるんだこいつは。敵なのか味方なのか…少なくとも味方ではないか。


話の内容にも耳を傾けながら、ちょっとでも油断を見せればすぐ魔法をぶっ放す気でいるのに全くそんな時はやってこない。



「そうね、10日後のさくら村。あなた達はもっと色んなことを知れるわよ」


「!なんでそれを知って!?」


こいつ、俺たちの予定を知っている。どういうことだ、盗み聞きをされたのか?



「さぁね?ただ忠告、私たちガルバドシアの話、ここにいる小さな子にはしない方がいいわよ」



小さな子?小さな子って…



「それって…リリーのこと、だよね」


「ええ、おそらくは」



リリーにこの事を伝えるなっていうことか…まずこいつのいう事を信じるべきかどうか。



「貴方達には見込みがあるわ。それじゃあ、またいつか」


「おい待!消え..た?」



目の前からさっきまでいたはずのエースが消えた。痕跡すら何も残っていない、まるで最初からいなかったみたいに。



「…いったい、何ですか今のは」


「わからない、けど。とてつもない力を感じた」


おそらく一対一ならここにいる誰も勝てない。仮にモラグを呼んできて戦ったとしても…



「そ、そんなに…?」



ミーシャが不安そうにする。だめだな、不安にさせるのはよくない。





「あ!こんなところにいました!もー探しましたよ〜」




うわ!…リリーか、ここに入ってきていたのか。



「リリー、驚かさないでくれよ」


「わわ、これは失礼いたしました!それにしても、お3人でここで何をしてたんですか」


「あぁ、えっと」



さっきのエースの言葉が頭をよぎる。話す気はもちろんないが…話しちゃいけない理由はなんなんだ?




「何でもないよ、ちょっとお話ししてただけ。さぁ行こっ」


「そうでしたか!では戻りましょう」


助かった、ミーシャ、ナイスヘルプだ。


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