第33話 トランプ&違和感&さくら
「ほんとですか!?」
もう見つかっていたなんて。これでミーシャの待ち望んでいたバロンを復活させることができる。でも見つかってたなら連絡をくれてもよかったんじゃ。
『ただな、』
喜ぶ俺たちを制止するように迅雷が言葉をつなげる。
『僕のところにガルバドシアっちゅう変なやつらが現れたんやけど、知らんか?』
「「「っ!?」」」
俺たちの目が一瞬にして変わる。
ガルバドシア。ガルバドスという神様を信仰する団体、であったが現在はミーシャの命を狙っている謎の団体。なぜそれが迅雷のもとにまで来たのだろうか。
『その様子だとやっぱり知ってるみたいやな』
「知ってるというか…俺たちもあまり詳しくは知らないんですけど」
『まぁ僕よりはそっちの方が少しは知ってるってわけやな』
「エリル、ミーシャ。話してもいいか?」
「この場合は話した方が適切でしょう」
「私もその方がいいと思うかな」
二人からの許可ももらったので話すことにしよう。エリルとミーシャの秘密のこと。それに俺たちを襲撃して来たガルバドシアについて。
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『なるほどな、その嬢ちゃんの命を…しかもミーシャちゃんは王女と来たか』
俺たちも全くわかっていないが、それでも知ってることを全部話した。
『そうなると、僕んところに来たんがわからんな』
「えぇ、それも今俺が不思議に思っていたところです」
敵は俺と迅雷さんの関わりのことなど全く知らないはずだ。それなのになぜか俺たちだけでなく俺と関わった人のもとに現れた。
「迅雷さん、あなたのところに来た敵の名前はわかりますか?」
『名前、えーと。確か"ジャック"って言うとったな』
「侑季君、私たちが捕らえたデュースという男ならその人についても知ってるかもしれません」
たしかに同じガルバドシアのメンバーなら知ってることも多いかもしれない。
『なんやそっちも取り込んどるみたいやな。そんならこっちも手短にこれからの話をしとこか』
「あ、はい。お願いします」
『僕もこっちなりに色々調べてる最中なんやけど、今から10日後。さくら村でお互い会いたいと思っとる』
「さくら村、ですか」
「えっとね、ここからだと馬車を使って3日くらいで着くかな」
となると一週間後にここを出発すればいいのか。距離的にはそこまで遠いわけでも無いな。
「迅雷さん、私たちも気をつけますが、くれぐれも無茶はしないでください」
『エリルちゃんありがとうな。忠告しっかり受け取っとくで。ほなそういうことで』
ギルドカードの色が元の色に戻って迅雷との連絡が切れた。
「よし、それじゃあ聞き出しに行ってくる」
まだ地下でデュースは凍ったままだと思うのであれこれ聞き出せることを祈ろう。
「私たちも行きますよ」
「いや、悪いけどこれは俺一人でやろうと」
「侑季君、気を使わなくても大丈夫だよ」
…最悪多少の尋問は覚悟する気だったから二人は連れて行くのやめようと思ってたんだけど。
俺が思ってるより強いんだよなぁこの二人は。さっきはエリルには弱いとか言ったけど、二人とも普通の女子よりよっぽど肝が座ってるよほんと。
「わかった、それじゃあ行こう」
ひとまず俺は二人を連れて地下に向かった。
デュースがガルバドシアについて何か有益な情報を持っていれば助かるんだが。
「みなさーん!モラグの旦那の許可ももらえたのでしばらく私もここに住むことに…っていない。あれ?」
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「[サモン]」
「…お呼びですか、主」
「うわ、本当に新しい子を召喚してる。この子名前はなんていうの?」
「私の名前は銀雪と言う。お前は…ミーシャだな?」
「あれ!私の名前知ってるんだ」
あれ?俺も特に教えた覚えはないんだけどな。まあ月影か、もしくはルナとかからでも聞いてたのかな。
「無論だ、そちらにいるのがエリル、だな。よろしく頼む」
「よろしくお願いします」
「とりあえず銀雪、この固まってるこいつを喋れるようにしてくれ」
目の前にあるデュースの氷像は凍っていて中の人間はどうなってるのか判別もつかない。銀雪がいうには死んではないらしいからまぁ大丈夫なんだろうけど。
「では、頭の部分だけを自由にしよう」
銀雪はそういうと軽く唸り声を上げる。すると、デュースを固めていた氷が首から上の部分だけが音を立てて崩れさる。
「…あー、自由になった、と思ったけどそうでもないっぽいなこりゃ」
デュースが口を開いた。あれだけ凍っておいて意識があるのか。本当に何もなかったかのように見えるな。
「これで私は失礼するぞ、それと…念のために月影を呼んでおけ」
月影を?
よく分からないがそう言われたのでひとまず銀雪を戻して、代わりに月影を[サモン]で呼び出しておく。
「さて、デュースって言ったな。俺の質問に答えてもらうぞ」
「…それで解放してもらえるんなら?」
身動き取れないくせに余裕そうな表情しやがって、何を考えてるんだ。
「まず、俺の仲間のところにジャックという奴が来た。こいつはお前たちの仲間か?」
「へー、ジャックが?こりゃそろそろ計画も大詰めってことかねー」
「やっぱり仲間ってことか、お前たちの計画はなんなんだ一体?」
「そんなもんは上にいる奴らに聞けよ、下っ端の俺が知るわけねえだろ」
こいつ、あくまで反抗的な態度を取りやがって…はなから舐めてやがるんだ。
いやでもその割にはペラペラと喋るよな…?
「ガルバドシアって奴らはいったい何人いるんだ」
「俺も含めれば13人だな」
「お前は下っ端って言ったな。できるかぎりの他の奴らの情報を教えろ」
「…」
ここにきてだんまりか。やはりそこは喋る気な
「お前、トランプって知ってるか?」
「は?」
トランプ?
トランプってあのトランプだよな。
「侑季君、トランプっていうのはね。貴族の間で嗜まれてる」
「あ、いやミーシャ。わかる、わかるから大丈夫だ」
まさかトランプなんて名を聞くことになると思わなかったから一瞬戸惑ってしまった。
「なるほど、貴方達の名前はトランプというわけですか」
「お、こいつは賢いな。すぐにわかったか」
トランプが関係あるってことか?でも一体なんの関係が。
「俺たちガルバドシアって言うのはトランプの数字がそれぞれ名前として与えられている」
「数字?」
「1から13までをそれぞれエース、デュース、トレイ、ケイト、シンク、サイス、セブン、エイト、ナイン、テン、ジャック、クイーン、キング、つってな」
トランプの呼び名が名前…本名じゃなくてコードネームってことか。
「当然数字の大きさは忠誠心の表れだ。大きいほど上の人間だな。俺は言っちまえば一番弱いようなもんだぜ」
「その言い分だとエースが一番弱いはずだが?」
「あ?あれは別だ。得体のしれねえんだよあいつは」
なるほど。敵の数がわかったのはかなり幸いだ。ある程度のことは聞いただろうか?まだ何個かは聞きたいけれど、その前に聞くとしよう。
「お前、なんでそんなにペラペラ喋る?」
「あ?なんだ喋ったら悪いのかよ」
「いや、そうじゃない」
「自分のチームの内情をペラペラ喋る。明らかに裏がある、と考えるものですが」
当たり前ながらこいつの言葉を全部信用できるのかはわからない。こいつの目的も考えも全く分からないからだ。こっからは多少は痛い目も覚悟してもらうぞ。
「侑季君、この人…たぶん違うよ」
ふと見て見たところ合計文字が10万文字達成していました!自分なりにこれだけ書いたのかとなかなか満足しております。もう少しだけ頑張っていくので読者の皆様これからもよろしくかお願いします。
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