◆『妄想図鑑』◆ No.25:深淵の美眼
妄想図鑑も読んでいただけたらΣ('◉⌓◉’)
頁を開いた瞬間、脳裏に閃くのは光の奔流だった。
古代の聖歌のような囁きが木霊し、文字でも絵でもない「何か」が、俺の感覚へ流れ込んでくる。
世界の理が一瞬だけ剥がれ、妄想と現実が重なりあう。
――そう。
これは単なる「眼」ではない。
見るための力。
知るための力。
そして――問いに答えるための力。
妄想眼”死線”が、その深淵へと到達した時、新たな存在として目覚めた。
その名は――『深淵の美眼』。
■ 分類名:深淵知覚型・高位妄想精霊
妄想眼”死線”が進化を遂げ、「視る」という能力から「知る」という概念へ進化した特殊存在。その姿は美しい女性の形を取りながら額に第三の眼を持つ。
彼女は「眼」であると同時に、ゴクトーの妄想世界に存在する一種の知識そのものでもある。
■ 発動条件:妄想眼”死線”の能力限界突破。
極度の思考負荷、対象への強い観察欲求、未知の情報に対する「知りたい」という意志が重なった時、”死線”が深淵の美眼へと進化する。
また、対象が特殊な能力や技能を有している場合、視認するだけで自動的に情報を探知することがある。
さらに、ゴクトー自身が疑問を抱いた際には、脳内へ知的な女性の声が響き、
問いに対する答えを提示する。
■ 通称:「アビス・アイ」、「知識の深淵を覗く眼」、
「答えを知る眼」などと呼ばれる。
■ 二つ名:「ゴクトーの家庭教師」
■ 外見特徴:長く波打つ銀白色の髪。その美貌は神秘的でありながら、どこか精霊ならざる気配を漂わせている。両の瞳は鮮烈な赤。
そして最大の特徴は――額に存在する、第三の眼。その眼は通常の視覚器官とは異なり、対象の外見ではなく、その奥に潜む情報そのものを視る。
第三の眼が開いた瞬間、周囲には神代魔法を思わせる巨大な魔法陣が浮かび上がり、星空のような魔力の粒子が彼女の周囲を舞う。
装備は黒と銀、青を基調とし、随所に深紅の宝石状の意匠が施されている。そして胸元には――もうひとつの「眼」を思わせる赤い紋章、古の時代に隆盛を極め、滅びたエヒノプト文明の秘宝、オファラの遺産――「アビス・レッド・アイズ」が彼女の胸元を際立たせる。
それは実際の眼ではない。
しかし、深淵の美眼が発動すると同時に赤く輝き、第三の眼と呼応するように魔力を放つ。
三つの眼とひとつの眼の紋章。それらは、彼女が単なる視覚能力ではないことを象徴している。
■ 能力特性:最大の特徴は、妄想眼”死線”の「視る力」が、「知る力」へと進化したこと。
対象を視認することで得る。
姿。
魔力。
能力。
技能。
特殊な性質。
そして、その存在にまつわる情報。それらをすべて読み取ることができる。
さらに深淵の美眼は、ゴクトーが疑問を抱いた際、その問いに答える。その際、脳内に響くのは、知的かつ無機質な女性の声。
質問に対して必要な情報だけを提示し、必要であれば、その内容を『妄想図鑑』へ記録する。
つまり深淵の美眼とは――
「視認」
「解析」
「質疑応答」
「記録」
この四つの機能を兼ね備えた、妄想図鑑のための高位知覚存在なのである。
ただし。
本人の意思とは無関係に情報を拾ってしまう場合もある。
特に――女性関連のインナー情報には、異様なほど敏感である。
■ スキル一覧:
【三界眼】
三つの眼によって、対象を異なる階層から認識する。
通常の視覚。
能力・魔力・技能の認識。そして――存在の奥にある情報の認識。
この三つを同時に行う、深淵の美眼の基本能力。
【深淵視認】
対象の表面的な姿だけではなく、その存在が内包する能力や性質を視認する。
妄想眼”死線”の【死線透過】が、さらに高度な「情報視認」へ進化したもの。
【深淵質疑】
ゴクトーが疑問を抱いた際、脳内に声を響かせ、その問いに答える。
質問内容によっては、『妄想図鑑』へ新たな情報を追加することも可能。
本文中では、【清廉潔白】【質実剛健】【謹厳実直】などの意味を登録した。
【能力探知】
対象が保有する特殊能力・技能・性質を探知する。
風代紫苑の《『くノ一』特有スキル【悩殺色香】》を探知したのも、この能力によるもの。
【図鑑記録】
深淵の美眼によって得られた情報を、『妄想図鑑』へ記録する。
発動時には図鑑が神々しい光を放ち、空白のページに文字が浮かび上がる。
記録された情報は、ゴクトー自身の記憶にも刻まれる。
■ 趣味・趣向:シャワー後の目薬。美容パック。恋愛小説。派手な下着収集。
■ 神代魔法との関連性:深淵の美眼は、妄想眼”死線”の進化によって誕生した。
”死線”が、「見る」という行為そのものを妄想世界へ取り込む力だったのに対し、深淵の美眼は、そのさらに奥――「見たものを理解する」という領域へ踏み込んでいる。
そのため、神代魔法秘伝に存在するとされる、失われた「知覚・認識系統」の一端ではないかと考えられている。
ただし、その正体については未だ不明。
神代魔法そのものが、ゴクトーの妄想を媒介として新たな形を得た可能性もある。そして――脳内に響く女性の声が、神代魔法によるものなのか。それとも、深淵の美眼自身の意思なのか。その答えは、まだ深淵の向こう側にある。
■ 備考:深淵の美眼は、新たに目覚めた特殊存在である。その姿は美しい女性の姿を取りながら額に第三の眼を持つ。その瞳は「未来」を見るのではない。
「過去」を見るのでもない。ただひたすらに――「今、そこに存在するものの本質」を視ようとする。
また、『妄想図鑑』との親和性が非常に高く、得られた情報を自動的に図鑑へ記録することができる。
そのためゴクトーからは、 《「これは便利だな、深淵の美眼って言ったか? これからも頼むよ」》と、かなり気軽に扱われている。
しかし。
彼女が本当に「能力」なのか。
それとも――ゴクトーの妄想世界に生まれた、ひとつの生命体なのか。
未だ誰にもわからない。
■ 図鑑メモ:
「妄想眼”死線”が俺を見ていたのなら――深淵の美眼は、俺の知らないものまで見ようとしている」
――ゴクトーの独白より。
「……便利なのはいいんだけどな。できれば、俺の見てはいけないものまで勝手に探知するのはやめてくれ」
――ゴクトーの文句より。
なお、その直後。
脳内に、あの女性の声が響いた。
《「告。風代紫苑の【悩殺色香】を探知」》
「……。いや、そういうところだよッ!」
瞼を閉じながらツッコム俺を、どこか揶揄うかのように頭の中で、彼女がほくそ笑む。
図鑑を閉じると、僅かな温もりだけが掌に残った。
それは神代の囁きの名残のようだった。
けれど――閉じたはずの図鑑の向こう側から、ほんの一瞬だけ、赤い光が漏れる。
そして。
《「了」》
短い言葉だけが、静かに脳裏へ響いた。
ゴクトーは眉をひそめる。
……今のは、俺が質問したわけじゃない。
ならば――あの声は、一体誰なのだろうか。
このキャラは後々、むふふな感じに。
読んでくださり感謝です☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆




