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『妄想図鑑』がこの異世界を塗り替える! 〜英雄トランザニヤの末裔とその仲間たち〜 #イセトラ    作者: 楓 隆寿
第5幕 試章。 〜カルディアへの扉〜

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◆『妄想図鑑』◆ No.023:漆赤の堕天神ーー漆グチ・紅子(しちぐち・べにこ)





 ページを開いた瞬間、視界が赤く染まった。

 いやーー赤いのではない。


 『漆』が光っている。


 無数の歯車。複雑に絡み合う魔導回路。


 そして、天使を思わせる巨大な翼。


 それらが一瞬で視界を埋め尽くし、

 古代の神々が使った言語とも、

 魔族の呪文ともつかない文字列が次々と浮かび上がっていく。


 やがて、文字列は一つの名へと収束した。


 ーー漆グチ・紅子。


 その瞬間。

 図鑑の奥から、低く静かな機械の音声が響いた。


「……私は、もう“非常用”ではありません」


 次いで、真紅の光が弾け、巨大な翼が開く。

 それは天使の翼に似ていた。


 だが、天使ではない。


 魔族の妖艶さと、機械の冷徹さ。

 そして、神代魔法『漆』によって生まれた異質な力。


 そのすべてを併せ持つ存在。


 漆赤の堕天神ーー紅子。

 彼女は、かつての『非常用侵入グチ』が辿り着いた、

 ひとつの完成形だった。




 ■名称

 漆赤の堕天神(しっせき・だてんしん)

 漆グチ・紅子(しちぐち・べにこ)



 ■ 分類

 通常の魔族、妖獣、魔導兵器のいずれにも分類できない。

 分類上は【神格干渉型特殊個体】に指定される。


 

 ■ 種別

 神代機魔融合体ーー【イマジナリー・ゴッド・ギア】。

 

 機械生命体としての演算能力と、

 魔族系グチが持つ魔力・精神干渉能力。

 さらに神代魔法『漆』の力を融合させた特殊存在。


 

 

 ■性能

 【形状記憶合金・超弾性制御(フィジカル・モーフ)】

 【ナノマシン再構築(ナノ・リコンストラクション)】

 

 シェイプシフティング機能を搭載ーー

 機械の身体と人間の身体を部位ごとに、使い分けることも可能。

 赤い翼は体内に収容もできる。


 

 ■ 発動条件

 元となる【非常用侵入グチ】が、

 ゴクトーの神代魔法『漆』に接触すること。


 その際、機械構造体としての情報演算能力+

 魔族系グチとしての魔力・精神構造+神代魔法『漆』によるーー

 強制融合の三要素が一定以上の条件を満たした場合に発生する。


 ただし、この進化は単なる強化ではない。

 『漆』が彼女の存在そのものを書き換えることで、

『非常用侵入グチ』から『漆グチ・紅子』へと存在定義そのものが変化する。


 そのため、一度発動した後は元の個体へ戻ることはできない。

 さらに、発動後はそのままの状態で図鑑に収まる。


 

 ■ 通称

 『漆赤の堕天神』、『紅き機械天使』、

 『妄想図鑑の赤い終端』ーー

 そして一部では、『見上げてはいけない赤』とも呼ばれている。



 ■ 外見特徴

 全身を覆うのは、深紅の金属装甲。

 その表面には魔族特有の紋様と、

 古代機械を思わせる精密な機構が刻まれている。


 頭部は人型でありながら無機質。

 瞳には赤い魔導光が宿り、対象を視認すると瞬時に情報を解析する。


 最大の特徴は背部に展開されるーー漆赤の巨大翼とジェット噴射。


 それは鳥や天使の羽根ではなく、

 幾重にも連結された金属製の羽根によって形成されている。

 一本一本が独立した可動機構を持ち、

 翼そのものが巨大な魔導兵器として機能する。


 飛翔時には羽根の隙間から赤黒い魔力(マナ)が漏れ出し、

 まるで燃え上がる翼のような光景を作り出す。


 単気筒小型エンジンから噴出される火力ーー

 その浮力は、最大100tまで持ち上げられる。


 なお、外見こそ機械的だが、

 その身体には魔族系グチ由来の生命反応が存在する。


 つまりーー機械でありながら、生物。

 魔族でありながら、神に近い。


 その矛盾こそが紅子最大の特徴である。


 挿絵(By みてみん)




 ■ 内面・キャラクター性


 かつての『非常用侵入グチ』に、

 存在していた、挑発的で妖艶なグチの性質は残されている。


 しかし、進化後はそれだけではない。

 非常に冷静。

 観察能力が高く、戦況を瞬時に判断する。

 そして何よりーー自分自身の意思を持つ。


 ゴクトーの命令には従うが、単なる召喚獣ではない。

 必要と判断すれば自ら行動し、ゴクトーに意見することさえある。


 そのため、本人曰く、


「私は道具ではありません。

 主の坊やの“漆”から生まれた、もう一つの意思です」


 とのこと。


 ただし、ゴクトーへの忠誠心は非常に高い。


 その忠誠が、主従なのか。契約なのか。

 あるいはーーもっと別の感情なのか。


 現時点では不明。


 アカリ・ミシロの青いパンティの閃きを見て、

 ゴクトーの妄想から生まれたーー

 図鑑No.09:青銅のトライアングル(セイドウ・ノ・トライアングル)とは、

 仲がよく、機械である彼によく、羨ましがられる。


 しかし、彼にメンテナンスをお願いするのもしばしば。

 

 ーー青銅のトライアングル曰く。


 「ガガガ、オムネノ、オオキサハ、コレイジョウ、オオキクデキナイ」


 とのこと。

 



 ■趣味

 派手な下着の着用、入浴、顔と胸のパック。


 挿絵(By みてみん)

 

 風呂場の鏡を見ながらポーズを決める紅子に、

『江戸っ子鼓動』が息を呑む。




 ■ スキル一覧


 【漆赤機構(しっせき・きこう)】

 『漆』の魔力によって構築された特殊機械機構。

 魔力を動力へ変換し、通常の魔導兵器を遥かに上回る出力を発生させる。

 破損した場合も、周囲の魔力を吸収することで自己修復が可能。



 【堕天紅翼(だてんこうよく)】

 背部の巨大翼。

 飛翔だけではなく、攻撃・防御・魔力制御のすべてを担当する。

 翼の一枚一枚が独立した魔導刃となっており、

 展開状態では広範囲の敵を同時に捕捉できる。



【魔導演算眼】

 対象の魔力、動作、攻撃軌道を瞬時に解析。

 敵の行動パターンを予測し、最適な回避・反撃行動を導き出す。

 ただし、予測不能な「妄想」による行動には、

 演算処理が追いつかない場合がある。


 ――つまり、ゴクトーの行動だけは苦手。


 【紅蓮魔力炉】

 体内に存在する特殊魔力機関ーージェット噴射を動かす中心。

 魔力を高密度に圧縮・循環させることで、長時間の戦闘を可能とする。

 『漆』との接続時には出力が飛躍的に上昇する。


 【踵落とし】

 知り合いの封神拳の使い手、八代目封神童子ーー

 『月城姫咲』より伝授された技。


 挿絵(By みてみん)


 

 ■ 特殊技能

 【漆黒魔力吸収】

 深宇宙の暗闇や敵から放たれる闇の魔力を取り込み、

 自身の活動エネルギーへと変換する能力。

 

【機魔融合】

 機械の強靭なボディと高度な魔法術式を完全に同調させ、

 物理と魔法の限界を超える彼女のコア技術。

 

 【紅翼刃】

 背部に展開する巨大な紅い機械翼に魔力(マナ)を通し、超硬化させ、

 あらゆるものを両断する刃として振るう近接技。


 【魔導障壁】

 体表や周囲の空間に高密度の魔力フィールドを展開し、

 物理・魔法攻撃を問わずシャットアウトする絶対防御。

 

 【空間制圧】

 自身の存在する宙域の重力や次元に干渉し、

 敵の機動力を完全に封じることで戦場そのものを支配する力。

 

 【自己修復】

 装甲の破損や内部回路の異常を、

 魔力と内蔵ナノマシンの相互作用によって、

 戦闘中であっても瞬時に自動修復する機能。


 【精神干渉耐性】

 機械化された電子頭脳と強固な魔術防壁により、

 洗脳、幻惑、精神破壊などのあらゆる精神攻撃を無効化する。

 

【神代魔法接続】

 宇宙の深淵に眠る失われた超常のシステム(神代魔法)に直接リンクし、

 現代では再現不可能な絶大な魔術を行使する権限。


 そして最終スキルーー【漆天・紅蓮墜落】

 漆グチ・紅子が持つ最大級の攻撃能力。

 宇宙の暗闇を侵食するほどの紅蓮のエネルギーを、

 上空で極限まで圧縮し、

 重力場ごと標的を地の底へと叩き落とし、消滅させる最大火力の殲滅技。


 

 ■ 神代魔法との関連性


 最大の関連魔法はーー【神代魔法『漆』】

 紅子は『漆』によって生み出された存在ではない。


 正確には、『漆』によって、

 本来交わるはずのなかった二つの存在が融合した結果、生まれた存在。


 機械部分に宿る情報。

 魔族系グチに宿る魔力。


 そしてゴクトーの『漆』。


 この三つが重なったことで、

 通常の神代魔法では成立しない特殊な進化現象が発生した。


 そのため紅子自身が、『漆』の実証例であり、

 同時に『漆』の未知なる可能性そのものとなっている。


 なお、紅子と『漆』の接続状態では、

 神代魔法の出力が通常時より安定するという特殊現象も確認されている。



 ■ 備考/伝承


 元個体は【非常用侵入グチ】。

 かつてはゴクトーの精神領域に存在する「封印階層」の番人として、

 機能していた。


 しかし、神代魔法『漆』との融合によって、その存在構造が大幅に変化。

 単なる妄想由来の幻像ではなくーー

『現実世界へ干渉可能な実体存在』へと進化した。


 この現象について、天上界では、

 

「神が生み出したのではない」


「魔族が生み出したのでもない」


「人間が造った兵器でもない」


 とされている。


 そして最後に残された記録には、ただ一行だけ。


 ーー『漆が、存在そのものを進化させた』


 と記されている。




 ■ 図鑑メモ


「……最初は、ただの非常用だったはずだ。


 なのに『漆』を使った瞬間ーー

 あいつは、俺の妄想から抜け出した。


 機械なのか。

 魔族なのか。

 それとも……神なのか。


 正直、俺にもわからない。


 ただ一つだけわかっている。


 ……紅子は、もう“図鑑の中だけの存在”じゃない」


 ーーゴクトー、漆グチ・紅子との融合直後の記録より。





 図鑑を閉じる。

 ……だが、何も起こらない。


 そう思った瞬間だった。

 掌に、ほんのわずかな熱を感じた。


 赤い光。


 それは一瞬だけ指先を走りーー消えた。


 そして。


 閉じたはずの図鑑の向こうから、微かな機械音が聞こえた。


 ーーカチ。

 ーーカチ、カチ。


 まるで歯車が回り始めたような音。


 最後に、艶っぽい女の声がした。


「……次に頁を開くときは、呼んでくださいね♥」


 カシャン!


 機械音とともに『妄想図鑑』に消えていくーー

 彼女の全貌が、少しだけあらわになった。


挿絵(By みてみん)


 だが、その声には以前の『非常用侵入グチ』には、なかったものがあった。


 確かな意思。


 そしてーーほんの少しの笑み。


 図鑑を閉じた俺の脳裏に、最後に浮かんだ言葉。


 ーー漆赤の堕天神。

 漆グチ・紅子。


 それは、妄想が神代の力を得たときに生まれた、

 新たなる“存在”だったーー。












 今回の妄想図鑑のエピソードは、『語り部ミミズク』様著、

『封神闘仙記 〜スキル無し追放の中年、封神拳で神をも滅す〜』より、

 私の大好きな【月城姫咲様】に、特別友情出演していただきました。

 月城姫咲様のイラストデザインは、

 語り部ミミズク様の了諾を得て使用しております。 ふふ。( ^∀^) 


 語り部ミミズク様のXアカウント @XO3kHEMqvC51682


 私が愛読する╰(*´︶`*)╯♡


 語り部ミミズク様の代表作

 『【19万PV 感謝!】 封神闘仙記 〜スキル無し追放の中年、封神拳で神をも滅す〜』


 https://ncode.syosetu.com/n0895kr/


  こちらも読んでいただければ嬉しいです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆


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|д゜)チラッ (*´σー`)エヘヘ ごろんヾ(⌒(_'ω')_ ('ω')三( ε: )三(.ω.)三( :3 )ゴロゴロゴロ ‹‹\(*'ω'* )/›› ‹‹\( *'ω'*)/›› (*/∀…
漆グチ・紅子さんの設定紹介回ですね。 とても迫力がありました。 ページを開いた瞬間に赤ではなく『漆』が光る、という導入が格好良かったです。無数の歯車や魔導回路、巨大な翼が広がる描写から、ただの妄想体…
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