平原の封印の鍵争奪戦5 砂漠のお土産
「やっと倒したわね」
「そうだな。奴は強敵だった」
「そんな事言うと、また復活するわよ」
「マジかよ」
「ふふふ」
「あははは」
俺達はスライムのダンジョンの探索を始める事にした。
まずはダンジョンの水抜き。
俺のアイテムボックスに再収納だ。
コーヒー牛乳のような色になった泥水を回収する。
こんな泥水を入れたらアイテムボックスの中がどうなってるのかを想像するのが怖い。
でも気にせず収納。
十五分程で回収出来た。
最近スキルを使いまくってるせいかどんどんとアイテムボックスの出し入れ速度が速くなってる気がする。
使い込む事でスキルが上がってるせいだろう。
その内、昔は取り込めなかった遠くに見える山なんかも収納できるのも夢じゃ無さそう。
ランタンを点けてダンジョンの捜索を始めようとした時にそれは起こった。
「ぐぬぬぬ! なんだ今のは! なんでいきなり大爆発する!」
あら?
スライム君まだ生きてたみたい。
体の大部分を吹き飛ばされたせいでかなりちっちゃくなってる。
とは言っても、まだ五メートルサイズは有るんだけどな。
まだまだ十分デカい!
スライム君は図太く低い声で怒鳴り続ける。
「食らう暇も無かったぞ! 一体どんな魔法なんだ?」
「ま、まだ生きてたのか!」
「フハハハ! 私は水さえ有れば何度でも復活できる!」
それを聞いたアウ王女は動揺しまくる。
体がブルブル震えて、足なんか産まれたばかりの小鹿の様にプルプルしてる。
かわいいな。
「あ、あんたが余計な事言ったから復活しちゃったじゃない! どうするのよ!」
「どうするもこうするも無いだろ! 逃げるしかない!」
俺はアウ王女の手を引いて馬車迄走る。
だがスライム君も必死で追って来た。
「おい! 待て! まだ話の途中ですわ」
「追いつかれたら殺されるのに待つわけねーだろ!」
「おい待て! 戦う気は無い! こんな強い人間と出会ったのは初めてだ。気に入った! 光栄に思え。私の婿にしてやる」
「なんか嫁にしろとか訳わかんない事言い出してるんだけど、あんたどうするのよ!」
「またこの展開かよ! お前らは強ければ種族はどうでもいいのかよ?」
そういうアウ王女も出合って三分でいきなり俺を食らったんだけどな。
この世界の女はどうなってるのかよく解らん。
「強いは正義だよ。タナオカ君」
マジかよ。
でもなんだ。
単細胞生物を嫁にはしたくない。
俺迄『単細胞(嫁)の旦那』と言われかねないからな!
「スライムさんはちょっと……遠慮させてもらいます!」
「私の申し出を断るのか? ぐぬぬ! ならば死ね!」
怒り心頭のスライム君。
スライムの凄まじい触手攻撃!
無数の触手が放たれる!
次々に地面に突き刺さる触手!
「何怒らせてるのよ! あんたバカなの?」
「いやな物は嫌だから! あんなのと結婚したくないから!」
「私という嫁が居るから結婚したくないのね。うん、その気持ちわかるわ」
「いいから、そんな冗談言ってる暇あったら走れ! 追いつかれるぞ!」
アウ王女が冗談なんて言ってるから、スライムが五メートルの位置まで迫って来ていた。
このままではマズい!
俺はアイテムボックスの中からスライムの砦を取り出し放つ!
いきなり現れた巨大な障害物に全身を叩きつけられるスライム君。
スライム君はしばらくの間ピクピクと痙攣していたがすぐに砦を食らい始める。
十秒も経たずに砦は綺麗サッパリ姿を消した。
俺はと言うと、アウ王女を抱えて馬車の元へと急ぐ。
アウ王女は逃げる俺に怒りをぶつける。
「なんで逃げるのよ! 今がチャンスなのよ! 倒しなさいよ!」
「倒せるか! あんなもん! 倒せるならもうとっくに倒してるぞ。俺の攻撃が全然効かないんだぞ!」
「逃げるにしてもやれる事全部やってから逃げなさいよ!」
「お前の言いたい事は解る。でもな、使える物は全部使ったんだ。だからあいつを倒すのは無理だ!」
「あれよ! あれは使ったの?」
「あれってなんだ?」
「塩よ! 私が砂漠の街で買い占めた塩が有ったでしょ。あいつは水分が有れば復活するんでしょ? 逆に水が無くなったらあいつは死ぬのよ。きっと塩を振りかければナメクジみたいに水分を奪われてカッピカピになって死ぬわ!」
「その手が有ったか!」
俺はアウ王女が以前砂漠の街で買い占めた塩の箱をスライムに投げつける。
当然スライム君は塩の箱を食らう。
すると辛さなのか水分を取られたせいなのか分らないが動きが鈍った。
その隙に頭から塩をぶっかける!
すると、あっという間に小さくなる。
面白いぐらいにな。
「うぎゃー!」
「どうだ参ったか!」
塩でシオシオになるスライム君。
それでも容赦なく塩をぶっ掛けまくってやった。
俺は容赦のない男だからな。
欠点を見つけたら卑怯と言われようが徹底的に突きまくってやる!
スライム君の上に白い塩の山がこんもりと盛られた。
「わたしがあの時塩を買い占めたおかげね! ありがとうは? ありがとうございますは?」
「あ、ありがとう」
自分のミスを誇らしげに胸を張って言えるアウ王女のメンタルは見習いたい。
スライム君はというと、塩の山から這って出て来た。
そのサイズは一メートル位まで縮みかなり可愛らしいサイズになった。
「ま、参った。殺さないでくれ」
「そうか。じゃあ魔王城の鍵をくれ」
「鍵なら迷宮の一番奥の部屋に置いてある。そんな物よりも私を貰ってくれ。私をここまで追いつめた男は初めてだ。お前に惚れた! 私を嫁にして欲しい!」
「さっきも言ったがスライムさんはちょっと……」
「見た目だな。見た目を変えればいいんだな? これならどうだ!」
スライム君はぐにゃりと変形して美少女になった。
すげー可愛い俺好みの美少女だ。
しかも真っ裸である。
「これならどうだ? 夜のご奉仕は絶対に自信が有るぞ。そこの女より絶対に気持ちいい筈だ。スライムと寝た男はその気持ちよさに溺れ二度と人間の女を抱けなくなると聞くぞ。それにその女より胸がこんなに大きいから!」
自分の胸を揉みしだくスライムちゃん。
プルンプルンだよ!
プルンプルン!
「タナオカ君、こいつを今すぐ取り込んで!」
「お、おう」
「ええ? こんなにお前の事を惚れているのにぃぃぃ!」
スライム君は哀れアイテムボックスに取り込まれた。
夜のご奉仕はちょっと興味があったが、これで一安心だ。
もったいなく無いから!
したくなんて全然無いから!
ついに俺達はスライムを倒した。
いつも読んでくれてありがとうごさいます。
やっとスライム君を倒せました。(こんどこそw)
*
(連載中)
クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱ランクの商人に偽装しました。
http://ncode.syosetu.com/n7017dt/
水土更新予定
※書籍化作業中です
スキルの間違った使い方 。~アイテムボックスで魔王討伐!~
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平日(月火木金)更新予定




