砂漠の封印の鍵争奪戦9 砂漠の鍵を守る者
地図を見ながら砂漠のアリの巣ダンジョンの最下層に辿り着いた。
地図には何処も嘘は書いて無く、罠に嵌められる事は無かった。
どうやらこの地図は信用出来るものらしい。
最下層の四十八層から女王アリの住む王室に進む。
王室と聞くとかなり規模の小さい物の様に思えるが、ここの王室に関してはその考えは間違いだ。
三十二層から四十八層までぶち抜きで作られた地下空洞の中で一番大きい建造物が王室だ。
地下空洞は巨大都市となっていた。
まるで古きSFの中でよく有った地底都市のようだ。
俺が降り立った地点からは境界が見えないほどの大空間。
ビルを思わせる高さの有るアリ塚が林立する中、十五層もの高さの有るそびえ立つ巨大建造物。
ピラミッド状の巨大アリ塚が女王の住む王室だった。
この王室に住む女王アリが魔王城の封印の鍵を守っているらしい。
かなり厳重な警備を伺わせる作りの王室だが、既に洪水の過ぎ去った後なので衛兵は殆ど見えない。
見えたとしても俺のアイテムボックスに即収納だ!
「この地図に書かれているアリの王室って大きいわね」
「本当に大きいな。まるでピラミッドだよな」
「罠とか一杯仕掛けられてるんでしょうね」
「だろうな。壁から出て来た槍に刺されない様にしろよ」
「大丈夫だって。私そんなおっちょこちょいじゃ無いから」
*
ピラミッドの中は侵入者を惑わせるようにかなり入り組んでいたが、地図を持っている俺には無意味な事だった。
ボス部屋まで一直線で進めた。
「地図有ったから随分簡単だったわね」
「おい、お前がそれを言うか?」
「なによ?」
「なんで通路の角を曲がる度に罠に引っ掛かりまくってるんだよ!」
「てへっ!」
「どんだけ俺が大変だったか! 飛び出す槍で俺まで突き刺されそうになるし! 収納遅れてたら間違いなく串刺しだぞ! ありえねー!」
「だって、壁にボタンが有ったら人間として押したくなるじゃない」
「押さねーよ!」
ありえねー!
女王部屋の扉を開けるとそこにはアリの上半身と二メートルほどの太さで四メートル程の長さの醜悪な見た目でぶよぶよとした白い胴を持つアリが居た。
間違いない。
こいつが女王アリだ。
女王アリは俺の水攻めに激怒していた。
「水攻めなんていう汚い真似をする人間め! 正義の鉄槌を下してやる!」
「タカヤマ、女王が滅茶苦茶怒ってるわよ! なんかあんたの事を汚いとか言ってるわよ!」
「俺は汚いのが売りだからな! そこは褒められてるようなものさ。ふはははは!」
「あれだけ我が子達を殺しておきながら反省の色も無いのか! ならば最初から全力で叩き潰すのみ!」
女王アリはアリの成体を次々に産み出した。
その数百匹!
いや、それ以上!
床一面が黒いアリで覆われた。
「普通アリって卵を産むんじゃないのか? いきなりアリを産み落とすってお前の方が汚いじゃ無いか!」
「だから全力でいくと言ったろう! 一瞬でお前なぞバラバラに食いちぎってやる!」
「俺がやられる訳が無いだろ!」
俺は全力でアリを取り込む!
「ぐおおおお! 一匹残らず取り込んでやるぜ!」
アリは俺に一斉に襲い掛かる!
有る者は顎で、有る者は唾液で攻撃してくる!
俺はそれを構わず取り込んでやった!
すぐに辺りからアリが消え失せた。
「ぐぬぬぬぬ! 人間の癖になかなかやるな!」
女王アリも負けていない!
凄まじい勢いでアリを産み出す!
俺の収納と女王アリの出産が拮抗している!
「なかなかやるな! 人間!」
「お前もな!」
戦いの中で生まれる異種間の友情。
俺達は互いに称えあった。
「ならばこれならどうだ?」
光り輝く女王アリ!
そして光が収まるとそこには一人の女が現れる。
その身体はエッチ過ぎる!
思わずむしゃぶりつきたくなるその身体!
ナイスバディのお姉さんがそこに居た!
女王アリは人化したようだ。
「これだけ強い男は見た事無い。しかも人間でこの強さは聞いた事が無い! 惚れた! 惚れたぞ! わらわはアリーじゃ! わらわはお前とつがいになる事を決めた!」
「なに人の旦那に向かって寝取り宣言してるのよ!」
「わるい、俺はアリとの子作りプレイとか無理だから! 絶対無理っす!」
「ならばこれはどうじゃ?」
女王アリは怪しいダンスを踊り始めた。
すると辺りを覆い尽くすピンクの霧。
どう見てもフェロモン。
あー、これは吸ったらダメな奴だ。
吸った途端、魅了されそう。
面倒なので取り込みだ!
「うおおおお! お前を取り込んでやるぜ!」
「取り込まれてなるものか!」
元が巨体だったせいか、すげー重たい。
すげー取り込みにくい!
でも頑張る!
「どりゃああああ!」
そして頑張った!
突如フッと消える超重量!
女王アリを取り込んだ!
ついにやったぞ!
やった!!!
「あんたの事好きとか言ってたけど、取り込んじゃってよかったの?」
「いいんだ」
「ちゃんと断らなくて良かったの?」
「断るも何も俺は絶対にあいつとは付き合わん!」
「結構いい身体してたのに?」
「元はぶよぶよの腹してたし! それに何人も子供いるおばさんとか要らねーし! それにさ嫁はアウ王女だけで十分だし」
これ以上面倒な女は増やしたくない。
「えっ、えっ? なんかすごく嬉しい事、タナオカ君が言ってくれた! あたしの事を好きって言ってくれた! すごく嬉しい!」
「えっ?」
アウ王女は俺の言った言葉を完全に違う意味で取ったみたい。
顔を真っ赤にして照れていた。
するとアウ王女から声が!
「上よ!」
天井にアリが張り付いていて俺とアウ王女に向かって唾液を吐いていた。
唾液は目前に迫っていた!
俺はアウ王女を突き飛ばす!
アウ王女は唾液から難を逃れた。
そして俺も逃げる!
だが手遅れ!
唾液が俺の右肩にかかる!
俺に奔る激痛!
そして腕が溶け落ちた!
「うぎゃー! ぎええええ!」
いてーよ!
いてーよ!
いてーよおおお!
床を転げ回る俺!
天井で兵隊アリが奇声上げて喜んでいる!
「ビュッ! ビュッ! ビュッ! ビュッ! ビュッ!」
再び吐かれる唾液!
しかも避けようの無いぐらいの数!
新たなる唾液が俺を襲おうとしていた!
いつも読んでくれてありがとうごさいます。
*
元ネタの『クラスごと集団転移』もよろしくお願いします。
(連載中)
クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱ランクの商人に偽装しました。
http://ncode.syosetu.com/n7017dt/
水土更新予定
※書籍化作業中です
正しいスキルの使い方 。~商人の俺がアイテムボックスで魔王討伐!~
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平日(月火木金)更新予定




