護衛クエスト2
商団が辿り着いたシルマインは採掘を生業とする鉱山都市だった。
街に入ってすぐの検問で捕まえた野盗達を衛兵に引き渡す。
「おつかれ! 野盗を捕まえてくれたんだな。依頼票にサインを入れておいたから、あとで冒険者ギルドの方に報告しておいてくれ」
衛兵は達成のサインの入った依頼票をアレスさんに返す。
アレスさんはニコリと笑いメンバーを連れて街に入った。
街に入ると鉱石を山積にしたトロッコが行き交い、多くの工房から煙を上げていた。
アレスさんがチームメンバーの男に話しかけた。
名はジンと言うらしい。
「宿を取る前に、先に報告いくか」
「俺、有り金尽きてるので先に行って貰えると助かります。それにしても、たった片道で護衛依頼が終わるとは思いませんでしたね」
シルマインの冒険者ギルドで商隊護衛と納品クエストの報告済ます事にした。
シルマインの冒険者ギルドはエストのギルドと比べるとかなり埃まみれで煤けている感じで、規模もかなり小さかった。
やはりこの都市の殆どの人は鉱山関係の仕事に就いていて冒険者が少ないらしい。
だからエストの街を本拠地にする青春騎士団に指名依頼が来るんだなと納得した。
アレスさんから護衛クエストの報酬を均等配分したものを受け取り、個人的に受けた搬送依頼の報酬も合わせるとかなりの額になった。
俺の場合は二十七万八千ゴルダ。
内訳は護衛依頼が十四万ゴルダ、護衛依頼の特別報酬が十万ゴルダ、配送依頼が三万八千ゴルダだ。
残金と合わせるとおよそ三十五万ゴルダ。
久々に大きな収入の入ったチームメンバー達は大喜びだ。
俺もこれにはかなり大喜び。
これで当面のお金の心配が要らなくなった。
「二週間の予定の仕事だったのに、たった一日で依頼達成するとかボロ過ぎる仕事だったね」
「よーし! 金も手に入った事だし、宿を取ったら飲みに行くぞ!」
「おーう!」
こうして来た飲み屋。
みんな懐が温かいのでみんな顔がほころんでいる。
「いやー、タナオカさんが野盗をあっという間に倒してくれて助かったよ!」
「野盗が7人だったから俺達と同じ人数だったろ? タナオカが居なかったら危なかったな」
さすがにこれは社交辞令みたいな物だな。
俺が気絶させた後にあの野盗をよく見てみたんだけど、まともな鎧を着てなかったし武器もかなりの安物だったしで、あれは多分農民崩れの野盗だ。
多分アレスさん一人でも退治出来たはず。
これは新たにチームに加入した俺へのリップサービスだろう。
「タナオカ君が居なかったらまた死人が出てたかもね」
ニケさんも俺にリップサービスをする。
ニケさんの場合は言葉じゃ無く、物理的な接触のリップサービスでもいいんですよ。
まあ、それは置いといてと。
死人か?
このチームって結構死人が出たりしてるのか?
もしかしてかなりヤバいとこに入っちゃったのか?
おれは恐る恐る死人の事を聞いてみた。
「死人?ですか?」
「ああ、タナオカは知らないかもしれないが、十年前にチームを作った時は俺達三十人も居たんだぜ」
「三十人も?」
「そうだ、三十人も居たちょっとした大所帯だったんだ。それがな、今は五分の一の六人さ。あっ、タナオカを入れたら七人か」
「タナオカ君入ってくれたからちょっと増えたよね」
「期待の新人だぜ!」
「三十人も居たのに六人? そりゃまた随分と減ったんだな」
やべぇ!
このチーム、とんでもない地雷チームなんじゃね?
こんなに死人が出てるとは思いもしなかった。
ニケさんの色香に惑わされてとんでもないとこに入っちまったよ!
どうする?
俺?
計算が多少合わないと思いますが、宿代や飲食等の生活費で使い込みました。




