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ヴィオラからの贈り物

「………ねぇ、すごく言い出しづらいんだけど、そろそろ教会に向かわないと午後一の礼拝の為に人が増えてゆっくりステンドグラス見れなくなるよ?」


「えっ!?午後一の礼拝!?そんなのあるの!?」


信者でもなんでもない私はそんな時間があったなんて知りもしなかった。


というか正直、みんなでお祈りとかできれば面倒なのでごめん被りたい。


「………あの、私はもう平気です。なのでもう行かれてください。」


「え……。」


花かごを抱き寄せる手の反対の手に持っていたハンカチを少女は私へと返してくる。


しかしどう考えても腫れはもう少し冷やしておいた方がいいと思う。


確かにこうして私が付き添っている理由はないかもしれないいけれど、このままハンカチを受け取るのは気乗りしなかった。


「……そのハンカチは貴方にあげるわ。」


「え……?」


「まだ冷やしていた方がいいと思うもの。あ、そうだわ!あとこれも。」


私はポケットからあるものを取り出し、彼女に差し出す。


それはこの間行商人がおまけでくれたバレッタだった。


(遊んでる最中お金が無くなったら換金しようと思って持ってきておいてよかったわ…)


私とバレッタを見て戸惑う少女の手に私は無理やりバレッタを握らせた。


「女の子はみんな磨けば可愛いく、美しく光る原石なの!自分を汚いだなんて思ってるなんてもったいないわ!……さっきも言ったけど、汚れは落とせば落ちるわ。貴方が自分を汚くないと思えるほど汚れを落とした後、これを付けてみて!きっとすごく似合って可愛いと思うわ!」


「…………。」


バレッタを握る少女の手を私は覆うように握った。


前髪とか長くてよく顔は見えないけれど、きっとかわいい女の子な気がしてならない。


そんな女の子が俯いているなんてかわいい女の子大好きな私には耐えられない。


少しでもこの子が自分に自信を持てますように。


そう願いながら私は少女から手を離した。


「………では、そろそろ案内をお願いしましょうか。」


「えぇ、そうね!」


空気を読んで声をかけてくれるフォルテに私はうなづいた。


「それじゃあね!」


私たちは少女に別れを告げて今度こそ教会へと向かったのだった。

今回もご拝読ありがとうございました!

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