5わん
――迫りくる巨鳥
「しょうかん!」
キラッ
――ドスッ
「ゴゲッ」
大きな落下物が、コカトリスの背に刺さっている。
円筒形の筒に剣のように尖った棒がついた大きなあれだ。
「悪い鳥さんにはぁ、しぃちゃんの嫌いなこれぇー!」
白い影がコカトリスの背中の物体に飛び乗る。
すると、その衝撃で透明な円筒形の筒がピストンのように下がっていく。
「コガ?!!?!」
内部の液体が体内に注入されていく。
コカトリスは驚いたような雄叫びをあげて暴れる。
「――はいはーい、痛くない痛くない〜
起きたら全部終わってるからね〜っ」
みるみる動けなくなり、フラフラしだす。
「コッ⋯⋯コッ⋯⋯ココ⋯⋯」
――バッターーーーンッッ
とうとう倒れた。
「――たお、したの?⋯⋯」
「わふふっ」
得意気な顔で、飛び乗りる。
「でも――何これ?」
「お注射!
寝ちゃって何にもできなくなるんだよね〜」
「そうなんだ――
ハハッ⋯⋯よかった助かっ――たぁ」
気が抜けたのか、崩れるように倒れたエル。
「わふ?!エル?!!」
「おーい!!君たち大丈夫か?!」
ギルドの冒険者たちが駆けつけた。
「エルがぁっっ、わふふわぁーん」
「ちょっと見せて!」
羊のようなもふっとした女性がそう言って駆けてきた。
「息はある。極度の疲労と足の一部石化、大丈夫。これなら治るから」
手当されながら、エルは運ばれていった。
「よがっだぁぁぁー」
泣いてうるさいので置いていかれ、ギルドの冒険者たちから質問責めに⋯⋯
「コカトリス?!B級?!」
「きみたちが倒したのか?!」
「生きてるのか?!」
「うん、お注射して寝てるの」
犬の獣人が巨鳥のくちばし付近に近づくと、たしかに寝息が聞こえた。
「B級の生け捕りなんて、すごいなおまえ!!」
「きみの名前は?」
「しぃちゃん」
「とりあえず、こいつはギルドで引き取らせてくれないか?」
「こかとりさん?」
「ああ、そうだ!暴れられないよう捕獲しておくよ」
そう言うと手際よくコカトリスを縄で縛っていく。
「俺は副ギルド長のケイ、話も聞きたいし一緒にギルドにきてくれるか?」
シェパードみたいな獣人がそう言ったとき、大きな唸り声が⋯⋯
ぐぅぅ〜〜〜
「しぃちゃん、お腹すいたぁ」
「わははっ――朝飯まだだろ?ギルドで出すぜ」
「やったぁ〜早く行こー!」
ダダダーーー!
待てずに走っていく影。
「元気なやつだな〜」
歴戦の冒険者たちも呆れる速さと体力。
「⋯⋯
ちょっと待てー!!ギルドはこっちだ!」
気づいたケイに追いかけられ、方向転換させられるのだった。
つづく




