3わん
ざわざわ
「⋯⋯あれ!
帰ってきたぞー!」
変な少女のおかげでなんとか村に着くと、心配した村人たちに出迎えられた。
「エル、無事でよかった!」
「大丈夫?!」
「皆ごめん、魔物の群れに襲われて足ひねっちゃった」
「しぃちゃんが助けたんだよ!」
黄色い細長いものが言い、誇らしげにしている。
じーーー⋯
村人からは怪しいものを見る目で見られている。
「⋯⋯この黄色いのは?」
「そうそう、ちょっとこの子変わった格好だけど、なかなか強い獣人で!ここまで支えてくれて、無事に帰ってこれたのもこの子のおかげ!」
手当を受けながら、口早に説明した。
「そうなのか??」
「仲間を助けてくれてありがとう」
「えへへ!頭の中の声さんが「お礼もしたいし、うちに泊まっていってよ!服もかすしーっ」
これ以上、怪しまれても⋯⋯
「?そうだな、じゃあお母さんにも伝えておくよ」
「あーうん、ありがとう」
うちに到着し、支えられながらソファに腰掛けた。
「ありがとう」
「わふーん!」
シィは撫でてくれとばかりに目をキラキラさせている。
「⋯⋯え?」
黄色いとんがりがなんかこちらに向いている。
刺さないよね⋯⋯?
「⋯⋯」
「なでなでは?」
とんがりを撫でればいいのか⋯⋯?
「⋯⋯撫でてほしいの?」
「わん!」
わさわさわさわさ
果たしてそれでいいのかわからないが、とんがりを撫でてみた。なんか違う気も⋯⋯
「ここがエルのおうちか!なんか角とかいっぱいー」
「狩人だからさ、普段は動物や魔物を狩るのがお仕事。でも群れで来られるとさすがにね」
くんくん匂いを嗅いだり、部屋の中を歩き回っている。
「シィはすごいね」
「あう?」
部屋の匂いを嗅ぎながら、きょとんとしている。
「あの魔物の群れを追い払うなんて、なかなかだよ」
「わふふーっ」
バンッ
「――エル!!」
「げ母さん」
「もう、何やってんの!?!?
心配したんだから!!」
バシッ
けが人でも容赦なくはたかれた息子。
母はゴールデンレトリバーという犬の獣人で、幼い頃に森に捨てられたチータ族の自分を拾って、女手ひとつでここまで育ててくれた。
「いでっ」
「これだから、あんたはっ⋯⋯くどくど」
ひとしきり、お小言を言われ終わると、黄色いのに目がいった様子。
「⋯⋯で、そちらは?」
「森で助けてもらって」
「しぃちゃん!」
「あら可愛い♪」
いやいやいやいやいやっ
「え普通に見て、おかしくない?」
「まー少し変わってるね」
「それだけ?!」
さすが、チータ族の捨て子を育てた犬母は肝がすわっている。
「昔エルのために買った服着る?娘が欲しかったから、着てもらえるとうれしいわ〜」
幼いときは髪が長く可愛い容姿だったせいか、女装させられたことがあり、その流れでたくさん服を持っていた母。
「複雑だけど⋯⋯まぁ、いまはありがたいよね」
この服では怪しすぎるし⋯⋯
「しぃちゃん、これがいい!おねえちゃん可愛いって言ってたもん」
「いやいやいや、あなたは着替えてください」
「むー」
むくれ顔でぶーたれるシィさん。
「シィちゃん、これからおいしいごはんよ〜せっかくお気に入りのお洋服なら、汚さないように着替えようか〜」
「うーん、わかったー!」
シィは少し悩んで意外とすぐに納得してくれた。
さすが子育て経験者。
待つこと少し⋯⋯
「可愛いがすぎるわーっ!」
!!
つづく




