表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メモリーズ(仮)  作者: 御厨 郁葵
第一章 旅立ち編
30/32

25.5話 その頃冥界では

いかがお過ごしでしょうか。

私はまだ元気です。

今回は、26話の前段階として、前回のsideシアンafterを悠斗目線でお送りします。

それではどうぞ。

ーーside 悠斗


時は少し戻り、冥界。


「…………シアン、マスター権限だ。止まれ。」

「……はい。」

シアンが止まった後。

「ごめ……ん、ちょっと……助け……て……。」

「え? マ、マスター!? うっ……」

[最低のタイミングでなにやってるんですか!]

俺が正気を取り戻したのも束の間。シアンも頭を抱えて苦しそうにし出した。

「せ……洗脳が……弱まって……いる…………やめ……こわ」

「ううっ……ぁぁぁ……」

[ああもう埒があかない! 職人!]

[はい なんでしょうか ▼]

[あれ持ってきて! 聖]

[了解 しました ▼]

職人が小さな瓶を持ってきて、俺たちめがけて投げる。

地面に落ちて割れた瓶から霧が出てきて……

「……あれ? 治った?」

「……そうみたいだな。今俺どうなってる?」

[ええと、星の加護が付与されてる以外は正常です]

後で分かるが、この星の加護ってのが俺の右目の発光の原因だったらしい。

「……いろいろとすまないな。」

「ええと、どういうこと?」

「ああ、それが……」



「……なるほどね。その村上って人がかけた洗脳で」

「俺と秋葉がああなったって訳。多分あの仮面の仲間だと思う。」

[まあ十中八九そうでしょうね]

情報共有完了。

「シアンの頭痛はどうなんだ?」

「今は治まったよ。原因はわからないけど……。」

[おそらくその洗脳のせいですね]

「「え?」」

なんでシアンに?

[あの洗脳、実際は一部の想いを肥大化させて人を壊すというからくりのようです]

「つまり?」

[悠斗さんは弱いことと死についてのコンプレックス、秋葉さんは飛べないことへのコンプレックスを大きくさせて破壊衝動を促進さてすぎた結果があの洗脳です]

……あんまりよくわからない。

「で、それとシアンの頭痛に何の因果が?」

[洗脳の一部がマスターを通じて伝わったんでしょう。心を壊すには至らなくても頭痛が起きるでしょう]

……そんなものなのか。

「で、その洗脳が解けたからもう大丈夫ってことか。」

[でも、しばらく様子を見る必要がありますね]

「なんで?」

[再度洗脳されたらもとも子もないですよ。]

確かに。

「じゃあどうすればいいの?」

[洗脳されたふりのまま戻るのが最適だと思います]

「ここにしばらく留まっておくのは?」

[逆に怪しまれると思います]

……そうか?

「まあ……じゃあ……そうするけど。」

そう言って、遠くのテーブルに置いてある、修理していた万能ツールを回収しにいくと

「ねえ、マスター。」

シアンが腕をつかんできた。

「急にどうした?」

「ええと……これまで、結構マスターを乱暴に扱った気がするの。」

「超今更なんだが。」

「それで……その……謝りたいと言うか……」

「ああ、別に気にしなくてもいいよ。」

「で、でも、それじゃ私の気がすまないの。」

「いや、本当にいいよ。マジで気にしてないから。

「でも……」

「ああ! わかったわかった! シアンが一度謝って俺が了承。それでこの話は終わり! はい謝る!」

「え、あ、ご、ごめんなさい。」

「はい! 終わり!」

……後から考えたら勢いに任せすぎてたな。

「……なんか納得いかないような。」

「じゃあ権限。権限的なアレ。今後クヨクヨするの禁止。罵詈雑言オッケー。それでいいな?」

「マスターってMなんですか?」

「それでいいんだよ。いや、良くないわ。……いや、もういいわ。」



で、これから戻るって訳だけど

「結局洗脳されたふりで戻ればいいんだよな?」

[はい]

「洗脳ってどんな感じだった?」

[感情がなかったですね]

「終始無言で技を使うとき以外喋ってなかった。あと技名も棒読みだった。」

破壊衝動を促進されてたのに?

「感情マシマシじゃなきゃおかしくないか?」

「確かに。」

[その辺りはよくわからないです]

「駄目じゃん。」

そんな曖昧設定で戦えるわけないし、第一

「俺って感情が大きいほうだと思うのよ。そんな俺が感情殺すことできると思う?」

「無理じゃない?」[無理ですね]

だよな。

「じゃあどうすればいい?」

「……」[……]

沈黙。

一応俺も考えてみるが、多分無理と思う。

不意打ちがきたら絶対に一言漏らしそうだし。

「……禁忌だけど、一つだけ方法があるわ。」

「というと?」

「メモリーチップを改造する。」

え? どういうこと?

「まず、機械族であるマスターにはメモリーチップっていうものが存在するの。」

「それはどんな物なん?」

「機械族にとって心臓みたいなものね。記憶と精神と肉体がそのチップに埋め込まれてるの。」

へー。

「結構重要そうだな。」

「ええ。マスターが生き返れるのはメモリーチップのバックアップが存在するからなの。」

へー。初めてしった。

「じゃあ、機械族は全員実質不死身ってことか?」

「いいえ。本来あくまでバックアップだから作ったときの復元しかできないし、消耗品だから不死身ということにはならないわ。」

……よく出来てるな。

「じゃあ何で俺は記憶を保持したまま復活できてるの?」

「マスターのメモリーチップは凄く特殊なのよね。」

[記憶自動バックアップ、自動再生成、半永久持続塊を兼ね備えた世界唯一無二のメモリーチップですね]

「そんな凄いもの俺が活用しちゃっていいのか?」

「まあ、そんな凄いものを創れるのは先輩だけだろうからね。」

[あの人の終活があなたです]

……凄いものを頂いちゃったな。

「で、そのメモリーチップをどうするんだ?」

「感情のパーツだけ抜き取ります。」

「そんなことできるん?」

[失敗したら二度と感情が戻らなくなります]

「怖っ。成功確率は?」

[5%もないです]

「却下却下! 絶対無理!」

全力で否定した。

生き返れらせてもらって、体も貰ってる身でもあり、贅沢が言えないのはわかってる。

でも、自分の一部が欠けるのも嫌だ。

「……でしょうね。じゃあ、バックアップの更新を止めることは?」

「どういうこと?」

「メモリーチップのバックアップの更新を止めたら、その時点での形状が維持されるので、万が一失敗しても大丈夫なはず……です。」

「なんで一瞬躊躇った?」

「今までやったことがないから、確証が持てないだけです。おそらく大丈夫でしょうけど……」

「……まあ、それしか方法なくて、失敗の脅威がそこまでなかったらそれでいいけど。」

[了解しました。それでは、バックアップの更新を一時停止しますね]

そのパネルの文字を見たのを最後に、俺の記憶は飛んだ。



「……なんとかやりましたね。マスター。」

[ええ。見事な演技でした]

「え……?」

次の記憶はシアンが喜んでいるところからだ。

「えっと、どうなったんだ?」

「どうなったって、え? 覚えてないの?」

[まあ、そうでしょうね。バックアップ設定戻しておきますね]

「あ、そうか。確かにそうよね。バックアップで復活するんだから、バックアップの後の事を覚えてるはずないわね。」

「えっとつまり、どういうことだ? 成功したのか?」

「ばっちり成功よ。」

……らしいです。あんまり実感ないけど。

「けど、俺が復活したってことは死んだんだろ?」

「ええ。リムにやられて死んだわ。」

「よりによってリムかよ!」

マジでスライム以下の存在になりかけている。

「それにしてもマスター、剣さばきが以前と比べ物にならないくらい上達してますね。」

「本当か?」

以前シアンと一緒に戦ったのは飛龍の時のはずだけど、そこから上達する要素無かったわような気が……

まあ、それ以前はあったかって言われると、冥界で貰った剣の心得くらいしかない訳だけども。

[実際に先頭能力は向上してましたよ。場数を踏んだお陰ですかね?]

「場数……場数ね。」



「ところでマスター、言い出すタイミングが無かったので言い出せなかったですが、その眼帯なんですか?」

「ああ、この眼帯?」

そういえば眼帯着けてたな。ってか取れなかったのか。凄いな。

というか、生き返るときに眼帯も復活するのか。

「なんか右目がこれまでにないくらい発光してな。」

[それが光の加護ですね]

「効果は? 全く聞いたこと無い単語だけど……。」

[……私もわかりません]

「おいっ!」「あれっ?」

[私のオリジナルは貴女なのですから、貴女がわからなければ私もわかりませんよ]

「あ……そっか。」

その割には高性能な気もするけどな。

俺がシアンの素のスペックを見たことが無いってこともあるけど。



……とまあ、一度生き返ってから結構冥界にいるんだけど

[……そろそろ戻らないとマズイかもしれません]

「マジ? もう夕飯の時間?」

「そういえば今日は昼ごはん食べてないな……。」

[間違ってはないですが別件です。これ見てください]

パネルに戦場の様子が映し出される。

って、なんで全員集合してるんだよ。城はどうした。城は。

「あ、仮面男。」

シアンが指差した方に仮面男はいた。

と、次の瞬間、仮面男がビームを撃った。

「……これ、やばくね?」

「あ、でも大将が!」

大将がスキャンしてその場は凌いだようだ。

「流石大将。」

[貴方もスキャンが使えるので出来ますが……]

「え? 俺のスキャンもああやって攻撃吸い込むことできるの?」

[ビーム系に限りますがね]

へー。てっきり大将のスキャンが万能になっているのかと。

「あれ? 魔方陣が貼られてる。」

「ヤバイやつなのか?」

[少なくともあそこから動くことは不可能でしょう]

……十分ピンチじゃねえか。

「で、今どういう状況?」

[秋葉さんの魔力が吸いとられ、さっきのビームの二発目が来そうです]

「大将は?」

[負傷]

「魔王サマは?」

[共に負傷]

「拓生とかは?」

[動けません]

「勝ち筋は?」

[おそらくないかと]

駄目じゃねえか!

「どうすればいい!?」

[仮面男が撃つビームを貴方がスキャンすれば一時的に難を逃れる可能性かあるかと]

「……俺にできるか?」

[難しいですね。でも、やらないと全滅です]

……そうか。

やるしかないのか。

「わ、私は何すればいいの?」

[秋葉さんの洗脳を解いて回復させるのが先ですね]

「えっと、どうやればいいの?」

[さっき職人が投げた瓶を用意しておきました。それを使い、秋葉さんの魔力を回復させたら万々歳でしょう]

「了解。なんとかやってみるわ。」

シアンもやることが決まったみたいだ。

「それじゃ、行くか!」

「ええっ!」

[行ってらっしゃいませ。御武運を]

シアンと共に帰りのポータルをくぐった。


という訳で25.5話でした。

さて、次回ですよ。次回。

正直、次の26話が結構なターニングポイントだと思っています。

……そのターニングポイントにふさわしいクオリティになるかは微妙なところですが。


次回[なにやってるんですか……]

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ