22話 虎対峙
戦闘を書くのは全然得意じゃ無いのに戦闘回です。
いつもの通りのグダグダ感はもう拭えませんね。
それでは22話をどうぞ。
虎柄ベストのおっさんに睨まれています。助けて。
「おうおう、どう落とし前つけてくれるんだ?」
「落とし前と言われてもですねぇ……」
大将が談義に入る。
「元々、近隣住民から龍に関する苦情が来てたらしいんですよ。その依頼で来たわけで……」
「……その依頼したの儂なんだが。」
「へ?」
大将がすっとんきょんな声を出す。
「儂はなぁ、こいつ達のこと言ってるんだ。」
おっさんが出したパネルには三人組の青年が映ってる。
俺より年上かな?
「うげっ!」
俺の周りで声がした。……男の声か?
今ここにいる面子を見る。
大将……位置的にも声的にもない。
魔王サマ……声的にないと思う。
ゆかり……声的にない。
秋葉……声的にない。
シアン……声的に(ry
マイ……声(
ピュイ……そもそも違う。
リム……声聞いたことない。
……リムなのか?
ってか俺らしかいないんだな。あの大人達はどこいったんだろ?
「おうおう、そんな声出すってことは心当たりがあるんだな?」
そう言うおっさんの視線の先は……
「俺?」
「逆にお前以外に誰がいるんだ?」
それ俺が今一生懸命考えているんですけど。
「少し高いけど男の声だったろ? 大将さんは違うだろうし、そこの魔王さんでもないだろうし、消去方でお前しかないだろ?」
俺もそう考えてるんだよ畜生。
「俺、その人達に会ったこともないんですが。」
「ん? そうなのか?」
「はい。というか何があったんですか?」
「なんか襲ったところを返り討ちに合ったとか。」
「それ自業自得じゃ……」
「まぁ、そうなんだろうがな、あいつらが
「「「父さん、やられっぱなしは嫌だからやり返してくれ!」」」
って言ってくるもんでな……」
あれ? 悪い人じゃなさそう。
「まあいい、その人と戦いたいんだが知らんか?」
「その人の特徴みたいなのは?」
紬がおっさんに聞き返す。
「ああ、男にしては気の弱そうな奴だったから襲ったとか言ってたな。」
「悠斗じゃん。」
「紬!?」
紬がなんかなすりつけてきた。
「悠斗めっちゃ気弱いのじゃん。ほら、中3の夏……」
「バカやめろ! その事忘れろって言ったろうが!」
「忘れる訳ないって。忘れる方が難しいよ。」
「ったく……もう言うなよ。」
軽く黒歴史なんだから。
「つまりお前がやったのか?」
「やってないって言ってるじゃないですか……。他に特徴ないんですか?」
「なんか強そうな魔法バンバン使ってきたらしいな。」
「じゃあ悠斗じゃないね。」「そりゃマスターじゃないね。」「じゃあハルトじゃないね。」
「おい!」
紬とシアンと秋葉が同時に全否定してきた。
[疑いが晴れてよかったですね]
「よかったけどよ、なんか癪……。」
「さあさあ、どんどん特徴聞いていきましょう!」
「他になにか言ってたかなぁ……あ、そうそう、反射神経がヤバかった的なこと言ってたな。」
「兄ちゃんか?」[マスターですかね?]
「あれー?」
また俺説が出てきた。
[マスター、反射神経だけは良いですよね]
「だけとはなんだ。だけとは。失礼なっとい!」
眼前に飛んできた槍をギリギリかわす。
「確かにな。凄い反射神経だ。」
おっさんが投げてきたものだった。
「で、他に特徴は?」
「他なぁ……あ、凄い怪力だったと言ってたな。」
「「「じゃぁ違うね。」」」「「じゃあ違うな。」」[違いますね]
マイ以外の全員が口を揃えて否定した。
「そうなのか?」
「「「「[「だって非力だし」]」」」」
「こらぁぁ!」
分かってるよ。分かってるけどよぉ!
「じゃあ違うのか。」
納得された。なんか悲しい。
「というか何でここに来たんですか?」
一番疑問なことを尋ねる。
「ああ、これに導かれてな。」
おっさんはペンダントを見せてくる。
4色の四角い宝石がはまったペンダントだ。
「導きのペンダント。儂らの運命を決めてくれたものだ。」
「「運命?」」
紬と俺が同時に食い付く。
「ああ、ペンダントの導きは儂ら家族を上手くやってくれるんだ。」
なんか宗教味が増してきた。
「というと?」
「妻に先立たれて借金地獄だったうちだったんだかな、ペンダントの導きに従うとなんとかなったんだ。」
思ったより重かった。
「おっかしいな、ここにいるって告げられたのに……」
「何か他に言ってなかった? 目が光ってるとか。」
「俺じゃねえか。」
「いや、そんなことを言ってなかったな。」
「じゃあ違うな。」
明らかに俺の眼は特徴的だし。それがなかったら俺じゃないって証明だし。
「……いや、そういえば少し言ってたな。」
「ん?」
「スライムを連れていたと。」
「俺じゃねえか!」
「てりゃぁぁ!」キィン!
「何でだよ!」カァン!
斧を傘で受け止める。
あれ? なんかデジャヴ。
「どうしてこうなってるんだよ!」カァン!
「容疑者として戦っているんだろ!」キィン!
そう、容疑者として逆襲されている。
「俺と違うんだろ! 怪力なんだろ! まほうつよいんだろ!」カァン!
「実際見つからないからな! 代わりに倒されてくれ!」キィン
「ほんとになんでだよ!」カァン!
そう。何故かわからない容疑者の代わりに戦っているんだ。
こんな理不尽なことある!?
「がんばれー。」
「負けるな兄ちゃん!」
「が、がんばってください!」
「なあ、どっちが勝つと思う?」
「悠斗じゃないと思う。」
[秋人さんかと]
「ハルトは……そもそも戦えるのかなぁ?」
ギャラリーが盛り上がってるがこっちはそれどころじゃない。
傘をどうにかしておっさんの武器を弾く。
バトルアックスだろうか? 随分と大きな斧で。
というかシアンはこんな時にもギャラリーなんだな。
「おうよ、そんな弱くてよくあいつらを倒せたな!」ブンッ!
「だから会ってすらないっつってるだろ!」カァン!
めっちゃ攻撃が重い。魔王サマの大剣が嘘のように重い。
傘の耐久力が凄いな。
……そういえばこれ傘だったな。
……開けるかな?
「おらぁ! よそ見かぁ!?」ブゥン!
「っ!」ガッ!
開いた傘がガードする。
「おおっ! じゃあこれはどうだ!」
とおっさんが飛び上がる。
「おらっ! [極 破水弾]!」
いつか見た弾が斧から飛んでくる。
それを……
傘で防いだ。
考えたら傘は水を防ぐものだから正しい……のか?
ってかなんか傘が水を帯びてるんだけど。
「じゃあこれはどうだぁ!」
ボォッ! という効果音で斧が燃えた。
水が出たり燃えたりえらい便利な武器だな。
「てりゃぁ!」
「ヒィッ!」カァン!
重くて熱い一撃を受け止める。
そして水を帯びた傘が元に戻った。
「もう一発!!」
「ヒィッ! 」バキッ!
……傘が折れた。
「もっとだぁ!」
「あ、ちょ、まっ、……」ガキン!
足下の魔方陣が俺と斧の間に挟まってきた。
……まじでありがとう。
「そこだぁっ!」
「が……ぁ……」
体が宙に舞った。
横腹に斧の一撃をくらいぶっ飛んだようだ。
ヤバイ、ガチだこれ。
魔王サマ戦は手加減してくれた感があったけどマジで殺しにきてる。
折れた傘をスキャンで収納して立ち上がる。
「おお、耐えるか。だが次は耐えれるかぁ?」
なんか力ためてる。
……マジでどうしよ。
「ふ、ふ、[フリーズタイム]!」
声が震えるけどとりあえず止まってろ。
受け止める武器ないし、斧結構デカイから避けるのきついし……。前こんな状況のときどうしたっけ……
「あれ? マスターも相手さんも止まってるよ?」
「秋人さんは兄ちゃんの攻撃で止まっているようだが……兄ちゃんは何してるんだ?」
「ど、どうなるんでしょう……?」
「ってかここからあいつが勝つ方法あるのか? あいつの攻撃って傘とアレだけだろ?」
「どっち道、悠斗は2撃でやられるんだから時間の問題だろうけどね……。」
[マスターが勝つ確率0%です]
「あれ? ハルト、急に歩きだしたけど……?」
結局思い付く方法はこれしかない。結構外道な気がするけど。
左手に折り畳みの方の傘を持ちおっさんの前に立つ。
そして右手を開いておっさんの顔の前に突き出す。
そして目を瞑る。あとはおっさんが動き出した瞬間……
「あれ? なんでそこに」
「今だ[発光]!」
辺りが閃光に包まれる。そして傘を開き飛ぶ。
「くっ、何をし……ってどこだ?」
俺を見失ってるおっさんの真上から
「[スターダストレイン]!!!!」
右手から光る小さな数多くの弾がおっさんにヒットする。
からの右手を横に突き出し
「[創造]!」
大きな立方体を造り、右手から伸ばしたフックショットでそれを掴みおっさんに叩きつける。
決まった。
おっさんは……一辺1mの立方体の下に潰されてる。
多分息はあるだろう。殺してたら大問題だけど……あ、足が動いてるから大丈夫だ。
と、みんなが駆け寄ってきた。
「悠斗……目が……。」
「ん? ああ、この電灯の光弱めたし、多分大丈夫だと思うぜ。」
右手に懐中電灯+13を出現させる。
多分網膜はやられてないと思うけど。その為にフリーズタイムの効果切れるの待ったし。
「そうじゃなくて……」
「ハルト、これ見て。」
そう言われて秋葉の方を……って、眩しっ!
咄嗟に腕で目を覆う。
「なにそれ?」
「なにって、鏡なんだけど。」
「鏡?」
「またマスターの目が発光してるのよ。」
左目で秋葉の方を見る。確かに鏡……ってデカイな! 半径50cmくらいの丸鏡なんてどこで手にはいるんだよ……。
なんて話してると
「フッ、やられたな。」
おっさんがフラフラとやってきた。
「けどまあ、これはわかるわ。結構くやしい負け方だからな。復讐してくれってのもわからない話でもないな。」
最初……というより終盤まで押されっぱなしだったし……って、
「だから俺じゃないって! 言ってるじゃないですか!」
「あ……それなんだけど……」
魔王サマがボソボソと言い始めた。
「それ……多分俺です。」
「それって?」
「だからその……復讐しろって言われてた……対象が。」
……マジかよ。
「あー、そうか。じゃあなぁ……」
おっさんが斧を地面に突き刺す。
「儂は今日は無理だわ。また明日以降頼むわ。」
「あっ、はい。」
こっちの話は済んだようだ。
「いやー、けどまあ、まさかこんなに強かったとはなー。」
おっさんが近づいてきた。
「どうだ? うちの舎弟にならないか?」
そう言って肩を叩いてきた。悪気はないのだろう。
……ご存知のとおり、俺は2撃で死ぬわけで、そして1撃はさっきの戦闘で食らっているので……
「あれ? おい! 大丈夫か!?」
こうなりました。冥界っす。
[それにしても実力不足ですね]
「ちょっと辛辣すぎないですか!?」
[嘘です。頑張りましたね]
ああよかった。誉められた。
[そこそこ目が安定してきましたか?]
「あ、そのことについては全く分からないんだけど……」
[……そうですか]
実際わからないんだよな。
「あ、そうだ。職人いる?」
[傘の修復ですか?]
「そうそう。」
折れた傘を置く。
[折り畳みの方の傘も置いていってください]
「え? いいけどなんで?」
[職人曰くメンテナンスしたいとのことです]
「その職人は?」
[ちょっと出掛けています]
どこに出掛けてるんだ……
[次に死ぬ頃には出来上がってますよ。多分]
死ぬ前提なんだ……
ということで22話でした。
戦闘なんかやるもんじゃないですね。
悠斗くんもそう思ってますよ。
次回[できたら苦労しません]




